賊アジトな洞窟から脱出せよっ!
牢屋から女性達を出し、先を歩かせる。
その後方から女性達の様子を伺いながら、随時休憩を指示しているな。
なるほど、体調が万全でない女性達を先導するように先頭を歩けば、疲れて立ち止まったり遅れる女性を取り零すことになっただろう。
それを見越して、後方からか。
やるな、ダリルさん!
っと、先頭付近の女性が止まったな。
何かあったか?
『ああ、駆除した賊の死体が有ったみたいですね。
数人が激昂して蹴り付けているみたいです』
はぁ?
そんなことしてんの?
あ、ダリルさんが気付いたみたいだな。
「おい」
「旦那、止めないでおくれでないかい。
アタしゃぁ、亭主をコイツにぃ!」
「気持ちが分かるとは、言わん。
当事者では無いからな。
だが、そんなゴミは捨ておけ。
体力の無駄だし、時間が惜しい。
ココへは後に戻るが、その頃には獣に食い荒らされているだろう。
被害者を弔ってやりたいが、その時間もないのだ。
早く移動せねは、アナタ方の安全が確保できんのでな」
そう告げられ、悔しそうにしながら従う。
まぁ、歩みは遅いからなぁ。
そして、しばらく歩き続けていると。
「止まってくれ」ってダリルさんがな。
どったんだろ?
そしたら少女を抱えたダリルさんが女性達を追い越し、先頭の女性が居る先へと。
その先へ有った穴、いや、部屋だな。
ソコヘとな。
なんだろね?
女性達も不思議そうにしていると、ダリルさんが部屋へ入り、部屋の中で荷車を。
え?
荷車?
なんで?
『最奥の部屋へ、アレだけの荷が蓄えられていた訳です。
アレだけの量を抱えて持ち込むのは、困難かと。
おそらくですが、この荷車を使用していたのでしょう。
荷ならば、ロープで固定すれば荷車でも運べます。
ですが、ココまでの勾配を考えるに、人を乗せるとズリ落ちるでしょう。
ココら辺から勾配が緩くなっており、人を乗せても大丈夫かと。
おそらく、女性達を乗せて運ぶのでは?』
そうアドバイザーさんが予測した通りのようだ。
「ココからは、この荷車へ皆を乗せて移動する。
本当は、もっと下にて荷車を調達したがったが、なにせ勾配が急だったからな。
荷車からアナタ方が落ちる危険を避けた。
ココからは勾配が緩やかになっている。
コレならば、荷車から落ちることもあるまい。
さぁ、乗ってくれ」
そうダリルさんが告げると、女性の1人がな。
「ちょっと待っておくれでないかい。
乗るのは構わないけどさ、アンタ1人で荷車を牽くのかい?」
無理じゃね?っう感じでな。
「大物な獲物を狩ると、荷車へ載せて運ぶ。
そう言う意味では、荷車を牽くのに慣れているのでな。
まぁ、アナタ方を乗せた荷車ていどならば、苦にもならんよ」
そう告げ、荷車へ乗るように促す。
さほど大きくない荷車ゆえ、全員が乗ると満載だな。
ダリルさんは、抱えていた少女を荷車へ乗った女性へ託す。
そして、荷車を牽いて進み始めた。
っか、おぉおおぉっ!
なんか、軽やかに歩んでね?
ダリルさんって、マジ人外!
緩やかとは言え、洞窟内の坂道を普通に歩く感じで移動を。
っか、洞窟内の床って滑るよな?
余分に力が必要だと思うのだが?
先程、女性達が歩いていた速度の数倍はある速度にて移動を。
途中に転がる賊の屍を蹴り避けつつな。
ほどなく出口へと。
荷車だと、アッと言う間に出口に着いたな。
外へ出る前に、ダリルさんが止まる。
「誰だ!」
いきなり誰何してるんだが?
なんだぁ?
「ん?
ダリルか?
しかし、賊がアチコチに転がっていたんだが、全部お前が?」
「全部かは知らんが、倒したのは俺だ」
「そうか。
賊は身包み剥いで埋めといたぞ。
まぁ、まだ途中ではあるが。
俺は先行して、様子を見に来たんだがな。
して、その荷車と女性達は?」
そう尋ねられ、ダリルさんがな。
「ああ、賊に捕えられていた。
賊はどうでも良いが、被害者を弔いたい。
彼女達を任せても?」
そう告げられた狩人が慌ててな。
「このような場所で託されても困る!
本体まで護送して貰えぬか?」
そう慌ててな。
まぁ、猛獣が現れたら女性達を守り切れまい。
安易に了承するより、好感が持てるな、うん!




