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転生したら最強ジョブだが最凶だった件 ~伝説の【神銃士】になったのに、一発も撃てない~  作者: 蝶野摩矢
東方編 ― 古代文字の導く先

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今度は、三人で

ガルドの。


店を出て。


俺たちは。


そのまま。


街を歩いていた。


「東方かあ」


セリアが。


もう一度。


言う。


「さっきも」


「言ってなかった?」


「言った」


「じゃあ」


「何でまた」


「言うんだよ」


「だって」


セリアが。


前を見る。


「行ったこと」


「ないから」


「ちょっと」


「楽しみじゃない?」


「さっき」


「遠いって」


「言ってただろ」


「遠いのと」


「楽しみなのは」


「別でしょ」


「そういうもんか?」


「そういうものです」


横から。


リーナが。


答えた。


「リーナも?」


「はい」


少し。


意外だった。


「楽しみなのか?」


「少し」


リーナが。


笑う。


「知らない場所へ」


「行くのは」


「嫌いでは」


「ありません」


「そうだったのか」


「レンさんは?」


「俺?」


考える。


東方。


知らない。


土地。


知らない。


街。


そこに。


古い文字を。


知っている。


人間が。


いるかもしれない。


昨日までは。


次に。


何をすればいいのか。


それすら。


分からなかった。


それに比べれば。


「まあ」


「俺も」


「少しは」


「楽しみかもな」


「ほら」


セリアが。


笑う。


「同じじゃん」


「少しって」


「言っただろ」


「私も」


「少しだよ?」


「絶対」


「違うだろ」


そんなことを。


話しながら。


歩く。


でも。


俺の足は。


自然と。


少し。


遅くなった。


「レン?」


「……」


街を見る。


見慣れた。


道。


見慣れた。


店。


見慣れた。


人たち。


帰ってきて。


まだ。


そんなに。


経っていない。


なのに。


もう。


次の場所へ。


行こうとしている。


「……何か」


「変な感じだな」


「何が?」


「帰ってきたのに」


俺は。


言う。


「もう」


「出ること」


「考えてる」


セリアが。


少し。


黙る。


「……そうだね」


今度は。


笑わなかった。


リーナも。


何も。


言わない。


ここを。


出た時。


俺は。


神銃を。


撃てなかった。


何度。


引き金を。


引いても。


鳴るのは。


――カチッ。


それだけ。


だから。


答えを。


探しに。


街を出た。


そして。


帰ってきた。


神銃は。


撃てるように。


なった。


隣には。


リーナがいる。


セリアも。


いる。


自分の。


剣もある。


あの頃とは。


何もかも。


違う。


それなのに。


また。


分からないことを。


追いかけて。


街を。


出ようとしている。


「……結局」


「何?」


「俺」


「あんまり」


「変わってないのかも」


セリアが。


俺を見る。


「そう?」


「ああ」


「分からないから」


「調べに行く」


「前と」


「同じだろ」


「全然」


「違うと思うけど」


「どこが?」


セリアが。


少し。


考える。


それから。


俺の。


隣を見る。


リーナ。


そして。


自分を。


指差した。


「今回は」


「一人じゃない」


「……」


「最初に」


「街を出た時と」


「そこは」


「全然違うでしょ」


リーナも。


小さく。


頷いた。


「そうですね」


「……そうか」


確かに。


そうだった。


俺は。


少しだけ。


笑う。


「じゃあ」


「頼むわ」


「何を?」


「東方でも」


「付き合ってくれ」


セリアが。


呆れたように。


俺を見る。


「今さら?」


「そう言われると」


「何か」


「腹立つな」


「何でよ」


リーナが。


笑っていた。


少し。


歩く。


そこで。


ふと。


思った。


「そういえば」


「何?」


セリアが。


俺を見る。


「お前」


「東方」


「行くんだよな?」


「行くけど」


即答。


「……早いな」


「何が?」


「いや」


「もうちょっと」


「考えるとか」


「ないのか?」


「何で?」


「何でって」


セリアが。


不思議そうに。


俺を見る。


「レンたち」


「行くんでしょ?」


「ああ」


「じゃあ」


「私も行く」


「……」


何でもない。


ことみたいに。


言った。


「何?」


「いや」


俺は。


少し。


考える。


「お前」


「いつまで」


「一緒に来るんだ?」


「は?」


「いや」


「アルトの時は」


「目的地が」


「同じだっただろ」


「うん」


「でも」


「今回は」


「東方だぞ」


「知ってる」


「遠いぞ」


「それも」


「さっき聞いた」


「じゃなくて」


「……」


何を。


言いたいんだ。


俺は。


自分でも。


分からなくなってきた。


セリアが。


少し。


眉を寄せる。


「もしかして」


「何?」


「私」


「来ない方がいい?」


「いや」


「そんなこと」


「言ってないだろ」


「じゃあ」


「いいじゃん」


「……」


「それとも」


セリアが。


少し。


笑う。


「今さら」


「置いてくつもりだった?」


「そういう」


「わけじゃない」


「なら」


「決まり」


勝手に。


決められた。


いや。


違う。


多分。


とっくに。


決まっていた。


いつから。


だったんだろう。


セリアが。


一緒にいることを。


当たり前だと。


思うように。


なったのは。


王都で。


再会した時?


一緒に。


アルトへ。


向かった時?


地竜と。


戦った時?


