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117話




「紅蓮一刀流――」



再生する木の根が絡み合い、殻に閉じこもるようにして塞がって行く人形使いの心臓部。


妖魔の核と言うには、気味が悪いくらい余りにも人の心臓に瓜二つなそれは、まるで人形使いのメタファーであるかのようにすら捉えられる上、手を下す者の忌避感や人殺しと言う、人の禁忌を煽るような造形をしているのは、人形使いの性格が如実に表れているからなのか。

だがしかし、必要とあらば一人二人の犠牲は疎か、自分の手で始末する事すら厭わない霧矢にとっては、この程度脅しにすらなり得ない。むしろ、刀を構えた霧矢の勢いはさらに増すばかりで、再生の間に合わない人形使いの心臓には、このまま霧矢の一刀の下に切り伏せられる未来が待ち構えていた。


刀を構えた霧矢から立ち上る気配は、完全顕現した上級妖魔でさえも死を錯覚するほどに濃い殺意を滲ませていた。


それが故に、妨害など眼中にも無かった人形使いの警戒を引き出し、霧矢の刀の前に心臓の守護者を引き出させる。




「――皇、龍火……ッ!!!」




霧矢の前に現れた心臓の守護者は、かつて倶利伽羅最強と呼ばれた男、皇龍火。

神藤霧矢と皇龍火の間に面識は無い。しかし、今現在霧矢が乗せられている神輿に、歴史も血筋も無かった皇龍火が最強と呼ばれるようになった経緯が買われ、かつては皇龍火も神輿に乗せられていた過去がある。そんな唯一とも言える共通点であるが、神藤霧矢がその神輿の上で胡坐をかいていたのに対して、皇龍火は神輿に乗せられている事を良しとしていなかったし、誰の事も見下してなどいなかった。誰にも屈さず、誰にも傲慢にならない。それこそが最強たる器。皇龍火が最強たる所以とも言えるのだが、死して尚も彼がその身に刻んできた努力の結晶を弄ばれるその様は最早最強とは言い難く、倶利伽羅にとってみれば『最凶』たる存在とも呼べるのであった。


しかし、本来であれば彼の体はあの時、七星と千夏を襲った木の根の檻の中で甘奈によって焼き尽くされていたはず。合流の際に七星から「人形にされた先生が居た」と報告を受けた際に、そう聞いていた黄金世代の二人は、霧矢の前に割り込むように出現した刹那の一瞬で、霧矢の刀の勢いを完璧に殺して横に逸らして見せた皇龍火の姿を見て、即座に「本物である」と認識する。

皇龍火と言う、人形使いが持ち得る手札の中でも有数、ないし最強の切り札であるはずのカードを二人の足止めに使う、と言うのは余りにも贅沢過ぎる使い方であり、七星と千夏を刺し貫くに至って皇龍火をも串刺しにするつもりは無かったのか、あの場から離脱させる方法があったのかと思考が飛躍する。それであれば、甘奈が繰り出した炎の龍からも逃れられるはずだから。


その思考は一瞬。皇龍火が落とした刃先を返すまでの間に思考を終えた晴也と獅子王の二人が、霧矢に続くように脇から飛び出し、刀を持って己が恩師に斬りかかる。



「紅蓮一刀流中伝、併せ技・獅子穿牙(ししせんが)!!」

「紅蓮一刀流、中伝・鳳仙火(ほうせんか)!!」



四家が皇龍火を恩師と慕うように、燼月永新と接するのとは裏腹に、皇龍火は教師としてではなく一人の倶利伽羅として、類稀なる才覚を有する黄金世代に入れ込んでいた。


その際、四家と永恋達の間でこんな話題が出た事があった。


――皇龍火(先生)を倒すにはどうすればいいか。


当時、皇龍火が教師であると言う事は秘匿されており、それを知っていたのは四家や永恋を含む名家の中でも極一部であり、当然永新など知る由も無い事実であるため、その席には同席していなかった。


