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転生したら最強ジョブだが最凶だった件 ~伝説の【神銃士】になったのに、一発も撃てない~  作者: 蝶野摩矢
鍛冶の街アルト編

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今の俺たち

老人に。


数日は。


かかる。


そう。


言われた。


だから。


俺たちは。


待つことにした。


というより。


待つしか。


なかった。


セリアには。


剣がない。


俺と。


セリアの傷も。


まだ。


完全には。


治っていない。


リーナも。


地竜との戦いで。


大きな怪我こそ。


しなかったけど。


疲れは。


残っている。


だから。


今日は。


ダンジョンへ。


行かない。


「……」


「……」


「……暇」


隣を。


歩いていた。


セリアが。


呟いた。


「昨日も」


「聞いた」


「だって」


「暇なんだもん」


「休めよ」


「休んでるよ」


「だから」


「暇なの」


「……」


そういうもの。


なんだろうか。


俺には。


よく分からない。


「レンさん」


反対側を。


歩いていた。


リーナが。


俺を見る。


「今日は」


「どこへ?」


「ん?」


そういえば。


まだ。


言ってなかった。


「教会」


「教会?」


セリアが。


こっちを見る。


「何か」


「あった?」


「いや」


「そうじゃなくて」


俺は。


少し。


考える。


アルトへ。


来てから。


ずっと。


ダンジョンのことばかり。


考えていた。


第一層域。


第二層域。


第三層域。


深層域。


何度も。


潜った。


戦った。


逃げた。


戻った。


そして。


地竜を。


倒した。


でも。


一度も。


確認していない。


「レベル」


「……あ」


セリアが。


声を出す。


「そういえば」


「見てない」


「だろ?」


王都を。


出る前。


最後に。


確認した。


俺は。


【神銃士 Lv.18】


セリアは。


【上級剣士 Lv.35】


あれから。


どれだけ。


変わったのか。


「行こう」


「うん」


「……はい」


三人で。


教会へ。


向かった。


◇


アルトの。


教会。


王都ほど。


大きくはない。


でも。


湖の街にあった。


教会よりは。


大きい。


中へ。


入る。


事情を。


説明する。


案内された。


部屋。


中央には。


大きな。


水晶。


見覚えのある。


形。


これに。


触れれば。


今の。


ジョブと。


レベルが。


分かる。


「まず」


「俺から」


水晶の。


前へ。


立つ。


手を。


伸ばす。


触れる。


――キィン。


淡い。


光。


水晶の中を。


走る。


そして。


文字が。


浮かぶ。


【神銃士 Lv.23】


「……23」


思わず。


呟く。


十八から。


二十三。


五つ。


上がっている。


「レン」


「上がってるじゃん」


「ああ」


「五つも」


五つ。


王都で。


確認した時。


俺は。


一気に。


八つ。


上がっていた。


あの時は。


三千を超える。


魔物。


巨大な魔物。


街を。


守るための。


戦いだった。


今回とは。


違う。


アルトでは。


毎日。


少しずつ。


進んだ。


戦って。


戻って。


考えて。


また。


進んだ。


届かないと。


思い知らされた。


逃げた。


それでも。


諦めず。


積み重ねた。


そして。


最後に。


地竜。


五つ。


たった。


五つ。


じゃない。


あそこで。


積み重ねたものが。


ちゃんと。


ここに。


残っている。


「……」


あの時。


教会で。


思ったことを。


思い出す。


次に。


リーナが。


道を。


繋いでくれた時。


俺は。


もっと。


強い一発を。


撃てるように。


なっていたい。


そう。


思った。


そして。


アルトで。


リーナは。


もう一度。


道を。


繋いでくれた。


俺は。


撃った。


地竜を。


貫いた。


あの。


一発。


同じ。


魔力弾。


でも。


王都で。


撃った時とは。


違った。


俺自身も。


あの時より。


強くなっていた。


「レンさん?」


「ん?」


「嬉しく」


「ないんですか?」


リーナが。


聞く。


「いや」


「嬉しいよ」


「ただ」


俺は。


自分の手を見る。


二十三。


まだ。


二十三。


神器の。


前の持ち主。


記録に。


残っていた。


あの人は。


【天弓士 Lv.MAX】


