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転生したら最強ジョブだが最凶だった件 ~伝説の【神銃士】になったのに、一発も撃てない~  作者: 蝶野摩矢
湖に眠る記憶編

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63/68

沈黙

神銃の。


青白い。


光を。


追う。


俺たちが。


来た道。


崩れた。


遺跡の中を。


戻っていく。


誰も。


しばらく。


喋らなかった。


さっき。


聞いた。


声。


二百年以上。


前。


ここで。


戦った。


神銃士。


災厄。


七神器。


最後の一撃。


第二接続者。


そして。


封印。


頭の中で。


いくつもの。


言葉が。


繰り返されている。


「……レン」


前を。


歩いていた。


セリアが。


止まった。


「何?」


セリアが。


足元を。


見る。


深く。


抉られた。


三本の。


溝。


来る時にも。


見た。


巨大な。


爪痕。


「これ」


セリアが。


呟く。


「災厄の」


「跡なのかな」


「……多分」


断言は。


できない。


でも。


さっきまでとは。


見え方が。


違う。


ここで。


何かが。


戦った。


それは。


分かっていた。


でも。


今は。


その。


何かに。


名前がある。


災厄。


前の。


神銃士たちが。


倒すことのできなかった。


何か。


俺は。


爪痕の。


先を見る。


崩れた。


街。


その向こう。


壁に。


大きな。


穴。


一直線に。


何枚もの。


壁を。


貫いている。


神銃の。


跡。


俺は。


手の中の。


神器を見る。


「……」


同じ。


神銃。


二百年以上。


前。


あの男も。


これを。


持っていた。


ここで。


撃った。


何度も。


何度も。


それでも。


倒せなかった。


「レンさん?」


リーナの。


声。


「いや」


俺は。


首を振る。


「行こう」


今は。


戻る方が。


先だ。


◇


崩れた。


街を。


進む。


神銃の。


光は。


消えない。


むしろ。


少しずつ。


強くなっている。


「合ってる」


「みたいですね」


「ああ」


やがて。


見覚えのある。


場所へ。


戻ってきた。


石畳。


崩れた。


建物。


そして。


俺たちが。


最初に。


目を覚ました。


場所。


「ここ」


セリアが。


周囲を見る。


「最初のところだよね」


「ああ」


「じゃあ」


セリアが。


上を見る。


俺も。


つられて。


見上げる。


暗い。


湖の水。


俺たちの。


頭上。


巨大な。


半球を。


覆うように。


広がっている。


「ここから」


「どうやって」


「戻るの?」


「……」


「レン?」


「俺に」


「聞くなよ」


「だって」


「神銃が」


「案内したんでしょ?」


「ここまではな」


「じゃあ」


「その神銃に」


「聞いて」


「喋ると」


「思ってるのか?」


「さっき」


「喋ってたじゃん」


「あれは」


「神銃じゃない」


「そうだっけ?」


「そうだよ」


リーナが。


小さく。


笑った。


「何だよ」


「いえ」


「少し」


「安心しました」


「何が?」


「いつもの」


「二人なので」


「……」


セリアが。


俺を見る。


俺も。


セリアを見る。


「まあ」


セリアが。


言う。


「確かに」


「さっきまで」


「すごい話」


「聞いてたからね」


「そうだな」


俺も。


もう一度。


頭上を見る。


災厄。


第二接続者。


考えたいことは。


いくらでもある。


でも。


まず。


帰らないと。


どうにもならない。


「レンさん」


リーナが。


神銃を。


指した。


「光が」


見る。


さっきより。


強い。


青白い。


光。


古い文字が。


一つ。


また。


一つ。


浮かび上がっている。


「何か」


「あるのか?」


神銃を。


動かす。


右。


少し。


弱くなる。


左。


同じ。


後ろ。


弱い。


そして。


上。


――……ン。


光が。


一気に。


強くなった。


「上?」


セリアも。


見上げる。


「ああ」


間違いない。


神銃が。


反応している。


頭上。


湖の。


水。


「まさか」


セリアが。


嫌そうな。


顔をする。


「また」


「水の中?」


「……多分」


「多分って」


「他に」


「思いつくか?」


「ないけど」


「じゃあ」


「仕方ないだろ」


「レンさん」


リーナが。


上を。


見たまま。


呟いた。


「水が」


「動いてます」


「え?」


目を。


凝らす。


暗い。


水。


最初は。


分からなかった。


でも。


確かに。


動いている。


俺たちの。


真上。


水と。


空間の。


境目。


そこだけ。


ゆっくり。


円を。


描き始めている。


「……また」


「渦?」


セリアが。


呟いた。


――ゴウン。


神銃が。


震えた。


同時に。


地面も。


僅かに。


揺れる。


「始まった……?」


俺は。


神銃を。


握り直す。


でも。


次の瞬間。


――ズン。


「……っ?」


足元。


違う。


今のは。


神銃じゃない。


もっと。


低い。


重い。


音。


地面の。


さらに。


下。


そこから。


響いた。


「今の……」


セリアが。


俺を見る。


「聞こえた」


リーナも。


足元を。


見ている。


「下から……」


「ああ」


三人とも。


動かない。


静かに。


なる。


気のせい。


だったのか。


そう。


思いかけた。


その時。


――ズン。


「……!」


今度は。


はっきり。


分かった。


地面が。


揺れた。


小石が。


僅かに。


跳ねる。


俺は。


足元を見る。


この。


さらに。


下。


頭の中に。


さっきの。


声が。


蘇る。


『倒せないなら』


『せめて』


『止めるしか』


『なかった』


そして。


『この地ごと――』


『――封じ――』


「……レン」


セリアの。


声が。


さっきまでより。


小さい。


「これって」


「……分からない」


答える。


でも。


俺も。


同じことを。


考えている。


もし。


この下に。


災厄が。


封じられているなら。


今のは。


何だ?