しかし、その会話には何の意味も無く、子供同士の戯れ、力を覚えたばかりで増長する気配を見せた、子供らしからぬ子供が時折垣間見せる貴重な子供らしい例え話であった。

そこで出てくる解決策も、「寝込みを襲う」とか、「毒を盛る」とか、「勉強を教わる振りをして」と言った回りくどい、皇龍火と正面から対峙しない事を前提とした話をしながらも、決まって必ず最後には「先生ならどうにかしてしまいそう」と結論が付いて終わるのだが、この時はまだ、終わらなかった。


『まだ帰らないのか』


厳格ながらも、言葉の端々には子供を案ずるような感情を滲ませた、心優しく、そして何よりも強い先生が珍しく顔を出したのだ。その際、無邪気を装った晴也が「先生を倒す算段を企てていました!」と言って見せるものだから、先生は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした後、どこか喜色ばんだ笑みをこぼして一つだけ言ってのけたのだ。




――私の準備が整う前に、最大最強の火力でもって襲い掛かる。息つく間も、技の用意も出来なければ、私もいずれは押し負ける。




まさかそれを実行に移す日がやって来るとは思わなかった晴也と獅子王の二人は歯を食い縛り、皇龍火に指一本動かす暇さえ与えてなるものか、と斬りかかる。



「はぁぁぁぁぁあぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!」

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」



霊力を滾らせ、二つの猛る炎が皇龍火を襲う。

二つの霊技は、刀を、姿勢を乱された霧矢へと斬りかかろうとしていた皇龍火を押し返すかのように後退させるに至る。


しかし、類稀なる才覚を持ち合わせる黄金世代とどんなに持て囃されたとて、二人はたかだか齢十五の若造。六十年近く戦場を舞っていた「最強」を前にしてみれば彼らは青二才と言わざるを得ない程に、二つの間には長い年月をかけて研ぎ澄まされた「実力」と言う名の巨大な壁が、二人が放つ絶技が皇龍火の首へと到達するのを阻むのだった。


間もなくして、火炎渦巻く空間を裂くように、一つの金属音が鳴り響く。

それは刀同士が打ち合うような音であると同時に、少し遅れて金属が地面を打ち受ける重たい音が続く。聞き慣れた音とも取れるそれは刀が落ちた音であり、未だ刀を握っている獅子王は、晴也の刀が落とされたのだと思い至る。



「こう、なれば……! 紅蓮いッ――!?」


「シィッ――!!!!!」



絶技を切り替えるように動いた獅子王。

しかし、その間隙を縫うように差し込まれる、皇龍火の刃先。それが獅子王の眼前に突き出され、獅子王は一瞬、死を錯覚する。


波状攻撃すら意味を成さない程に速く、自分の体一つを滑り込ませる隙を見逃さない目と、波状攻撃を阻むかのように的確に差し込まれる刀。それらを、皇龍火が己が身体能力のみで行っているのだと思うと、微かに見えていたはずの獅子王の頭に浮かんでいた先生を倒す事が出来る可能性が泡のように弾けて消えていく。

叢雨勇哉と言う、自分達よりも格上の敵を、実力差のある相手を倒した経験が追い風となっていたのだが、ひっくり返しようのない圧倒的な実力差と言うものを前にして、獅子王の背中を押してくれていたはずの追い風が止んだように思える。そうして次に吹き荒れるのは、皇龍火が放つ威風であり、獅子王にとっては向かい風。それ即ち、死であった。






「――纏炎闘術無手焼灼流、奥義・天火無双(てんかむそう)……ッ!!!!!!!!」






「――ッ、……ッ!!!!!」



目の前に突き出された刀の刃先が、次の瞬間には自分の脳天を突き破る事を理解した獅子王が死を覚悟した、刹那。


獅子王の眼前にあったはずの、皇龍火の刃先は獅子王の額の薄皮を裂くだけに留まり、瞬き一つした直後には、烈火を宿した拳が皇龍火に横から突き刺さる瞬間が獅子王の目には映っていた。