それとも。


もっと。


前なのか。


分からない。


アルトへ。


向かう時は。


まだ。


目的地が。


同じだけ。


そう。


思っていた。


誰かが。


仲間になったとか。


そんな。


大げさな話じゃ。


なかった。


でも。


今は。


違う。


東方へ。


行く。


そう。


決めた時。


俺は。


最初から。


三人で。


行くつもりでいた。


「……そっか」


「何が?」


「いや」


「何でもない」


「変なの」


セリアが。


前を向く。


リーナが。


俺を見る。


何となく。


笑っている。


「何だよ」


「いえ」


「何でも」


「ありません」


「絶対」


「何かあるだろ」


「ありません」


二人が。


先へ。


歩いていく。


俺も。


その後を。


追う。


仲間に。


なる。


そんな。


言葉を。


交わした覚えは。


ない。


でも。


今さら。


そんなもの。


必要ないのかもしれない。


気づけば。


もう。


セリアは。


俺たちの。


仲間だった。


◇


家へ。


戻る。


母さんは。


洗濯物を。


畳んでいた。


「ただいま」


「おかえり」


俺を見る。


その後ろ。


リーナを見る。


「セリアちゃんは?」


「家に」


「帰った」


「そう」


母さんが。


また。


洗濯物へ。


視線を戻す。


「それで?」


「……何が?」


「何か」


「話があるんでしょ」


「何で」


「分かるんだよ」


「顔」


「そんな」


「分かりやすい?」


「昔から」


即答。


嫌だな。


それ。


俺は。


母さんの。


向かいへ。


座る。


リーナも。


近くへ。


座った。


「母さん」


「うん」


「俺たち」


「東方へ」


「行こうと思う」


母さんの。


手が。


止まった。


「……東方?」


「ああ」


「昨日の」


「湖のことで」


「調べたいことがある」


少し。


沈黙。


母さんが。


ゆっくり。


顔を上げる。


「いつ?」


「まだ」


「決めてない」


「でも」


「準備できたら」


「出ると思う」


「……そう」


それだけ。


言って。


また。


洗濯物を。


畳み始める。


怒られるかと。


思った。


でも。


何も。


言わない。


「母さん?」


「何?」


「いや」


「何か」


「言わないの?」


「言って」


「行くの」


「やめる?」


「……」


「やめないでしょ」


「多分」


「なら」


「言っても」


「仕方ないじゃない」


「それは」


「そうだけど」


母さんが。


ため息を。


つく。


「昔から」


「そう」


「一度」


「決めたら」


「聞かないんだから」


「……すみません」


「謝るくらいなら」


「最初から」


「心配かけないで」


「それは」


「難しい」


「レンさん」


リーナが。


小さな声で。


言う。


「そこは」


「難しくても」


「頑張るところです」


「リーナまで」


「はい」


母さんが。


少し。


笑った。


「リーナちゃん」


「レンのこと」


「お願いね」


「はい」


「ちょっと待って」


俺は。


二人を見る。


「何で」


「俺が」


「面倒見られる側に」


「なってるの?」


母さんと。


リーナが。


顔を。


見合わせる。


「……」


「……」


「何か」


「言ってくれよ」


母さんが。


また。


笑った。


その顔を。


見て。


少しだけ。


安心した。


