12話
あれから2年、僕らは12歳となっていた。
マナミとは毎日、念話の石で連絡をとっている。
そんなある日、カザルが書斎へ来いと言ってきた。
書斎の扉を開けるとカザル
を中心にとアレル伯爵家のジークさん、そしてマナミがいた。
「マナミさんにジークさんなんでここに?」
「それについてはカザル殿から説明があるんじゃないかな。久しぶりだね、シンヤ君」
そう言われたのでカザルを見ると
「実はセイルド神皇国の聖女様とその国のソドル公爵家の三男が婚約するらしい。
その婚約パーティに呼ばれたからお前もこい」
セイルド神皇国、この世界の唯一の宗教、創世教の総本山で五大国家の一つ、そしてユタカとシンシアが生まれた国だ。
「わかりました、父さん、いかせてください」
「あぁ わかった、ついてこい、ちなみにマナミ嬢とジーク殿も一緒に行くぞ」
「カザル様、突然こんなお願いをしてしまい、申し訳ございません」
マナミがとてもニヤニヤし
ている。
幸い父さんやジークさんは気付いてないようだけど
「別に構わない。 馬車もそちらのものということなのだろう? 我々としては構わない。」
「そうだよ、マナミ、大丈夫 それに君やシンヤ君、お前たちのように年が近いものがいた方が彼らも安心するだろう」
マナミはようやく凛としたいつもの顔に戻った。
「わかりました、わたしも
しんく、、、シンヤさんとセイルド神皇国にいってきます」
「ふむ、決まりだな」
カザルは満足気に頷いた
「では、また明日、会いましょう。シンヤさん」
そういうとすれ違いざまに耳元で「バイバイ、しんくん」と言って帰っていった。
「ところでシンヤ、マナミ嬢との関係はどうなんだ?」
「ふぇ? 別にふ、普通ですが?」
どうして、そんなことを聞くんだろう?
前世のことはバレてないはずなのに
動揺してる僕を見た父さんはなにを思ったのか
「いや、昔からマナミ嬢はお前と話してる時楽しそうだから、気になっただけだ」
といった。
「、、、そうですね 僕にとって大切な人ですよ、とっても。」
「、、、そうか」
父さんはそれ以上追求はしなかった。
その日はやけに月が綺麗だった。
翌日、僕は出発の準備を始めていた。
フェンの魔力を安定させ、念話の石を髪に留めた。
「出発するぞ、シンヤ」
屋敷の前には2台の馬車が並んでいた。
一台は侯爵家のもの、もう一台はアレル伯爵家のものだ。
「お待たせしてしまってすいません」
「いえいえ 今、来たところですよ」
「さあ、行きましょう シンヤさん」
そう言って僕らの馬車の旅が始まった。
馬車は僕とマナミで一台、父さんとジークさんで一台という組み合わせだった。
これなら前世のことも話せる
「ねぇ、しんくん。もうどこにもいかないよね? わたし怖いの、またあなたがどこかに消えてしまいそうで、ねぇいっちゃやだ やだよ」
マナミは僕に抱きついている
その腕は震えている。
怯えているのだろう。
「大丈夫 もうどこにも行かない。 君がどこかに消えてといってもずっと一緒にいるよ」
そうあやすように言うと
「うん! わたしもしんくんがどこかに行ってといってもずっと離れないからね」
これからずっと離れない僕らの誓いだった。
読んでいただきありがとうございます!
8月はいつもより多めに投稿させて頂こうと思います!