皇龍火は一瞬の抵抗を見せたものの、晴也が繰り出した霊技の威力は、それ以上の抵抗の一切を許さないかのようにその体を殴り飛ばし、横に殴り飛ばした。


人形の皇龍火は、霊技の苛烈さの如何で刀を取りこぼさせる対象を選んだのだろうが、これがもし人形ではなく先生であったなら、彼は間違いなく天炎晴也の手を空かせる、などと言う自殺行為はしなかっただろう。

刀をその手から弾き飛ばされた直後、晴也は即座に纏炎闘術の構えに移行していた。それは彼が元より刀での一撃の次は得意の拳をお見舞いするつもりであった事に通じ、刀を弾かれなくとも自ら捨てるつもりであった。それが相手の行動によって刀が手を離れた事で自分のワンアクションが省略され、皇龍火の神速が如きスピードに追い付いたのであった。


皇龍火が神速の如きスピードを誇るとは言え、黄金世代にもまた、抜群の情報処理能力がもたらす最速の判断力を誇る百獣の王が存在しており、レンズの奥に隠された金色の瞳は、常に最善、常に最速をもたらす。




「――紅蓮一刀流、秘伝。神来宝典・獅子王牙ッ!!!!!!」




晴也に激しく殴り飛ばされた皇龍火が、何度も何度も受け身を取ろうと繰り返しながら地面を転がってようやくその勢いを殺した皇龍火は、こうして離れた距離を生かして霊技の構えを取ろうとした瞬間、皇龍火の視界の端で、身を低くした獅子王の姿が映り込む。

彼は死を錯覚した直後に動き出し、殴り飛ばされた皇龍火よりも早く動いて、皇龍火の着地点を予測した上で霊技を構えていた。その事実に、感情など宿していないはずの人形となった皇龍火の目が僅かに揺れ動いたかのように見えた、直後。


地面を舐める獅子王の刀が皇龍火が反応するよりも早く振り抜かれ、彼の絶技が皇龍火に炸裂する。


天より降り注ぐ絶技の威力を模したのが支援砲撃であるのに対し、獅子王が放った絶技は、再生したばかりの人形使いの体を内側から食い破るかのようにして天へと昇る紅蓮の獅子の姿が臨めるのであった。


確実に当たった、と自負できる手応えを感じた獅子王が己の生み出した炎の獅子を前に肩で呼吸を繰り返した、その時だった。




「――獅子王ッ! まだだッ!!!!!!」




「は――ッ!?」



空間に晴也の声がこだまする。

その声に頭を動かすと、獅子王の視線の先では、焦燥した顔でこちらに向かって駆け寄ろうとしている晴也の姿と、こちらを見ずに心臓へと一直線に向かおうとする霧矢の二つの姿が確認できた、その瞬間。

獅子王の前で轟々と燃え盛る炎より飛び出した腕が、獅子王の首を掴んだのであった。



「な、ぁ……ッ、ぐぁ……う、う……ッ!?」



その手は燃える鉄のように熱く、硬かった。

獅子王の体は軽々と持ち上げられ、頸動脈を圧迫される事で留まる血の巡りの所為で意識が朦朧とし始める。それを成したのが何者であるかなど、確認するまでも無いのだが、獅子王の目は燃え盛る絶技の炎の中より歩み出てきた皇龍火の姿を捉えるのだった。



「……」



皇龍火は、獅子王の絶技を耐え抜いた。その事実だけでも驚愕に値するのだが、当然彼もただでは済んでおらず、体を包んでいた霊具の殆どは燃やし尽くされ、全身の肉は焼け焦げた悲惨な姿。

