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転生したら最強ジョブだが最凶だった件 ~伝説の【神銃士】になったのに、一発も撃てない~  作者: 蝶野摩矢
鍛冶の街アルト編

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小さな声

あれから。


数日。


俺たちは。


何度も。


ダンジョンへ。


潜っていた。


でも。


第三層域の。


奥には。


行っていない。


第一層域。


第二層域。


時々。


第三層域の。


入口。


それくらい。


今は。


それでいい。


「レン!」


「右!」


「分かってる!」


横から。


魔物が。


飛びかかってくる。


剣を。


横へ。


振る。


――ザシュッ!


浅い。


でも。


止まった。


「今!」


セリアが。


前へ。


――ザンッ!


魔物が。


倒れる。


「遅い!」


「倒したんだから」


「いいだろ!」


「私がね」


「俺が」


「止めただろ!」


「はいはい」


「はいは」


「一回でいい!」


後ろから。


小さな。


笑い声。


振り返る。


リーナが。


笑っている。


「なんだよ」


「いえ」


「二人とも」


「いつも同じだなって」


「レンが」


「遅いから」


「お前な」


また。


リーナが。


笑った。


少しずつ。


俺たちは。


変わっていた。


セリアが。


前を。


押さえる。


俺が。


横から。


補う。


一人で。


倒そうとしない。


無理に。


攻めない。


相手を。


止める。


動かす。


セリアが。


仕留める。


最初より。


ずっと。


動きやすい。


もちろん。


俺が。


セリアより。


強くなったわけじゃない。


剣だけなら。


今でも。


全然。


敵わない。


それでいい。


俺には。


俺の。


戦い方がある。


そして。


リーナも。


変わっていた。


「レンさん」


戦闘が。


終わる。


「水」


「まだ大丈夫ですか?」


「ん?」


腰の。


水筒を。


確認する。


「半分くらい」


「でしたら」


「次の休憩で」


「補給した方がいいと思います」


「分かった」


リーナの。


手には。


地図。


荷物の。


残り。


水。


食料。


集めた。


素材。


今まで以上に。


細かく。


見ている。


調律は。


まだ。


できない。


だから。


できることを。


探している。


そんな。


感じがした。


◇


第二層域。


少し。


広い場所へ。


出た。


「いる」


セリアが。


足を止める。


前方。


魔物。


五体。


狼に。


似ている。


第一層域で。


見たものより。


一回り。


大きい。


「五体か」


俺は。


剣を。


抜く。


「私が」


「三体」


「俺が」


「二体?」


「止められる?」


「やるよ」


「倒せる?」


「じゃなくて?」


「うるさい」


セリアが。


笑う。


「リーナ」


俺は。


後ろを見る。


「ここで」


「はい」


リーナが。


壁際へ。


下がる。


「行くぞ」


「うん!」


セリアが。


飛び出す。


俺も。


続く。


――ガッ!


一体の。


爪を。


剣で。


逸らす。


もう一体。


横から。


来る。


下がる。


避ける。


追ってくる。


二体。


よし。


こっちを。


見てる。


倒さなくていい。


まず。


止める。


――ザンッ!


向こうで。


セリアが。


一体。


倒す。


速い。


俺も。


負けてられない。


一体が。


飛びかかる。


横へ。


かわす。


そのまま。


首元へ。


剣を。


振る。


――ザシュッ!


「よし!」


一体。


残り。


一体が。


唸る。


その時。


「……え?」


後ろから。


リーナの。


声。


振り返る。


壁。


違う。


壁だと。


思っていた。


その一部。


暗い。


隙間。


そこから。


何かが。


出てくる。


小さい。


四足の。


魔物。


「リーナ!」


俺が。


動こうとする。


目の前の。


魔物が。


飛びかかる。


「くそっ!」


剣で。


受け流す。


すぐには。


行けない。


「リーナ!」


「逃げろ!」


リーナが。


後ろへ。


下がる。


でも。


その先は。


壁。


魔物が。


リーナを。


見る。


――ギィッ!


甲高い。


声。


地面を。


蹴った。


「リーナ!」


セリアも。


振り返る。


でも。


まだ。


二体を。


相手にしている。


間に合わない。


リーナが。


腰へ。


手を。


伸ばした。


古い。


短剣。


鞘から。


抜く。


「っ……!」


魔物が。


飛ぶ。


リーナが。


横へ。


避ける。


爪が。


服を。


掠めた。


「リーナ!」


「大丈夫です!」


声が。


返ってくる。


俺は。


一瞬。


止まった。


リーナが。


短剣を。


構えている。


「私も」


魔物を。


見る。


「戦えます」


魔物が。


もう一度。


走る。


リーナが。


短剣を。


振る。


――ガッ!