でも。


母さんは。


最後に。


俺を見る。


「レン」


「何?」


「ちゃんと」


「帰ってきなさい」


「……」


軽い。


言い方だった。


でも。


その一言だけは。


少し。


違って聞こえた。


「ああ」


俺は。


頷く。


「帰ってくる」


◇


その日の。


夕方。


俺は。


一人で。


湖へ。


来ていた。


別に。


何かを。


調べに。


来たわけじゃない。


舟にも。


乗らない。


ただ。


見ておきたかった。


水面は。


静かだった。


昨日。


俺たちが。


沈んだ。


場所。


その下には。


街がある。


二百年以上。


前に。


沈んだ。


街。


さらに。


その下には。


古い。


施設。


そして。


災厄。


「……」


今は。


眠っている。


封印は。


正常。


だった。


だから。


俺は。


ここを。


離れる。


何も。


知らないまま。


ここに。


残るより。


知るために。


出る。


風が。


吹く。


水面が。


揺れる。


昔は。


ただの。


湖だった。


子供の頃から。


ずっと。


そこにあった。


それが。


今は。


違う。


「行ってくる」


誰に。


言ったのか。


自分でも。


分からない。


湖に。


なのか。


この下に。


眠っている。


前の。


神銃士に。


なのか。


それとも。


故郷に。


なのか。


返事は。


ない。


当たり前だ。


俺は。


湖へ。


背を向けた。


◇


数日後。


街の。


門。


荷物を。


背負う。


腰には。


アルトで。


作ってもらった。


剣。


そして。


必要なら。


いつでも。


呼び出せる。


神銃。


隣には。


リーナ。


少し。


離れたところから。


セリアが。


走ってくる。


「ごめん!」


「遅い」


「まだ」


「時間」


「過ぎてないでしょ!」


「俺たち」


「待ってたけど」


「それは」


「早く来た」


「そっちが悪い」


「何だよ」


「その理屈」


「お待たせしました」


リーナが。


なぜか。


頭を下げる。


「リーナが」


「謝ることじゃ」


「ないだろ」


「そうだよ」


セリアが。


俺の。


横へ来る。


「じゃあ」


「行こ」


「軽いな」


「だって」


「もう」


「行くって」


「決めたんでしょ?」


「まあな」


俺は。


振り返る。


街。


俺が。


育った。


場所。


その。


向こうには。


湖がある。


見えない。


でも。


そこに。


ある。


今度。


帰ってくる時。


俺たちは。


何を。


知っているんだろう。


神銃の。


こと。


七神器の。


こと。


第二接続者の。


こと。


災厄の。


こと。


今は。


何も。


分からない。


でも。


だから。


行く。


「レンさん」


リーナが。


呼ぶ。


「行きましょう」


「ああ」


俺は。


前を向いた。


東。


まだ。


見たことのない。


土地。


そこに。


何が。


あるのか。


知らない。


誰に。


会うのかも。


知らない。


ただ。


一つだけ。


分かっている。


次に。


向かう場所は。


東方。


俺たちは。


再び。


歩き始めた。


三人で。


まだ。


知らない。


答えを。


探すために。



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