EP82 人から成り上がり
人には人のレベルが有る、今回はその中で始まりに当たる主観、人の話。
「更に速く、更に俊敏に、更に負荷を変換!」
彼は中島、今現在は喧嘩に勝つために修行中。
「跳力をそのまま走力に変換、四足歩行で空気抵抗を減らし、腕は受け身であくまで脚と言う変換器のサポート器具、水泳法の様に回転を取り入れる!」
陸上泳走法とでも呼ぶべきか、100mを走り抜けるのに9秒3台を突破する。
「死力を尽くした訓練、よく耐えた」
こいつは山出身、山育ちの友人、彼に協力してもらい山籠りを決行した、彼に捕まえて来てもらった猪に追われながら必死で走った、走って走って走った。
「ひぇぇぇ!」
「ほらほら!逃げなきゃ突進されて死ぬぞ!」
次は熊に。
「ひぇぇぇ!」
「ほらほら!逃げなきゃぶっ叩かれて死ぬぞ!」
そこから遂に。
「記録は、、、おめでとう、9秒3だ!」
「うっしゃあー!」
こうして速さを手に入れた中島は、喧嘩をする、いつもカツアゲして来やがる不良チンピラ野郎だ。
「ふん!」
ビュン!加速して!バン!、、、そのパンチは。
「ウギャア!」
その不良をぶっ飛ばした。
「うわ、、、拳の肉が捲れてる、だが勝てた、やったぁ!」
「おめでとう」
俺を鍛えてくれた友人もまた喜ぶ。
「次は動物園だな」
「、、、は?」
ズズズズー、友人のお父上が経営する動物園に。
「いやだ!死ぬ!死ぬって!」
「大丈夫だよ」
「え?」
その時、友人含むその背後にいる動物や人が此方を赤い眼光を向けながらニヤリと笑った様に感じた。
「死なない様に調整はするからさ」
「ギャアァァァァ」
時速 40.4 km(8.90秒)アフリカゾウとの特訓。
「ひぇ〜!」
「ほらほら、踏み潰されるぞ〜」
陸上泳走法の限界値、気合と工夫の末に時速40.4kmまでに食い込むことに成功した、だがしかし。
「クソ!なんでなんだ」
だがここからが問題、気合や工夫だけではどうにもならなかった、当たり前だ、そんな甘い世界では無い。
「ガハ!?」
時速 45.0 km(8.00秒)本気のイノシシだ、8秒フラットの壁、中島の変換理論が試される。
「何故タックルが当たるんだ!毎回死にかけだ!」
「走るだけに着目するな」
「走りだけにってなんだ!、、、よ、いや待てよ、陸上泳走法、それは俺が空気抵抗や粘度を克服するために組み込んだものだ、、、そうか泳法!陸を走るだけじゃない、泳ぎも着目したら良いんだ!」
「やっとかよ、気づくの遅えよ」
「あはは、すまんすまん」
回転、クロールだ、だが今までも姿勢を低くし、腕を速く、より速く回転し、重心を常に前に保ち、ある程度の慣性に乗っていた、何故脚を強化して上半身は技術をそのままにしていたんだ。
「、、、いや、違うな、生き物なんだ、必要なのは、顔から肩までを魚、肩甲骨、腕から腹筋下部部分までを鳥類、下半身は陸上生物なんだ!」
「ん(こいつ、一つの気づきから更に10を得ただと?、、、)待て、その考えや論理的に正しいが基礎がなくちゃダメだ、お前は土台がガタガタの上で家を建てるか?」
「、、、確かに、じゃあ最初は陸と海に絞るよ」
ここから始まった特訓、鍛錬、食事、走法の効率化を測り続けた。
「負けるか!」
「良いぞ!喰らいつけ!」
なんと直線だけならトナカイ、もはや原付バイクより速く視界から消える加速の域に達した、まぁ。
「うご!?」
「馬鹿、左右に逃げるだろ、直線、線なんて1次元の領域で手間取ってたら次のステージには進めないぜ」
更に数日、左右含めた二次元、平面的な速度勝負でトナカイの狩、鬼ごっこに勝つ。
「ごめんな怖がらせて」
こうして次に相対したのは。
「親父の水族館にようこそ」
「なんでそんなに経営してんだよ!」
マイルカとの水泳教室、最高時速55kmのマイルカと下に伸びる水中戦、3次元の鬼ごっこ、これを中島はなんとか攻略する、そして動物園に。
「ダチョウは怖い!」
時速60kmの壁、人間がこの域に達すれば、もはや変換ではなく変態レベル。
「ウッガァァァ!」
中島はなんとかダチョウに勝つことができた。