浅い。


魔物が。


すぐに。


振り返る。


「っ……」


リーナが。


下がる。


短剣を見る。


以前なら。


もっと。


分かった。


どこへ。


魔力を。


流せばいいのか。


どうすれば。


この短剣が。


一番。


動きやすいのか。


でも。


今は。


分からない。


魔物が。


地面を。


蹴る。


「リーナ!」


俺は。


目の前の。


魔物へ。


剣を。


振る。


邪魔だ。


早く。


倒せ。


でも。


焦るほど。


動きが。


崩れる。


「くそっ!」


向こうでは。


リーナが。


一人で。


魔物を。


見ている。


逃げ場は。


ない。


その手には。


短剣。


ずっと。


持ってきた。


あの。


短剣。


魔物が。


飛びかかった。


リーナが。


短剣を。


強く。


握る。


その時。


「……え?」


リーナの。


動きが。


止まった。


ほんの。


一瞬。


「リーナ!」


でも。


リーナは。


俺を。


見ていない。


自分の。


短剣を。


見ている。


「……今」


魔物が。


迫る。


「危ない!」


リーナが。


顔を。


上げる。


短剣を。


構える。


そして。


踏み込んだ。


さっきとは。


違う。


短剣を。


持つ手が。


僅かに。


動く。


――キィン。


微かな。


音。


「……!」


リーナが。


目を。


見開く。


魔物の。


爪を。


かわす。


そのまま。


身体の。


横へ。


短剣を。


滑らせる。


――ザシュッ!


入った。


深い。


魔物が。


地面へ。


倒れる。


「リーナ!」


俺は。


目の前の。


魔物を。


押し返す。


「セリア!」


「分かってる!」


――ザンッ!


セリアが。


最後の。


一体を。


斬る。


静かに。


なった。


俺は。


すぐに。


リーナの。


ところへ。


走った。


「大丈夫か!?」


「怪我は!?」


「……大丈夫です」


「本当に?」


「はい」


服が。


少し。


切れている。


でも。


血は。


出ていない。


よかった。


「びっくりした……」


息を。


吐く。


でも。


リーナは。


俺を。


見ていなかった。


手の中。


短剣。


それを。


じっと。


見つめている。


「リーナ?」


「レンさん」


「ん?」


リーナが。


短剣を。


両手で。


握る。


「今……」


声が。


震えている。


「少しだけ」


「聞こえました」


「……え?」


「この子の」


短剣を見る。


「声が」


「聞こえたんです」


「本当か!?」


「はい」


リーナが。


頷く。


その顔が。


少しずつ。


笑顔に。


変わる。


「本当に」


「少しだけです」


「でも」


「確かに」


「聞こえました」


セリアも。


近づいてくる。


「戻ったの?」


「分かりません」


リーナが。


首を。


振る。


「まだ」


「前みたいには……」


リーナが。


セリアの。


剣を見る。


「少し」


「触っても」


「いいですか?」


「もちろん」


セリアが。


剣を。


差し出す。


リーナが。


手を。


添える。


目を。


閉じる。


「……」


しばらく。


待つ。


リーナが。


目を。


開けた。


「……聞こえません」


「そっか」


セリアは。


それだけ。


答えた。


リーナが。


俺を見る。


「レンさんの剣も」


「いいですか?」


「ああ」


剣を。


渡す。


リーナが。


触れる。


また。


目を。


閉じる。


「……」


首を。


横に。


振った。


「こっちも」


「聞こえません」


「じゃあ」


俺は。


リーナの。


短剣を見る。


「その短剣だけ?」


「……はい」


リーナも。


短剣を見る。


「この子だけです」


その言葉を。


聞いて。


少し。


不思議に。


思った。


どうして。


この短剣だけ。


でも。


すぐに。


考えるのを。


やめた。


今は。


それより。


「よかったな」


「……はい」


リーナが。


短剣を。


胸の前で。


握る。


「はい!」


今度は。


はっきり。


笑った。


◇


その日は。


無理を。


しなかった。


予定していた。


素材を。


集めて。


早めに。


ダンジョンを。


出た。


宿へ。


戻る。


夜。


食事を。


終えて。


部屋へ。


戻る前。


リーナが。


また。


短剣を。


握っていた。


「聞こえる?」


俺が。


聞く。


リーナが。


目を。


閉じる。


しばらく。


黙る。


そして。


小さく。


頷いた。


「……はい」


「まだ」


「本当に」


「小さいです」


リーナの。


指が。


短剣の。


柄を。


ゆっくり。


なぞる。


「意識しないと」


「すぐ」


「分からなくなります」


「それでも」


リーナが。


短剣を。


見る。


昨日まで。


何も。


聞こえなかった。


完全な。


無音。


でも。


今は。


違う。


ほんの。


少し。


消えてしまいそうな。


小さな。


感覚。


それでも。


確かに。


そこに。


ある。


リーナが。


短剣を。


胸の前で。


握った。


「……聞こえる」


そして。


嬉しそうに。


笑った。


「この子の声が」


「聞こえます」




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