EP84 固定された結界
「初めてかもしれない、これが固有結界か」
罪罰遊戯、所謂ところの裁判や人狼ゲームの類似系の死亡遊戯、このゲームの参加者は死亡する可能性を契約書に示されてしっかりと規約を見せた上、サインをすることで合意のもと行われるゲーム。
最初に全参加者の身元確認が運営に行われ、参加者同士は必ず本名・年齢・素性・経歴等を知らないものとなる。
ゲーム開始前に罪罰遊戯限定のコンタクトが渡されて目に嵌めてゲームを行う、ゲーム進行中にコンタクトを取り外した場合はゲームオーバー、公開処刑される。
「ふむふむ、、、普通の人狼ゲームより遥かに難しいなぁ」
罪罰遊戯の一つ目は、1人でも被害者が死んだら被害者側はゲームオーバー、加害者側が問答無用で勝利可能と言う加害者側に有利なルールになっている、ただしこのゲームに於いてただ死んだら全員が死ぬわけじゃない。
被害者側が被害者の死を認識するまではルール1は発動されない、その認識はゲーム以前に装着したコンタクトには生体反応を認知するシステムが搭載されている、その為認識した瞬間にゲームオーバーが通達され、連帯責任で皆処刑される。
二つ目、マップにて用意された加害者限定で使用可能なギミックが存在する、だがギミック使用は加害者陣営にしか認識不可で有りこれを見かけたから加害者だと判断することは出来ない。
三つ目、裁判時にて加害者以外を指定したら被害者側は全員ゲームオーバーと成る。
四つ目、加害者側は1日に殺害可能な人数制限は無い。
五つ目、加害者側と被害者側にはそれぞれに役職カードが与えられて、タロットカード78枚ありそれらは特約と呼ばれてゲーム中に特殊効果を発動可能な所謂役職持ち、プレイングカード、所謂トランプカード54枚中52枚のどれかを引いたものはそうで無い場合は被害者つまり無職である、だがしかしジョーカー・ババのどちらかを引いた場合、第三陣営と呼ばれるチームに所属することになり市民や人狼とは違う勝利条件に成る。
六つ目、犯罪が起きる前に推理して加害者を特定する行為は許可されているがその場合被害者、加害者投票で吊そうとしても証拠不十分として投票が行われても遊戯は続行する。
七つ目、加害者の数や被害者の数は定められて居ない。
八つ目、被害者は仲間同士で情報共有がされないが加害者・第三陣営は仲間同士に連絡機器が渡される。
合計8個のルールが有る、その他のゲーム情報。
・被害者側の勝利条件は加害者を全滅させること。
・加害者側の勝利条件は被害者を全滅させること。
・第三陣営側の勝利条件は両陣営を出し抜いて全滅させること。
・参加人数は最大132人。
・部屋に関して、初期配置はランダム、建物内のルーム数は50個、ノーマルが30、特殊が20で有る、リストバンドでマップをご参照下さい。
参加者はこれだけのルールで挑むわけだから、必要最低限の能力が非常に高い、多くの視点を同時に確保しつつ、自分が疑われる未来を予測し、投票発言の因果整合性管理し、今は正しいが後に不利になる発言をしない判断、発言一貫性、思考プロセスや仮説の切り替え、誰がどの視点で話してるか常時トラッキング、その疑い方は加害者視点じゃないかみたいなプロセス看破、発言精査、視点漏れ、投票理由、GOタイミング全てが釣りに繋がる、加害者運営は1ターンのズレが即死になるくらい彼ら参加者も不利性を感じさせない程の手だれが集う。
だがこれは通常の人狼じゃない、罪罰遊戯だ、普通のゲームなら人狼サイドで一人で100人を倒したり、第三陣営で村も狼も潰せたり、そんな生き死にが掛からない場所なら精神も安定し繰り返し出来て、現実的で甘っちょろい世界だ、そんなゲームと比較にはならない、そんな必要最低限の能力で攻略可能なものじゃない、非現実的なまでに頭脳明晰な人間が平均的な能力値となる。
間違えると即ゲームオーバーなのにタイミング良く証拠品を出さないと、長期計画を企ててた場合、後期にて影響する為にタイミングが重要で、論理的に整合性が合っていても吊りにならない事や、何者か(加害者・第三陣営)に嵌められて捏造された証拠品を提出したことで参加者資格どころか命を失う事もあるとか、偽証してあえて嘘をつくとか、特殊な議論展開から新要素を追加とか、何を当たり前な事を言っているのだろうか、そんなのはまだまだ序章に過ぎない、さらに理不尽に満ち溢れている、それが罪罰遊戯なのだ、そんなゲームに。
