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プロヴィデンス  作者: 藍
71/96

EP71 死刑囚

そこは政府直轄の監獄、一万人の警備隊が交代制、常に万全な状況で戦える警備兵警備体制で有る日本の海域の監獄。


ここは網走の次に脱獄不可能とまで言われる、その理由は四方を海や山、原生林に囲まれた地の果てのような立地、特に冬は気温が氷点下20度〜30度まで下がるため、脱走しても凍死するリスクが極めて高く、物理的にも気象条件としても脱出が困難な場所でした、それ以外にもとんでも無い壁が有る。


「うが!?」


「弱いですなぁあなた方」


やつはハカ、脱獄を決行した男、奴が使うのは空象道と呼ばれる武術。


その空象道に伝わる技術の一つ、真空掌底、それは大気の理を悟り、空間そのものを武器に変える(比喩)正しく空間把握能力なんかが問われる、全身を上手く制御する技術は空舞宙翔と言う。


「ふふふふ」


そもそもの空象道は”制圧術”であり、その極致とも言えるのが、てのひらの中に”空っぽ”を創り出す真空化である、これは単なる吸引術ではなく、防御不能の即死技である。


気密シール、掌のフチにある筋肉を独立制御し、特殊な分泌液(高粘度の汗)をガスケットとして用いることで、対象の皮膚との間に分子レベルの密閉空間を構築する、この瞬間、掌の中は外界から完全に隔離される。

密閉が完了した直後、手の甲側の骨格を強引にたわませ、掌の中心部を急激に陥没させる、容積を強制的に拡大することで、内部気圧を瞬時にボイル=シャルルの法則に従い零へと近づけ、疑似的な真空状態を生成する。


大気圧による制圧、真空化した掌には、地球上の全大気による押し付ける力(大気圧)が加わり、100kg近い不可視の質量が対象を固定し、逃げ場を奪う。

対象の口鼻を覆った場合、肺の内部気圧と掌の真空差により、肺胞内の残留酸素が逆流し、体外へ一気に吸い出され、脳は一瞬で酸素供給を絶たれ、意識はコンマ数秒でシャットダウンする。

急激な減圧は温度の急降下を招き、接触部位に局所的な凍死(霜)を引き起こし、同時に、組織内の水分が気化しようとする力で毛細血管が内側から破裂し、対象の生体機能を物理的に破壊する、その技の名前は《真空吸盤掌》。


「ふん」


それは戦闘だけじゃ無い。


「WATS!?アレヒューマンデスカ!?」


「はい人ですよ、多分」


かの男は、プロのボルダリング選手や熟練したクライマーですらサビや突起など隙はなく、ピンチ力つまり指先が発達して指が壁に食い込ませたり、技術的に面の摩擦力を極限まで高めるようなものですら登れないと断じた程、ミクロ単位ですら取っ掛かりがない摩擦力が0の壁、角度も縦に伸び山羊ですら歩けない完全なる壁を。


「登ってる!?」


その掌はまるで吸盤、掴む概念に囚われたままでは論理的に突破し得ない壁を頭を柔軟にし、張り付くと言う手で壁を突破した、、、。


「またですか」


「はぁ、、、死者数、減らしてほしいっすよね、まぁ規模がデカいから余波でっての裏社会ではよく有る話っすけど、、、死体処理、破損修理、連絡通達、様々、大変っすよね掃除屋クリーナーは」


掃除屋クリーナー、定期的に依頼が成される裏バイト、非常に高収入で有り、また危険が少なく、また仕事振りが良ければチップで何万円と貰えてしまうと言うおまけ付き。


「こんな楽に金もらえるんだから文句言わず黙ってやれ」


「は〜い」


彼らやそうじやだけ掃除屋だけで無く様々な雑務の闇バイト諸君のお陰で、表社会で大きな問題になりにくいと言える。


※因みに、大きな部分は組織的に揉み消したり、情報操作や記憶処理などが行われている。


「脱獄囚の殺した人間の死体処理、気分が悪い、早く捕まるべきっすよ」


「だな」


、、、。


霊気操法、気とは、単体でもしっかりとしたもので有り武術では区別されやすい。


「はぁ!」


相手に絡っている気を掴んで振り回すことが可能、本来、気とは掴むとかそう言う物理的なものではなく、足に気を集めるとか、意志や感情の発露とされることがあるがそれは内部にある経絡系及び神経系に内在するマグマのような状態のもので身体を行き来する肉体の活力、精神的な健康を司る元気と言うそれではない、溶岩の気、纏ってるけど扱えてない気配や存在感、意識を向けて意志や視線を送ったり、そう言った無意識的に溢れてる体の一部となんら変わりないもの、それを掴み取れるのだ。


