38話
僕らの前世の担任である雪代先生と元クラスメイト達がこの世界に召喚された。
僕は柄にもなく驚愕してしまった。
「成功、だな。」
そう言ったのは誰だろうか。
ユタカを見るとシンシアに耳打ちをしていた。
「あいつら、前世でシンヤと俺をいじめてた奴らだ。特定の奴ら以外はみんないい奴だが幸村、水樹、山川って奴には注意しろよ。」
と忠告していた。
「勇者様方!みなさまはこの世界の邪神を倒すために召喚されました。どうか我らをお救いください!」
そう神官がいうと雪代先生が前に出てきた。
「待ってください!彼らはまだ学生です!彼らを戦場に向かわせるわけにはいきません。」
だがその主張も虚しく失敗に終わる。
幸村達だ。
「俺らがその邪神とやらを倒せばいいのか?楽勝だろ。」
「そうよ。あたし達は勇者なんでしょ?」
「だな。俺らに勝てるわけないな。」
その言葉を雪代先生が止める。
「やめろ!君たちを守る義務が先生にはあるんだ!」
だが聞き入れない様子だった。
今まで困惑していた神官達がハッとしたように話しかけた。
「と、とりあえずみなさま今日はお疲れかもしれません。お部屋にご案内いたしますので、状況把握もかねてどうぞおくつろぎください。」
そういうと皆メイド立ちに案内されていった。
神官達は唯一の大人である雪代先生を引き留め後で別室に案内すると伝えた。
クラスメイト達は少しキョロキョロしていた。
そして僕らの方に視線を止めて驚いた表情を見せた。
雪代先生も同様だ。
だがすぐに真顔になり僕らに近づいてきた。
「あの、どこかであったことはありませんか?」
「何を言ってるんですか?勇者様方。僕は生まれも育ちもこの世界ですよ?ここに実の父もいます。ねぇ父さん。」
父さんを見ると肯定してくれた。
「あぁ、こいつは確かにうちの子だ。」
そういって僕の頭をポンと撫でた。
「では、お名前をお聞きしても?」
ならばせめて!と僕の名前を聞いてきた。
「シンヤ=ウェントです。よろしくお願いしますね。勇者様。」
そうするとさらに皆の表情が驚愕に染まった。
そりゃ故人と名前が同じなのだから驚くだろう。
「シンヤ、、、そうですか。ありがとうございます。」
だがまたしても幸村が邪魔をした。
「ふーん、まあ俺らには関係ないけどな。」
自分にも死の要因があるのにその態度には流石に腹が立った。
「ま、まあとりあえずみなさんは部屋でくつろいでください。」
僕は雪代先生が何かを言う前に皆をメイドに案内させた。
そのとき雪代先生はとても寂しそうな眼をしていた。
その後五大国家から発表があった。
「神のお告げより勇者を召喚した。勇者の召喚は邪神復活の兆しだから注意しろ。」
そしてこの激動の1日は終わりを告げた。
その夜僕は久しぶりに神界に来ていた。
「久しぶりだな!シンヤ。」
優斗さん達は相変わらずだった。
ゼノス様は深刻そうな顔をしていた。
「すまなかったのぉ、シンヤ。まさかあのもの達が召喚されるとは。」
「いえいえ。気にしていませんよ。ねぇマナミ?」
「うん!しんくんと一緒だもん。」
僕がそう答えるとゼノス様は安心したように頷いた。
その様子を見ていた優斗さんは
「しかしなんだ?あの魔王は?俺たちも魔王とは戦ったんだがなぁ。」
とラウレスに疑問を持っていた。
「まぁそうですね。あはは。」
ここではマナミ達がいるからラウレスと頻繁に会っていることは話してはいけない。
「そろそろ時間ですね。」
僕がそういうと僕が霧の様に消えてしまった。
「おい!シンヤ!お前は俺の弟子なんだから困った時はいつでも頼れ!」
優斗さんはそういってくれた。
僕はその言葉にほっこりしていた。
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