しかし、獅子王が放った秘伝の絶技は、本来であれば骨の一片すら残らぬほどの威力と破壊力がある霊技である以上、肉の一片は疎か、五体満足で立っていると言う状況自体が信じられないものであった。それと同時に獅子王は、皇龍火があの一瞬で持ち得る全てを出して防御に回ったと言う成果を引き出せた自分の功績を称えたく思うのであった。


しかし、現実は無情であり、肉体が焼き尽くされても尚、操られた皇龍火は教え子の成長に感慨を抱く様子もなく獅子王の首を圧し折らんとその手に力を込めていく。


駆け寄ろうとする晴也は、間に合わない。心臓を叩き切らんとする霧矢は尊い犠牲だったと言うだろう。


最早、獅子王が助かる術など、どこにもない。

苦痛に歪む表情であっても、どんなにみっともなく足掻いてみたとしても、獅子王の胸の内は冷静なまま、自分の死を受け入れようとしている。だが、それでも、獅子王の本当の心は叫んでいる。死にたくない、死ねない、生きていたい。生きて、




――生きて、罪を償わなければならないから、




と。



「じね、な゛ぃ……ッ!!!!」



自分の首を掻き毟るかのように、皇龍火と自分の首の間に手指を割り込ませようと、どこまでも必死に生に縋り付く。


以前までの獅子王であれば、とっくに全てを諦めて、全てを投げ出していたかもしれない。自分は悪くない、悪いのは全部、自分以外の誰か。そう言って、上手くいかない事を全部、人の所為にして。


だが、獅子王は生まれ変わった。自分と向き合う時間を得て、自分の為に動いてくれている人の事を知って、自分がどれだけ多くの人に支えられているのかを知って、そして――。


自分の仕出かした、罪の重さにようやく気が付いて。


そうして生まれ変わったと言うのに、まだ何も出来ていないと言うのに。こんなところで、死んでなどいられるものか、と獅子王は藻掻く。足掻いて、藻掻いてみせるも、皇龍火の手は決して弛まない。獅子王の足掻きは所詮、自分が死ぬまでの時間を一瞬稼いだだけに過ぎず、死ぬ未来は変えられないのだと自覚する。そう思えば、瞬く間に走馬灯が過り、自分の愚かさを思い知った――次の瞬間。






「――紅蓮一刀流、初伝・桜花一閃」






走馬灯の景色に声が付いたかのような、重たい鈴のような声が聞こえたかと思えば、獅子王の体は浮遊感を覚え、瞬く間に脳に流れ込む血と、二つの肺が酸素を求めるようにして喘ぎ繰り返す。



「げほっ、えほっ、げはっ――こ、ぐれ、び……?」



地面に落とされた獅子王は、自分と皇龍火の間に割って入った人の背中を見て、そうであって欲しいと言う願いを込めて彼女の名を口にすると、柔らかな髪が跳ねて横目でこちらの無事を確認する小暮日永恋の姿を前に、不意に笑みを零す。彼女は獅子王の無事を確認した直後に再び皇龍火へと視線を移した為その笑みには気が付かなかったが、命の危機から解放された安堵と、隠し切れない程の恋心が混ざり合った獅子王の笑みは少しだけ、不細工だった。



「破魔弓術中級、併せ技・爆穿!!!」

「七星!!」



永恋が向き直った皇龍火に対し、続けてもう一つの新たな声が人形使いの体の中に響き渡る。

皇龍火を襲う爆音に紛れて晴也が喜びの声を上げる中、高速移動を繰り返す度に崩れていく焼き爛れた肉体を持つ皇龍火は、七星が繰り出した霊技の全てを回避して見せる。


その動きは未だに俊敏性を保ってはいるが、永恋にも、七星にも反撃をする様子は無い。どころか、逃亡するかのように背中を向けて走り出す。



「――霧矢さんッ!!!」



皇龍火が向かう先は、心臓に接近した神藤霧矢。人形の皇龍火は、人形使いが放つ心臓の守護者としての役割を担っている以上、心臓に最も近付いている霧矢を標的にするのは当然であった。