「ん〜?あぁ良いぜ」
そんな時、ディメンシアゲームを生き抜いた賭博師にして勝負師、石村和希が挑んでいた、しかも彼だけが他の契約もワイヤレスイヤホンの指示越しで存在していた。
「クライアントさんや、俺はエージェントとして何をしたら良いんだい?」
一つの無人島で試合したが負けてしまった、そのゲームにてやり手の島のオーナーと交わした契約がある、第一にそれは罪罰遊戯にて最大参加者数・被害者側で勝利すると言うもの。
契約二つ目は、クライアントの指示は拒否不可、内容が自滅でも従う必要あり、だからその場で怪しまれる発言をしろとか、その人物を擁護しろとかも従う必要がある。
三つ目は、契約破棄や再契約などで増えたり減ったりする、なのでクライアントは裏で条件を変更可能、最大人数で勝てが一定数死亡後”に勝てに変わったりする、途中でゲームの意味が変わる世界で戦う。
四つ目は、石村の功績の一部は他人の成果として計上、つまり石村が盤面動かしても評価は別人に行く。
五つ目は、強制ミス誘発条項、ランダムで石村の行動が歪められて、投票が強制変更されたり発言の一部が改竄される、だから自分の行動すら信用できない。
「しかもこれは皆んなが初心者じゃ無いどころか公平性すらない」
石村は気付いていた、必ず運営側から手配されたものが加害者と成る構造、だからこそこのゲームは加害者必勝、手だれの狩人が狩るゲームになって居る、だからこそそれを逆手にとってやるのだ、、、。
気づけば睡眠ガスが部屋を満たし、起きた時既に配置が完了していた、視界に入るのは円環状に設置された座席群、段差を伴うすり鉢状の構造、中央には透明な床、その下には処刑機構と思しき複雑なギア群が見える、天井は黒、光源は一定の白色光のみ、影が薄く表情が読みにくい、石村は気絶から目覚めてからすぐに視覚的情報を収集する。
ビュン!石丸の耳に何か飛び込む。
「反響音、廊下から弾丸のような音が、、、血だ、死体が廊下の右にある」
今彼がやってる戦法は床の人影や血を見ることで死体を見ないやり方だ、、、。
「(速攻終わらせてやる!)」
それは非公開の加害者ギミック1、スナイパー、一般的加害者でも役職有り加害者でも使用可能、これは役職を知った対象を消せると言うもので、即死、戦略や計画があるなら特定タイミングに死なせるなど”マーキング対象に遅延発射”などもスナイパーにはできる。
、、、。
「(死体発見による全滅ルールを利用した勝ち狙いか、俺ら市民が知らないギミックによる開始後に即死とか、運ゲーじゃねぇかクソったれ、利敵に成らず、また利敵になりながらやる、まさに第四勢力とでも呼ぶべきものだな、オーナールールは、、、まぁまだ変動無しか)おい!」
石丸は耳を立てて廊下に声を反響させる、加害者がいない事がわかり別の部屋にうつる。
「死体を隠すには物理的に遮蔽物と成るものと、あとは」
仲間が死体を見て全滅しないために死体を隠蔽工作する。
「う〜ん、、、だがラッキーだったかも、確かマップに、、、あった、調理室(調理室で粉だろ、あとこのライト、このクローゼットからとった洋服でこうしてっと)」
石丸は犯人特定の為、ある計画を決行した、安易に動けない人々は考え、単独行動しながらボタンを押しにいけないまま数時間が経過していたがある噂が伝達し始めた。
「は!?ルール外の存在!?」
、、、。
煙の中、佇む影は人影と言えず、また獣と形容するには余りにも歪、植物と呼ぶにも余りにも規則性は無く、影の認識者知るものすべてに当て嵌まらぬ無機質な非人影的であった。
「あ、あぁぁ、まさか、化け物?もしや神?」
人知知り得る全てに当てはまらぬ不定形なる者、理解不能な存在に何を思う?恐怖?否、絶望?否、信仰心だ、未知に追従して既知と化し、理解不能を解釈し理解して来た知性ありしものは、知性ありし・意志ありし・対話不能の未知に対して、余りにも雄大な自然をイメージしてしまう。
「(集団を集めてやる場合危ない点がある、一つは集団を集めた際に1人が死亡すると言う点、粉塵を撒いてるから一時的に大丈夫でも後が不味い、いやこれも利用出来そうだが今は)」
影を動かして何か意思表示を行う。
「ひ、ひぃぃぃ!?」
