EP62 古い仕来り
襲名式、代々受け継がれる組、名を継ぐ儀式、旧甲竜組で御三家がやる筈だったものだ。
この様なものは暴力団、極道では割と有るもので有る。
「ガハ!?俺が甲竜を!」
「違う!俺ダァ!」
ボコ!バキ!スカァン!こう言うのが結構あった、、、時間は今に、今は違う新甲竜組、その門を叩くものが居た。
「もしも〜し、勝手に入っちゃって良いですか?」
彼は自分の所属する暴力団組織で任務失敗続き、だから新甲竜に殴り込みに行くこと、事実上の死刑宣告で有る。
そこは巨大だった、開けるだけでも大変、木製の小扉つまり第一ゲート未満でも12tほどである。
特注生産品の高張力鋼製の高さ約20m、横幅約15m、厚さ約4mの第1ゲート、4710t程度、両方の合わせたら9420t程度だ。
第二城壁のゲートは二倍、次は四倍、って二の倍数に城壁のゲートはあり、十のゲートまである。
「もう知りません、ぶん殴ります」
つまり門をぶん殴った余波だけで破壊する、その半楕円領域は計算する必要も無く、門全体と城壁の一部ごと持っていった訳だ。
「っ!?」
門番が座って居た、ダイヤウルフが可愛く見えるような巨大な犬がそこにいた。
「(何mくらいあんだろコレ)」
「初めまして、私は奴は総裁の一人だよ」
「(いつの間に!?)」
「これは古代の狼を再現する為にベースの骨格やパワーの為にカンガル・ドッグ× イングリッシュ・マスティフ、エンジンつまり闘争心・執着心にアメリカン・ピット・ブル・テリア、野生の身体能力としてウルフドッグと犬種を配合していた矢先にダイヤウルフがゲノム編集(CRISPR-Cas9)と古代DNA解析の進歩により、骨(化石)から得られた情報を元に、絶滅した動物を復活させる試みが成功、遂にはダイヤウルフを超える狼が完成したんだ!」
隣から急に現れたものが熱く語る。
「は、はぁ」
「熱くなりすぎた、こいつは体高18mに全長41mだぜ」
それは心や感情が一切なく、ただ機械的に邪魔者を消すためだけに存在していること、心が普通の人ならば人生に一生刻み込まれる恐怖になるほどだ、そして。
「ワォォォ!」
「うっ!?」
極超音速で発する咆哮は断熱圧縮による発光する、空気が極超音速で急激に押し出されると、周囲の空気が凄まじい熱を持ちます、これがプラズマ化して、目に見える発光する弾となって飛んでいく現象。
ただの音波ではなく、密度が極限まで高まった衝撃波の塊、着弾した瞬間にそのエネルギーが解放されるため、爆発したような破壊力を生む。
あまりの速さと圧力で、吐き出された呼気や唾液さえも、鉄鋼を貫くレーザーのような破壊兵器に変貌している。
「こいつはね、喉の筋肉と肺活量がすごすぎて、叫ぶだけで空気を焼き切り、光り輝く弾丸に変えて放っているんだ!この山犬はもはや生物兵器なんだよ」
それだけではない、戦闘以外にも様々な面で扱えるようになっていて対象を嗅ぐだけで、その生物のDNA情報、経験、味、寿命に至るまでの全情報を一瞬で引き出せる。
日本では山犬だが外国ではこう呼ばれている、オーバーグロウンドッグと。
「あ、あが」
オーバーグロウンドッグに彼は瞬殺、捕食されてしまった、当たり前で有る、普段は抑制しているが体温の波動が当たる距離に入った時点で大抵はすぐ死ぬ。
それが動く事自体が禁じ手、心臓の鼓動や瞬き、呼吸すら人や生き物、建物を蹂躙するには充分過ぎるくらいだからだ。