しかし、それぞれの置かれた位置が、霧矢のカバーに動くには遠すぎて、皇龍火の動きは速すぎた。


霧矢に最も近い距離に位置する晴也は、獅子王を助けに動いた影響で離れた事に加え、方向転換の必要があり、間に合わない。

獅子王に至っては、立ち上がりはしたものの、襲い来る樹根を振り払う事すら出来ずに移動を制限されてしまい、霧矢の元へは間に合わない。

永恋と七星は接近を試みるが、獅子王がいた場所から心臓までは離されている以上、霧矢のカバーには間に合わない。


結論からして、霧矢は皇龍火の妨害を受けざるを得ない状況の中、霧矢は命を賭してでも心臓を破壊するつもりだった。



「紅蓮一刀流――」



死を覚悟した霧矢の一刀が構えられる。

甘奈を超える霊力の持ち主が放つ、己が誇る最大最強の霊技が構えられると同時に、刀を捨てた皇龍火が、貫手でもって霧矢に突貫する。焼け焦げて脆くなったその体では、その貫手が最後の一撃になるだろうが、人形である皇龍火はそんな事気にも留めないし、人形使いもまた、霧矢さえ排除出来れば、残るのは霊力を消耗させた子供達のみであると理解しているようだった。

人形使いの自信を裏付けるかのように、皇龍火はさらに加速する。そのスピードは、霧矢が刀を振るよりも早く皇龍火がその体を刺し貫くと黄金世代に思わせるには十分かつ、その危惧を現実にするかのように、後ろを振り向かない霧矢に皇龍火の全身全霊が込められた攻撃が、迫る。


神藤霧矢は、まだ刀を振らない。


皇龍火の貫手が、彼の脇から迫り来る。


勢いの乗った一撃は、まるで豆腐を崩すみたいに簡単に霧矢の体を破壊する。

そんな未来が予見できる程に、皇龍火のスピードは苛烈だった。

かつての最強が放つ、尋常ではない程の殺気を浴びる霧矢は、全身に粟のような鳥肌を立たせ、大量の発汗が己の死期を悟らせるのだが、それでも彼は、己に課せられた使命を果たすべく、刀に霊力を注ぎ続ける。



「避けて――ッ!!」



誰かがそう叫んだ。

だがしかし、これは千載一遇の好機である。決して逃す事は出来ない。

これを逃せば、再生を果たした人形使いが本格的に動き出し、例え皇龍火を打倒したとしても、これ以上の妨害が待ち受けているのは想像に容易い。故に、ここで決める。


覚悟は決まっている。


後進にその背中を見せるかのように奥歯を噛み締め、恐怖を黙らせる。


感情の無い、肉がこそげ落ちて人体模型のような醜い姿にされても尚も動かされる非運を嘆く暇すらないまま、霧矢は霊力を練った――その時だった。



「――ッ!!」



皇龍火が飛び込んでくる先、霧矢の体の真横に出現した、空間の揺らぎ。

それは陽炎のようでいて、それでいて異なる光の揺らぎ。

そしてそれは、この場にいる誰もが見覚えのある光景であった。



「甘奈……!!」



瞬間。

鏡が光を反射するかのように、鏡合わせになったもう一枚が受けた霊力の斬撃が、その鏡より放たれる。


その斬撃は、飛び込んで来た皇龍火の体を両断し、霧矢の無事を見届けるかのように、静かに消え行くのであった。



「ハッ……! 礼を言うぜ、火加々美甘奈……!! ここまでお膳立てされたんだ。応えなくちゃあ、俺の名が廃るってもんだ。見せてやるよ、俺の、全力ってやつをよォ!!!!!!!!」



高まりに高まった霊力が刀に宿り、霧矢の猛然とした笑みに呼応して、炎が渦巻いていく。


そうして放たれるのは、人形使いの心臓を切り裂く至高の一撃にして、無謬の死をもたらす確殺の霊技であった。





()()、紅蓮一刀――」












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