血を使い文字を浮かび上がらせる。
「僕です!僕がやりました!僕がスナイパーで抜きましたぁ!」
「(録画完了、発言の真偽は後でいい、今は反応を見る)」
そうして彼は加害者を脅かすことで、1人の犯人を見つけ出す事に成功。
「(被害者は死体認識を避ける動きになる、ここで不用意に近付く奴は少数)」
ボタンを押し皆んな自動招集、録画を提出。
「あいつだな」
全員が投票、1人の加害者が追放された。
「(自分ルールは、ふむふむ、あぶね〜運良いわ市民が1人死んでからクリアね)」
自分ルールを確認しながら、なんとか罪罰遊戯を攻略していく。
「(さっき思いついた戦法)」
犯人も被害者も存在しない殺人事件を作ることで撹乱する、煙から気絶した参加者に血を塗りたくり出したのだ。
「(俺が誰か特定できない以上、既知のルール上、俺は誰か見抜けず抜けない筈)」
こうして石丸の演技から無事に何人も犯人を見つけ出す事に成功した。
「(ふ、当たり前だ、加害者と第三陣営は必然的に死体を見ても全滅には成らない、だから動揺の出方が違う、完全に無反応か、逆に過剰に触れに来るかのどっちかに偏る)」
「(能力は使わせない、カードのイメージがそのまま力を使えるなら平行してやって居た抑制は上手くいってる、つまりは今は、この中に加害者陣営と第三陣営がいる可能性が有るからこっから潰していくだけだ)」
こうして石丸による圧倒的な速度によはり加害者、第三陣営の吊りにより。
「無事終わり〜、いや〜自分は動かないで他人を利用したら自分ルールは攻略可能だったし、相手は優位なルールに優越感があり余裕綽々で急な展開に対応しきれず終了、第三陣営は可哀想だな、勝利が出し抜きだなんてさ」
結局は全員が対応し切れない試合で簡単に勝利してしまうのだった、、、。
運ゲーやらもあったから早めに処理したと言うのが有るが実際に石丸がやった事は凄まじい。
前提理解、開始直後の死亡=ギミック介入と断定、通常推理を放棄、運営干渉前提の盤面として処理、死体発見で全滅→見るか見ないかが最優先分岐。
初動制御、死体を視認しない、床反射・血痕・音で位置特定、死体未認識状態を維持、他参加者に対しても視認を遅らせる必要ありと判断。
環境確保、調理室から粉塵確保、室内散布、衣服で簡易防護、自身のみ行動可能領域を確保、他者の視界を制限しつつ死体発見トリガーを遅延。
自分ルール確認、イヤホン経由で条件確認、現状未達成、市民死亡後クリア系条件を想定、この時点で“死亡は必要リソース”と認識。
役割固定、犯人特定を放棄、盤面操作役に徹する、利敵行為を許容、場合によっては意図的に誤誘導、自分ルール優先。
偽装構築煙+影で非人影生成、認識不能な存在を演出、血文字で虚偽自白生成僕がやりましたとスナイパーに自白させそれを録画、証拠の“真偽”ではなく“存在”を確保。
情報誘導、議論の起点を固定、犯人は既に名乗っている構造を流す、意図的に矛盾ヒントを混ぜ、誤った推理ルートを生成、他者の思考を分散。
反応検知、死体・異常事態への反応観察、動揺しない者を抽出、加害者・第三陣営候補。
利敵行為①議論中にあえて不利発言、根拠の薄い断定、矛盾含みの証言、これから場を混乱させる。
他者に誤推理を確定させる。
裁判圧縮、録画提出を最速で実行、議論が深まる前に投票誘導、思考時間を奪う。
一回目の排除、流れ投票で1人処理、ここで死亡発生、自分ルール進行。
自分ルール再確認、条件達成チェック、未達 or 部分達成、継続判断。
二段目攪乱、煙で気絶個体を生成、血を付着させ疑似死体生成、死体らしきものを複数化。
利敵行為、存在しない事件を流布、複数犯・連続殺人を匂わせる、加害者側の判断を狂わせる
情報封鎖、誰も確証を持てない状態を維持、証拠の信頼性を全体的に破壊。
反応再抽出、完全無反応個体を再抽出、候補を更に圧縮。
能力封じ、混乱状態を維持、カード能力の使用リスク上昇、発動抑制。
利敵行為、一部加害者を意図的に見逃し、盤面維持、自分ルール条件調整。
最終処理、候補を順次排除議論を毎回短縮、
証拠より流れ優先。
勝因は推理ではなく、視認制御、情報汚染、反応検知、議論圧縮、利敵混合、これらを同時処理したこと、これは運ゲーではない、運営がランダムを入れるならそのランダム込みで先に盤面を壊した側が勝つだけだ。