脈打つ心臓の鼓動、たった一拍だけ、それが波打つだけで、その伝達されし心臓の力は、従来の理論上の宇宙最高音速(約 36,000 m/s)マッハにして106を叩き出す、波の領域において最高峰と言って良いだろう。
質量を持った物体が空間を力ずくで切り裂き、マッハ107に成る放射の領域とはそう言うものだ、音ではなく、空気が圧縮されすぎて核融合に近い反応を起こす熱エネルギーの壁が現れる。
だから普段門番は大人しい、だが本気を出せば首輪?ハーネス?それらとは違う、拘束具たる封印機構、鎧の様なカッコいい見た目の黒い外装が剥がれ捲れ上がり弾け飛ぶ。
「ワフ」
「お〜よちよちよち、偉いでちゅね〜、お前の大好物のマグロ食べさせてあげるからな」
「ワフ!」
身体がでかいが燃費は案外大丈夫、何せ普段は冬眠したクマみたいな状態、すごい低カロリーだ、このでかい体を支えるのが簡単だ、恐竜の生きる時代の獣脚類とはまた違うとは思われるが、もしかしたら類似してると言えるのかも知れない。
「一体何の様だったんだ?まぁ家ぶっ壊したし碌なもんじゃなさそう、報復、いやぁ甲竜に?う〜ん、、、」
彼は考えるのを辞めた、午前中に来るお客様の為に掃除屋に頼み門前、門を綺麗にする、、、。
「派遣会社宍堂グループの会長宍堂季吉様がいらっしゃっておりますがどういたしましょうか?」
部下が総裁に報告する。
「すまない、朝忙しくて事前に連絡しておくべきだったね、急に宍堂に連絡して急遽訪問してもらう事になったからちゃんとした連絡もままならなかった、済まない、通してやってくれるかね」
「頭をお上げください!畏まりました」
ギィ、門が開く、城内を案内されて男が部屋に入る。
「やぁ、お久しぶり宍堂、否、こう呼ぶべきかね?東海の不動明王、またデカくなった?」
「懐かしいなぁ、東海地方制覇した時はそんな異名で呼ばれていたね、あぁ、今は298cmだ」
ガシ、両雄、握手する、遠くから見る部下が小声で喋る。
「奴は不退転の重戦車や人間重機機関車と呼ばれとる男じゃい」
重機機関車を擬人化したんじゃねぇのかって位だ、幼稚園時点で軽々と電車を脱線させるほど強かった。
半日の伝説と呼ばれる単騎による東海地方全域の支配者達や戦闘者、組織を全員ヤラないように手加減、体力を温存しながら無傷、余力を99%、九割九分残して制覇した伝説は今も語り継がれている。
彼は雑魚を皆、片手で、それも指で五人の頭を握り潰す、そんなやばい力業を使って居た。
「要件を端的に聞いても?」
彼は頭脳面も悪く無い、鬼塚浩史率いる兵庫派閥、通称伊仙グループ、近畿地方を纏め上げる製造業全般を支える基盤、東海地方の派遣会社宍堂と肩を並べるほど伊仙グループは巨大な組織。
ここ最近、とある人に伊仙が傘下に収められたのだ。
「俺ら二人は中々のビッグネームだ、奴が動き出している、非常に不味い事だ、これは」
「なるほど、鬼塚の件、君の耳にも入ってるよね、そりゃそっか、んで本題はそれ関係?」
「あぁ、俺は福山市の裏の支配者、王に恩を売っている」
「う〜ん牙山さんか、なるほど、昔ほど影響力が落ちたとは言えまさか甲竜が支配者の傘下に降ったのか?」
「傘下ではない、マンダって構成員だ」
「あぁ、なるほど、、、あ、確か聞いたその情報、情報網に引っかかる事多くて記憶にあんま無いが、あぁ」
「全員総出でアレを叩く」
「”クエスト”のことか、、、困難を極めるぞ」
「覚悟の上だ」
二人はクエストについて、密談して居た、、、。