――ズ……ン。


もう一度。


今度は。


小さい。


遠く。


深い。


場所から。


響くような。


振動。


そして。


止まった。


「……」


静かだ。


何も。


起きない。


「止まった?」


セリアが。


聞く。


「ああ」


多分。


「レンさん」


リーナが。


俺を見る。


「今のは……」


「分からない」


俺は。


首を振る。


「分からないけど」


足元を見る。


「長居は」


「しない方が」


「よさそうだ」


二人とも。


頷いた。


その時。


――ゴウン。


「……?」


今度は。


後ろ。


遺跡の。


奥から。


音が。


響いた。


俺たちは。


同時に。


振り返る。


「今の」


「さっきのと」


「違うよね?」


「ああ」


地面の。


下からじゃない。


俺たちが。


さっきまで。


いた。


遺跡。


「レンさん」


「戻って」


「みますか?」


俺は。


少し。


迷った。


頭上では。


水が。


ゆっくり。


動き始めている。


でも。


今の音も。


気になる。


「……少しだけ」


「確認しよう」


「すぐ」


「戻るぞ」


二人が。


頷いた。


◇


遺跡へ。


戻る。


奥まで。


行く必要は。


なかった。


通路へ。


入ったところで。


気づいた。


「……光ってる」


セリアが。


呟く。


壁。


そこに。


刻まれている。


古い文字。


青白い。


光が。


一本。


また。


一本。


奥へ。


向かって。


走っている。


「これ……」


リーナが。


壁を見る。


「さっきは」


「ありませんでしたよね」


「ああ」


神銃も。


反応している。


俺たちは。


光を。


追う。


そして。


戻ってきた。


小さな。


部屋。


前の。


神銃士の。


声を。


聞いた。


場所。


中央。


石の台。


さっきまで。


光を。


失っていた。


それが。


今。


再び。


青白く。


光っている。


「また」


「記録?」


セリアが。


聞く。


「分からない」


近づく。


神銃が。


微かに。


震える。


――……ン。


石の台が。


反応した。


壁。


天井。


床。


古い文字が。


一斉に。


光る。


でも。


声は。


聞こえない。


代わりに。


目の前へ。


文字が。


浮かんだ。


【封印機構――正常稼働】


「……」


俺は。


その文字を。


見る。


「封印……」


セリアが。


呟く。


「これって」


「ああ」


多分。


さっき。


聞いた。


災厄の。


封印。


続いて。


もう一つ。


文字が。


浮かぶ。


【封印対象――沈黙】


「……沈黙」


リーナが。


呟く。


「これって」


「災厄のこと……?」


「多分」


俺は。


もう一度。


文字を見る。


【封印機構――正常稼働】


【封印対象――沈黙】


その二つ。


しばらく。


待つ。


でも。


それ以上。


何も。


表示されない。


俺は。


ゆっくり。


息を吐いた。


「……よかった」


セリアも。


小さく。


呟いた。


さっき。


足元から。


響いた。


振動。


あれが。


何だったのかは。


分からない。


でも。


少なくとも。


封印そのものは。


正常に。


動いている。


そして。


封じられている。


何かも。


今は。


沈黙している。


俺は。


足元を見る。


この。


さらに。


下。


そこに。


災厄が。


封じられている。


そう。


考えた時。


最初に。


頭へ。


浮かんだのは。


父さん。


母さん。


そして。


この街で。


暮らしている。


人たち。