「ウガァ!?」


「空象道などと、詰まらない!」


悪人に容赦や躊躇など存在する訳もない。


「今日がぁ!お前のぉ!絶命日ぜつめいびだったんだんだよぉ!!!」


非摩擦投げ、ではない、それは、気投げ!バゴーン!


「あ、あが」


「脱獄囚などと、自分の罪すら償えないような、さらには逃げた塵芥にすら劣る養殖の雑魚が」


やつはシャラカル構成員、ある程度の気の使い手はマグマの流れの制御や気の起こりのキャッチなどに留まるが、よりレベルが上がれば溶岩を認識して実際に制御可能な域に達する、そのマグマを運用する技術に慣れて来たと言うことである、だがしかしこれはあくまでも初級、マグマや噴出口、溶岩などの比喩なしで理屈を語るなら、自分の内にある気を自覚し、体外へ漏れ出すオーラとして出せるようになる段階でしかないからだ。


「プルルル〜掃除屋さん、いつものお願いします〜、はぁ〜い」


彼らは気を使う術を学んだ、故に別段優れてない者達も、気の知覚・制御から続く効率的な運用方法や無駄を削って安定して運用可能で有り、自在に気を出し入れできるようになって、ここからは応用で有る、他人の気の流れを読み取り、さらにはそれを封じる、逸らすといった操作で有る、掴むとかではなくもはや噴出口の穴を閉じてしまうとか、気を逆流させて煽りを入れることで正気を保てない状態、所謂暴走状態にさせたり、恐怖の気で相手を威嚇して勇気を無謀に錯覚させたり、気での攻防一体になるが故の気の逸らしである。


「その程度か!戦術も気も練り上げろ!技撃が甘い!」


そしてここからが中級編に突入である、初級段階のものより隔絶した実力を発揮出来る。


気の鍛錬を積んで自身が扱える気の量を自身と言う器の拡張と共に広げて来たものは大抵がここまで来れる、気を練ってそれを放つ気弾、連続的で有るビーム状の場合は気砲と呼び気弾と違って予測して放つ必要性がなく指向性を持たせられて自在に曲げて標的を追うなど出来るが長い分もちろん気の扱う量が段違いで使い所が肝心だったり、ここから拡散型・集中型などより分化する、遠距離から殺意を察知する気配の感知範囲の拡張、逆に相手に気取られないようにする気配の隠蔽技術、つまり隠形、このようなものは気を抑えるなどは封じるなどの極端なことしかできなかった頃よりも制御がきくことで可能になるので有る、気で浮遊、飛行、相手から生命力、精気、元気を奪って吸収あるいは攻撃転用する技術などで有る。


「身長の差は心で打ち破る者達が居るように、肉体的なものだけでは物理的に成立し得ない事を気で整合性を保ちながら成立させろ!ほらほら!」


バゴーン!ドガーン!肉体を精神で補う、死ぬほどきつい、死ぬほうがマシ、死が救済と言う思想が当たり前に感じてしまう程きつい、だが。


「楽しくなって来たぁ!」


彼らは皆強靭、その程度、袋を広げるだけで良い。


「もっとだぁ!もっと!もっともっともっともっともっと!!!」


「良い顔だ!勇敢な顔になって来ている!英雄心が形作られて居る!良いぞ、良いぞ!良いぞぉぉぉ!!!」


ドガ!バキ!グシャ!


意志ではどうにもならない事を有志が解決する、障壁を肩を組み時に死体を床にしてまで乗り越えて、そうやって人は成長する。


経験と言う材料で論理と呼ぶ階段を敷き詰めて、壁を乗り越えて、確率を味方に付けて、壁を破壊して、繰り返しある壁の踏破が我々の歴史。


時代が違えば歴史に刻まれるような大史跡をその人生の欠片ですらも体験し続ける。


「シャラァ!」


際物めいた技を使えば、簡単に山々を斬り崩せる程に構成員は育って居た、、、。

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