そこから。


神銃士に。


選ばれた。


俺は。


違う。


最初から。


神銃士。


だから。


同じように。


考えていいのかも。


分からない。


それでも。


まだ。


先がある。


それだけは。


分かる。


「もう一つ」


「確認していいですか?」


教会の人へ。


聞く。


許可を。


もらう。


俺は。


少し。


離れる。


右手を。


前へ。


出す。


意識する。


――キィン。


青白い。


光。


空間に。


古い文字が。


走る。


黒。


金。


青白い。


光。


巨大な。


神器が。


姿を現す。


肩へ。


重みが。


乗る。


そして。


表示。


【神器情報】


【使用者:レン】


【接続状態:低】


【使用可能弾種:魔力弾】


【装填数:1】


【残弾数:0/1】


「……」


変わっていない。


接続状態。


低。


弾種。


魔力弾。


装填数。


一。


そして。


残弾。


ゼロ。


レベルは。


上がった。


でも。


神器は。


まだ。


変わらない。


「何か」


「変わりました?」


セリアが。


覗く。


「いや」


「前と」


「同じ」


「そっか」


不思議と。


がっかりは。


しなかった。


前なら。


違ったかも。


しれない。


早く。


撃てるように。


なりたい。


もっと。


使えるように。


なりたい。


そればかり。


考えていた。


でも。


今は。


違う。


一発しか。


なくても。


戦える。


撃たなくても。


できることがある。


そして。


撃つべき時には。


三人で。


その瞬間を。


作れる。


なら。


焦る必要は。


ない。


「まだ」


「これからだな」


神器を。


消す。


青白い。


光が。


消えていく。


「次」


セリアが。


水晶の。


前へ出た。


「私」


手を。


置く。


――キィン。


光。


そして。


文字。


【上級剣士 Lv.40】


「……」


セリアが。


固まる。


「四十?」


「四十だな」


「……四十」


もう一度。


言った。


「五つ」


「上がってる」


「俺と」


「同じだな」


「……」


セリアが。


自分の手を見る。


握る。


開く。


もう一度。


握る。


「だから」


「剣に」


「亀裂入ったのかな」


「それ」


「老人には」


「言わない方が」


「いいぞ」


「なんで?」


「絶対」


「怒られるから」


「……」


セリアが。


少し。


考える。


「でも」


「私が」


「強くなったから」


「剣が」


「耐えられなかったなら」


「仕方なくない?」


「それ」


「本人の前で」


「言ってみろよ」


「……やめとく」


正解だと。


思う。


セリアが。


もう一度。


水晶を見る。


【上級剣士 Lv.40】


その顔が。


少しだけ。


嬉しそうに。


なる。


でも。


すぐに。


「まだ」


「上がるんだよね」


「もう」


「次の話?」


「だって」


「四十で」


「終わりじゃ」


「ないでしょ?」


「上がる気しか」


「ないな」


「もちろん」


即答。


やっぱり。


セリアだ。


「じゃあ」


俺は。


最後の。


一人を見る。


「リーナも」


「やってみる?」


「……」


リーナが。


水晶を見る。


一瞬。


動きが。


止まった。


「……」


その顔を。


見て。


思い出す。


王都。


あの時。


リーナは。


怖がっていた。


十五歳の時に。


授職の儀を。


受けられなかった。


冒険者に。


なる時。


簡単な。


水晶で。


確認しても。


何も。


表示されなかった。


だから。


王都の。


正式な水晶を。


前にして。


リーナは。


言った。


もし。


本当に。


何もなかったら。


そう。


怖がっていた。


結果は。


何もない。


わけじゃなかった。


水晶は。


大きく。


反応した。


それなのに。


表示されたのは。


【――――】


【Lv.?】


判定不能。


あれから。


何も。


確認していない。


「無理に」


「やらなくても」


「いいよ」


俺が。


言う。


リーナは。


少し。


黙る。


水晶を見る。


そして。


首を。


横へ振った。


「……やります」


自分から。


一歩。


前へ。


出た。


水晶の。


前へ。


立つ。


手を。


伸ばす。


一瞬。


止まる。


それから。


そっと。


触れた。


「……」


何も。


起きない。


一秒。


二秒。


そして。


――キィン。


光。


白。


次に。


青。


そして。


金。


三つの。


光が。