もし。


封印が。


今にも。


壊れそうなら。


こんなところで。


調べ物なんて。


している場合じゃない。


街から。


離れた方がいい。


でも。


二百年以上。


続いてきた。


封印。


そして。


今も。


正常に。


動いている。


封印された。


災厄も。


沈黙している。


少なくとも。


今すぐ。


何かが。


起きる状態では。


なさそうだ。


「……だからって」


俺は。


呟く。


「安心していいって」


「わけじゃないけどな」


「うん」


セリアが。


頷く。


「でも」


「今すぐ」


「どうにかなるわけじゃ」


「なさそうだね」


「ああ」


いつまで。


続くのかは。


分からない。


永遠に。


大丈夫なのかも。


分からない。


でも。


今は。


保たれている。


なら。


俺たちが。


やるべきなのは。


もっと。


知ることだ。


災厄が。


何なのか。


第二接続者が。


何なのか。


そして。


神銃の。


最後の一撃。


「レンさん」


リーナが。


神銃を見る。


「また」


見る。


神銃の。


光。


今度は。


遺跡の。


外。


俺たちが。


来た方向へ。


向かうほど。


強くなっている。


「……帰れって」


「ことか?」


当然。


返事は。


ない。


「行こう」


俺は。


石の台へ。


背を向けた。


今度こそ。


帰る。


◇


俺たちは。


最初に。


目を覚ました。


場所へ。


戻った。


頭上。


水が。


回っている。


さっきより。


速い。


ぐるぐると。


巨大な。


渦を。


作っている。


ただ。


湖の上で。


巻き込まれた時とは。


違う。


渦の。


中心。


そこに。


青白い。


光が。


集まっている。


神銃と。


同じ。


光。


「……あそこ?」


セリアが。


聞く。


「多分」


「また」


「多分」


「仕方ないだろ!」


分からないものは。


分からない。


でも。


神銃は。


あそこへ。


反応している。


来た時も。


そうだった。


こいつが。


俺たちを。


ここへ。


連れてきた。


なら。


戻る時も。


「レンさん」


リーナが。


俺の。


隣へ来る。


「行くんですね」


「ああ」


「どうやって?」


「……」


「レンさん?」


「待て」


「今」


「考えてる」


「考えて」


「なかったんだ」


セリアが。


呆れた。


「お前は」


「何か」


「あるのかよ」


「ない」


「じゃあ」


「同じだろ」


「私は」


「レンに」


「任せてるから」


「ずるくない?」


「ずるくない」


その時。


――ゴウン!


「っ!」


神銃が。


大きく。


震えた。


同時に。


頭上の。


渦が。


広がる。


そして。


水と。


空間の。


境目が。


少しずつ。


下がってきた。


「……おい」


セリアも。


気づく。


「これ」


「まずくない?」


「ああ」


水が。


近づいている。


半球状に。


保たれていた。


空間。


その。


境界が。


縮んでいる。


「レンさん!」


「二人とも」


俺は。


神銃を。


握る。


「離れるな!」


セリアが。


すぐに。


近づく。


リーナも。


俺の。


隣へ。


来る。


「これで」


「どうするの?」


「分からない!」


「やっぱり!?」


「でも」


俺は。


頭上を見る。


青白い。


渦。


神銃の。


光。


完全に。


同じ。


「多分」


「あそこだ!」


「また多分!」


「うるさい!」


水が。


迫る。


もう。


時間がない。


神銃が。


さらに。


強く。


光った。


――ゴウン!