「下半身上半身、動物園と水族館で鍛えまくって水陸キメラ走法は極めたが、、、チーター早え!」
時速 60.5 km(5.95秒)チーター、陸上生物最速を欲しいままにする100mを5秒台で駆け抜ける足だ。
「ここからは鳥類を取り入れて陸海空キメラ走法に、とりあえず脚質変えるくらい鍛えよう」
「、、、えぇぇ!?そう言うのって体質じゃないんか!?」
「うるせぇ、良いからやるぞ」
こうして山籠りに戻る、野生児すぎる友人、あまりに強過ぎる。
「足が!きつい!」
「使い方がなってないよ、タイミングよく弛緩させて無駄な力の使い方をするな!」
「はいぃぃぃ!」
中島の友人、彼のその脚質は、軽く、靱やかで、そして力強いと言う三要素の基準値を満たして初めてそれを知り、足元にすら居ないことを知れるだろう。
より軽くはまるで羽一つ、より靱やかは途轍もなく速くを出力してどれだけ努力したって馬やらチーターやら海のカジキマグロやら、バイクや挙句ラプトルの走力すら彼を追い抜くことは不能だろう、ハンデ有りでも負けられません、なんせ走りで軽く追い抜かしちゃうんだから。
「競走馬が勝てるか否かは足の速さだけでは決まらないって?騎手の乗り方や調教の仕方、馬場の適正、状態、その時の調子、レース展開、枠順など、それらの要因が全て折り重なって勝つと、ええそうですよ?はぁ何もわかっちゃいない、この足はそんな環境的要因やらテンション引っくるめても馬では、生物学的なレベル勝てないと言ってるんだ(異常発達した馬やチーターはまた別)バイクが弱いんじゃないかって?605.697km/h 、遷音速にまで達するギネス機がかな?」
まぁ、人間並みの軽量にメカに改造でもしてエンジン搭載したら遷音速帯に行って〜みたいなことする奴もいるが、それでもまだまだ遅すぎるくらいだ。
回避困難な蹴りを繰り出せ、垂直跳びは高さ5m、飛躍は7mに達する、そしてより力強くは岩やコンクリート、果ては鋼鉄すら踏み抜くと言うではないか、具体的な数値にしてもレッグプレス10tを片足で軽々と何百回とセットを組めると言う脚力に至り、異常に発達した脚の分厚さや大腿四頭筋のデカさは、最低限100インチ以上に登り詰めるだろう、そして鉄片やガラスですら足裏を傷つけられない。
その脚質は、鍛えれば鍛えるほど常人との差が開いていくと言うものであった、その脚質はこう呼ばれる、ヴァリアブルレッグ、可変の脚と言う意味だ。
※ちなみにヴェノチルが遷音速以上出せるのはこの友人より高い質の肉体スペックだからだ。
「食って鍛えて寝て、繰り返して、やっと肉質が変わったか」
「殺す気かぁぁぁ!」
こうして肉体の基礎は完了、次は技術、キメラ走法を使いこみ、名前を教えてもらう。
「翼脚流移動術と言う、最短距離で一気に終わらせる速走と、それをサポートする持続走からなるバランスが良い移動術だ」
隼突出、それを使い中島は。
「やっとチーターに勝てた」
「小さな一歩だな」
「はい」
こうして彼は速くなった。
「比率を変えた生物より速くなるぞ」
「、、、は?」
「人間サイズにした昆虫や微生物やウィルスなど諸々とか、まだ残ってっから、まだまだ肉質や技術は向上させるぞ俺と対等の鬼ごっこが出来る若い世代になって貰う」
「フンギヤァァァァァ!」
そこからは遷音速に至るまでとにかく友人と鬼ごっこだった、遂には遷音速に、次は。
「ノミの跳躍移動は比率に直せば約時速1000kmだ、分かるな?亜音速だ」
「ゴクリ、なんでも来い!」
中島に友人が話す。
「ノミの跳躍移動を走力に変換する、分かるか?これはとんでもない話だがしかし待って、より高い虫系移動を手にするならまずはゴキブリだ」
肉体を液化するイメージ、、、爆発!
「ノミは足で相撲の圧力発勁掌底をする感じだ」
「わかった!ふんぬっっっ、どりゃあ!」
バゴーン!地が抉れる!
「建物の屋上につけたがお前は」
「助けてぇ!落ちる!落ちる!」
「はぁ〜、、、まだまだ山で修行だな」
そして亜音速のノミ走法をマスターした中島、次に目指すは遂に音速であった、、。




