EP54 潜入
「はいよ〜ガチャリンコ、さぁ〜てと、やったりますか〜」
ピシ、人工皮膚がピッチリと皮膚に密着する、その見た目は拘束して縛ってあるお偉いさんに丸っ切り同一の姿形をしていた、その変装術はこの会場内で読心に長ける男達、フェイスを見破るもの達、それらですら見抜くには困難な程の変装術だった。
皮膚科医がガチって作ったリアルを追求した人工皮膚はその専門でも触らなきゃ分からない程、触っても見分けるのが困難で有る。
翻訳中。
「聞こえるか?」
「はい、聞こえて居ます」
「このパーティの裏で秘密裏に交換される情報を奪い去る」
変声術と腹話術そしてパーティ効果を利用したスパイ会話、これは沢山の人がいる時に有効活用し易い会話術で有る。
これは沢山の人がいる時に有効活用し易い会話術でパーティ効果でガヤガヤしてる時に仲間に情報伝達するんだけどこの際に誰がこの情報を伝達したかが分からなくなり、変声によりさらに撹乱する撹乱特化の会話術である。
腹話術は音の指向性を操作可能で有り、周りの人間に擦り付けるような情報伝達が出来る、反響定位とか骨伝導を利用可能な人間が居ると無効化されてしまうのが欠点で有るがここに他の技を組み合わせることでより強みを増せる訳だ。
あえてグラスを指で弾いたり、近くのスピーカーの重低音に合わせて発声したりして、音の始点を物理的なノイズで塗りつぶす。反響定位を狂わせる音の煙幕や。
変声術で喋りながら、同時に空いている方の手で別のグラスをテーブルにこすりつけたりして、骨伝導的な探知に対して偽の振動源を複数作り出したり。
ウィスパーの変声で声帯を震わせない無声音の状態のまま、口の中の形だけで音色を変え、これなら喉の大きな振動が発生しないため、骨伝導でも拾いにくくなる。
会話術の編制をスパイはできて当然なのであるがこのような会話術に加えてその際の些細な動作にすら意味を持たせるのがスパムの常識で有る。
諜報中のこと。
「人工皮膚が見分けられないとでも?」
「一体何の事やら(嘘だろ!?皮膚科医ですら見破れないほどの代物を最も容易く見破りやがった、なんて皮膚に対する洞察力、観察眼してやがんだ)」
そこに急に訪れた男がスパイを揺さぶる。
「諜報活動中ですか?」
こちらと全く同じ組み合わせの会話術だ。
「目的は?」
「私は鹿目と言います、元々無所属の殺人鬼でしてねぇ」
「(なら交渉の余地はありそうか?)取引しないか?」
「残念ながら交渉の余地は有りません、元々無所属、元々ですよ、私は現在、政府直属の戦闘者ですよ、貴方みたいなスパイが来る事を分かって、予め手配したんでしょうね!」
グイ、首を掴み目立たないように外に出す。
翻訳終了。
「離せ!ウラァ!」
ドガァァァン!首を絞められた状態で顔面にパンチする、鹿目の顔に陥没する、ドカンドカンドガァァァン!何回も当てる、だがしかし。
「無駄です」
「何!?(鼻っ柱一つも折れねぇ!?)ならば!幼少期、スパイ育成所で若くして俺が手に入れた固有技!同期が皆が欲しがって欲しがっても手に入らなかった俺の固有技、経験値の開花×資質の開花×信念の開花×打撃の開花っ喰らえ!破臓腑拳!」
バゴーン!床にクレーターが形成される!顔面に直撃!鹿目死んだか!、、、だが。
「は?俺の拳が、ぐしゃぐしゃだと」
スパイの首を離さない、要は手を固めた。
「ふ〜ん、固有技ねぇ、それって!」
ドサ!
「うが!?(破臓腑拳!?)」
「コレですか?ただのパンチを、仰々しい、あ、イヤホン?いや通信機器はコレですか?」
「先輩!何をした貴様!」
「まだまだ未熟、感情に踊らされてる節がありますね、あなた方二人とも未熟」
「うが!?(いつの間に!?こんな遠くに居たってのに!?)」
双眼鏡を使わないと見えない程遠くまた自分の観察対象の間に崖がある状況下で相手が一瞬目を離した隙程度の時間でその距離を詰めて背後に立つと言う。
「今なんか見えたか?」
「いや、、、何かすごい事したのは何となく曖昧だが」
「やはり政府直属の戦闘者なだけは有る」
鹿目が殺したスパイもまた強い、潜入・隠密技能などがスパイ経験により高い水準に有り、誰にも気づかれず任務を遂行し、窮地の仲間を何度も救い、戦地で死んだ仲間を自陣営に運んだこともある。
その身体能力は巨岩をパンチで粉砕する怪力、
銃火器、ナイフ術、体術すべてが高水準で有り、どんな絶望的状況でも生き残るサバイバル能力があった、だが殺された、、、。
政府直属の戦闘者、それは化け物が集まる、まずそもそもキラーとは、暗殺者にも殺し屋にも所属しない、それが殺人鬼、出会ったらやばい奴等。
「飯に埃が入るだろうが」
バゴーン!そのまま剣を破壊しちまった!続け様に。
「甘い、うまい」
「んな!?ぐぎや」
グシャ、顔面を握り潰してそのまま頭を粉砕しちまった。
「舐めんな!」
外から放たれた仲間の援護射撃!だがしかし。
「ふん、やはりこのハニカムが良いのだ、体にも良いし」
「ウギャァァァ!」
なんとウッドスプーンでコムハニーを食べながらロケランを受け流し店外に出して敵に命中させたのだ!食事中に襲っても失敗する。
「、、、zzZ」
「!!!」
ばし。
「!?」
「息や声だけ殺せばいいと?筋肉や内臓の運動から発生する熱、音も足音も、お前の存在を悟らせる全ての要素を消しきれていない、存在感が消えてない」
バン!そのまま首を握り潰し圧壊、睡眠中ですらやつに隙はなかった、、、。
沢山の組織から狙われているAランクのNFGが基本的、キラーとはそんなもん。
「俺の小銭稼ぎになれ!」
「ん!?(こいつどっかで、確かシャラカルの奴か!?)うぼっ!?」
《放心撃》虚を突く空手道の打撃、だがしかしこれは単純に”相手の意識の隙や、油断した一瞬を狙って打撃を加える”と言うものではありません。
主にマジックに用いられる視線誘導を残像が出るほどの速度と死角を利用することで相手に自身への集中を削ぎ、自身の注目度を他の注目度に気を取らせることで自身に対する視線や意識、集中をある程度手放させる、いわゆる放心にする事。
それに加えて隠形を並行して技を極めることで来るとわかっていても避けられない(ほぼ必中の)虚を突く打撃を放つ事が出来る。
シャラカルの構成員は更に忍術を加える!
「むぅ!?」
影拳×放心撃。
「影心拳撃!!!」
「ウガァァァ!?(宇木壮一に狙われたら死!甲竜が可愛く見え、都道府県の裏の支配者達ですら恐れ慄く絶望の極点!?そんな奴等の仲間に狙われた時点で)ウビャァァァ!?おぇぇぇ」
鹿目、口から内臓を吐き出す。
「貴様!俺が使った破臓腑拳もコピーして組み合わせ」
ガシ。
「お金が喋ってる」
「ひっ!?」
グザグザグザグザグザ!、、、バタン。
今やシャラカル、繰り返す戦に適応し強き者が集う、名前もない奴等ですら英雄と呼ばれてなんらおかしくは無いほどの実力者が集まって居た。