次の瞬間。


水と。


空間の。


境界が。


崩れた。


「っ!」


大量の。


水。


一気に。


押し寄せる。


「レン!」


「掴まれ!」


誰の。


手かなんて。


確認する。


暇はない。


近くにいる。


二人へ。


手を。


伸ばす。


その瞬間。


身体が。


浮いた。


「――っ!」


水。


また。


水。


冷たい。


息が。


止まる。


身体が。


回る。


でも。


今度は。


見える。


青白い。


光。


上。


あそこだ。


神銃が。


引かれている。


いや。


俺たちごと。


引き上げられている。


暗い。


水の中。


光が。


近づく。


もっと。


近く。


神銃の。


光が。


視界を。


覆う。


そして――


◇


「――っ!」


水面から。


顔が。


出た。


「はっ……!」


空気を。


思い切り。


吸う。


「げほっ……!」


咳。


肺が。


痛い。


でも。


息が。


できる。


空が。


見える。


「……戻った」


湖。


だ。


俺たちが。


舟で。


来た。


湖の。


中央。


そこで。


気づく。


神銃が。


ない。


さっきまで。


確かに。


手の中に。


あった。


俺たちを。


ここまで。


導いた。


神器。


でも。


いつ。


消えた?


水の中を。


引き上げられている。


途中か。


それとも。


ここへ。


戻った。


瞬間か。


分からない。


ただ。


もう。


あの。


青白い光も。


感じない。


まるで。


役目を。


終えたように。


いつもの。


召喚前の状態へ。


戻っていた。


「セリア!」


周囲を見る。


「いる!」


少し。


離れた。


場所。


水面から。


顔が。


出ている。


「リーナ!」


「います!」


反対側。


リーナも。


いる。


「大丈夫か!?」


「多分!」


セリアが。


答える。


「私も」


「大丈夫です!」


よかった。


三人とも。


いる。


俺は。


息を。


整える。


「戻った……」


セリアが。


水に。


浮かびながら。


呟く。


「ああ」


「本当に?」


「湖に」


「浮いてるんだから」


「戻ってるだろ」


「それも」


「そうか」


そこで。


気づいた。


「……あれ?」


周囲を見る。


水。


水。


水。


「どうしたの?」


「舟」


「え?」


セリアも。


周囲を見る。


リーナも。


見る。


ない。


俺たちが。


乗ってきた。


舟。


どこにも。


ない。


木片すら。


浮いていない。


「……沈んだ?」


セリアが。


言う。


「多分」


「じゃあ」


「どうやって」


「戻るの?」


「……」


岸を見る。


遠い。


かなり。


遠い。


湖の。


中央。


ここから。


岸まで。


泳ぐ。


考えただけで。


嫌になる。


「レン」


「何」


「泳げるんでしょ?」


「……」


「朝」


「言ってたよね?」


「言ったな」


「今は」


「泳げるって」


「言った」


「じゃあ」


「大丈夫だね」


「……多分」


「多分!?」


湖の。


真ん中に。


セリアの。


声が。


響いた。


「やっぱり」


「泳げないんじゃん!」


「泳げる!」


「じゃあ」


「多分って」


「言わないでよ!」


「久しぶりなんだよ!」


「岸」


セリアが。


見る。


「めちゃくちゃ」


「遠いけど」


「……」


「レン?」


「泳ぐしか」


「ないだろ」


「本当に?」


「他に」


「どうするんだよ!」


「レンさん」


リーナが。


静かに。


割って入る。


「とりあえず」


「三人で」


「離れないように」


「泳ぎましょう」


「……そうだな」


俺たちは。


岸へ。


向かう。


◇


少し。


泳いだだけで。


分かった。


遠い。


思っていたより。


ずっと。


遠い。


「レン」


「何」


「大丈夫?」


「まだ」


「大丈夫」


「まだ?」


「余計なこと」


「言うな」


服が。


水を。


吸っている。


身体も。


重い。


湖の底を。


歩き回った。


あとだ。


体力だって。


残っていない。


「これ」


俺は。


岸を見る。


「本当に」


「泳いで」


「戻れるのか?」


「レンが」


「言ったんでしょ!」


「泳ぐしか」


「ないって!」


「状況が」


「分かった上で」


「改めて」


「言ってるんだよ!」


「遅いよ!」


「レンさん」


前を。


泳いでいた。


リーナが。


急に。


止まった。


「何?」


「あれ」


リーナが。


指を差す。


「……?」


俺と。


セリアも。


そちらを見る。


遠く。


水面。


何かが。


ある。


最初は。


分からなかった。


でも。


少しずつ。


近づいてくる。


「舟?」


セリアが。


目を。


細める。


「ああ」


一艘の。


舟。


こっちへ。


向かっている。


「誰だ?」