水晶の中を。


走る。


教会の人が。


目を。


見開いた。


「これは……」


光が。


混ざる。


強く。


なる。


それでも。


やがて。


少しずつ。


収まっていく。


そして。


文字が。


浮かんだ。


【――――】


【Lv.?】


「……」


変わらない。


王都と。


同じ。


ジョブ名。


分からない。


レベル。


分からない。


何も。


表示されない。


わけじゃない。


でも。


何なのか。


分からない。


リーナが。


水晶を。


見つめる。


「……やっぱり」


小さな。


声。


「分かりませんね」


「リーナ」


「……はい」


「気になる?」


少し。


迷って。


リーナが。


頷いた。


「……はい」


水晶から。


手を。


離す。


「少しだけ」


「知りたいです」


「私が」


「何なのか」


当然だと。


思う。


自分に。


何が。


与えられているのか。


自分の。


力が。


何なのか。


知りたくない。


はずがない。


「でも」


リーナが。


続ける。


「前みたいに」


「怖くは」


「ないです」


「……怖くない?」


「はい」


リーナの。


手が。


腰へ。


伸びる。


古い。


短剣。


その柄へ。


そっと。


触れる。


「この子の」


「声が」


「また」


「聞こえました」


「……うん」


「セリアさんの」


「剣も」


「繋げました」


セリアが。


リーナを見る。


「神器も」


「もう一度」


「繋げました」


あの時。


リーナが。


道を。


繋いだから。


俺は。


もう一度。


弾を。


作れた。


そして。


「地竜の中を」


「流れてるものも」


「少しだけ」


「分かりました」


青白い。


魔力の。


流れ。


リーナが。


見つけた。


あの場所が。


なければ。


俺たちは。


あの一発を。


撃てなかった。


いや。


撃つことは。


できた。


でも。


あの一発を。


あそこへ。


撃つことは。


できなかった。


「だから」


リーナが。


水晶を見る。


【――――】


【Lv.?】


何も。


教えてくれない。


表示。


それを。


見ながら。


「ここに」


「何も」


「出なくても」


一度。


言葉を。


止める。


「私が」


「前より」


「できるように」


「なったことは」


短剣の。


柄を。


握る。


「なくならないので」


「……」


リーナが。


少しだけ。


笑った。


「だから」


「今は」


「大丈夫です」


俺は。


何も。


言わなかった。


いや。


言う必要が。


なかった。


王都で。


水晶の前に。


立った時。


リーナは。


自分に。


何もないことを。


怖がっていた。


今は。


同じ。


結果を。


見ている。


それでも。


立っている。


自分が。


何を。


できるのか。


ちゃんと。


知っている。


数字は。


分からない。


名前も。


分からない。


それでも。


リーナは。


確かに。


強くなっている。


俺たちも。


それを。


知っている。


「じゃあ」


セリアが。


声を出した。


「確認も」


「終わったし」


「工房」


「見に行かない?」


「……」


「……」


俺と。


リーナが。


セリアを見る。


「何?」


「昨日」


「数日かかるって」


「言われただろ」


「見るだけ」


「邪魔になる」


「見るだけだって」


「リーナ」


セリアが。


助けを。


求める。


リーナが。


少し。


考える。


「……怒られると」


「思います」


「リーナまで!?」


「だって」


「邪魔したら」


「悪いので」


「見るだけなのに……」


「完成したら」


「見れるだろ」


「それじゃ」


「遅いの」


「何が?」


「途中が」


「見たいの」


「余計」


「邪魔だろ」


「……」


セリアが。


黙る。


少しして。


「……暇」


「知ってる」


俺たちは。


教会を。


出た。


◇


――カン。


工房。


赤い。


炎。


老人が。


一人。


炉の前に。


立っている。


その手元。


黒い。


地竜の。


素材。


熱。


火。


そして。


槌。


――カン。


一度。


叩く。


――カン。


もう一度。


黒かった。


素材。


その内側。


青白い。


一本の筋が。


僅かに。


光る。


老人の。


目が。


細くなる。


「……」


槌を。


上げる。


そして。


もう一度。


振り下ろした。


――カン。



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