俺が。


目を。


凝らす。


そして。


聞こえた。


「――おーい!」


声。


「お前ら!」


聞き覚えが。


ある。


「……まさか」


舟が。


近づいてくる。


乗っているのは。


岸で。


話を聞いた。


あの。


漁師。


「お前ら!」


男が。


怒鳴る。


「無事か!」


「無事です!」


俺が。


叫び返す。


「だったら」


「そこで待ってろ!」


「はい!」


助かった。


心の底から。


そう思った。


◇


舟が。


近づく。


漁師が。


身を乗り出す。


「掴まれ!」


まず。


リーナ。


次に。


セリア。


最後に。


俺。


何とか。


舟へ。


上がる。


「はぁ……」


その場に。


座り込む。


身体が。


重い。


腕も。


足も。


もう。


動かしたくない。


「だから!」


漁師の。


怒鳴り声。


「行かねえ方が」


「いいって」


「言っただろうが!」


「……すみません」


「何が」


「ちょっと確認するだけだ!」


「渦に」


「飲まれてるじゃねえか!」


「……はい」


何も。


言い返せない。


完全に。


正論だ。


「急に」


「湖の流れが」


「おかしくなったんだぞ」


漁師が。


中央を見る。


「岸からでも」


「分かるくらいにな」


「それで……」


俺が。


聞く。


「来てくれたんですか?」


「ああ」


男が。


ため息を。


つく。


「お前らが」


「行った辺りだったからな」


「すぐ」


「舟を出そうとしたが」


「流れが」


「強すぎて」


「近づけなかった」


漁師が。


俺たちを見る。


「しばらくして」


「流れが」


「急に」


「収まった」


「それで」


「見に来たら」


「お前らが」


「泳いでやがる」


「……助かりました」


本当に。


助かった。


あの距離を。


泳いで。


戻れたかどうか。


正直。


分からない。


「それより」


漁師が。


周囲を見る。


「お前らの」


「舟は?」


「……」


俺。


セリア。


リーナ。


三人とも。


黙る。


「おい」


「借りた舟は」


「どうした?」


「……多分」


俺が。


言う。


「沈みました」


「多分じゃねえ!!」


湖に。


怒鳴り声が。


響いた。


セリアが。


顔を。


逸らす。


肩が。


震えている。


「お前」


「笑ってるだろ」


「笑ってない」


「絶対」


「笑ってるだろ」


「笑ってないって」


リーナを見る。


「……」


口元を。


押さえている。


「リーナ?」


「すみません」


「お前もかよ」


「お前らなあ!」


漁師の。


声。


俺たちは。


揃って。


「すみません」


と。


頭を。


下げた。


◇


舟が。


岸へ。


向かう。


俺は。


後ろを。


振り返った。


湖の。


中央。


さっきまで。


巨大な。


渦が。


あった。


場所。


今は。


何もない。


風に。


揺れる。


水面。


太陽の。


光。


昔から。


何度も。


見てきた。


湖。


綺麗だと。


思ったことも。


ある。


当たり前に。


そこにあるものだと。


思っていた。


でも。


もう。


同じようには。


見えない。


この下には。


二百年以上。


前の。


街が。


沈んでいる。


前の。


神銃士が。


戦った。


跡が。


残っている。


そして。


その。


さらに。


下には。


災厄が。


封じられている。


石の台に。


表示された。


言葉を。


思い出す。


【封印機構――正常稼働】


【封印対象――沈黙】


今すぐ。


何かが。


起きるわけじゃない。


少なくとも。


今は。


封印は。


保たれている。


災厄も。


沈黙している。


でも。


知らなかった。


だけだ。


俺が。


この街で。


生まれる。


ずっと。


前から。


この湖は。


何かを。


閉じ込めていた。


そして。


もう一つ。


前の。


神銃士が。


残した。


言葉。


『もう一人を』


『見つけろ』


俺は。


隣を見る。


濡れた。


髪を。


絞っている。


リーナ。


第二接続者。


俺以外で。


神銃の。


内部へ。


繋がることが。


できる。


人間。


「……」


「レンさん?」


リーナが。


俺を見る。


「どうしました?」


「いや」


俺は。


湖へ。


視線を。


戻す。


「何でもない」


まだ。


決まったわけじゃない。


でも。


偶然だと。


思うには。


あまりにも。


重なりすぎている。


湖の。


底で。


見つけたもの。


それは。


昔。


ここで。


何が。


起きたのか。


それだけじゃ。


なかった。


神銃が。


何のために。


作られたのか。


そして。


俺たちが。


これから。


何と。


向き合うことに。


なるのか。


その。


答えの。


一部だった。



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