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プロヴィデンス  作者: 藍
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EP53 我慢する力

いずれは彼らは、家名を捨てて、自分を捨てて、それは品性イーソスを持ち、命令された事を方向性とする、そしてコードネームを与えられる、、、。


その忍耐力に人間性は伴わなかった、スパイとは長い期間の中、殺しまた殺され、仲間に裏切られ、様々な苦難を経験し、その中で心が依存する対象は変わり続けました。


任務と責任のため耐え続ける忍耐、復讐と増悪のため耐え続ける忍耐、達成と膨大な興奮のため耐え続ける忍耐、自分の帰りを待つ者と愛のために耐え続ける忍耐、様々な依存する忍耐が存在した。


だがしかしスパイとは無常の世界、それら全てが相互に与える影響は計り知れない、相手の愛を奪えばその忍耐は復讐の炎へ、任務と責任の重圧に押し潰されて精神崩壊、ただ楽しめるものとただ一つだけがスパイの必要な忍耐へと変わった、それは。


一切の感情を捨て去り目的の為ただ前へと進み続けることだ、心と涙を失うほどにあらゆるものに耐えられるようになる、そしてやがては全てを耐えられるようになる、この世界に心を動かされなくなったスパイとしての心構えが完成を告げる。


「なんだ貴様は!」


「初めまして、そしてさようならスパイさ」


「斃レ」


「(唇の動き的に斃レかな?)」


スパイと宇木の中間距離は約10m程度、その発声の聴覚情報として伝わるまで、音速がその程度を流れるのは約0.029秒程度、それを。


「すっ」


その声は、60から70dB、鼓膜を耳関連の筋肉を制御して保護、一言一句を聞き取れない距離、約50から100mの間、75mまで離れる。


「やっぱりな、なーんか強制力を感じると思った」


言霊と呼ばれるものとは声を利用して法則性・パターンを理解、式化したものが歌や呪詛を読むなどで力を増幅、利用と運用されて来た、また呪術を運用する時には基礎中の基礎とされる。


現代に於いても花が言葉に反応するのかと言う実験が行われた際にそれが振動に関連して居ると意味付けられた。


言霊を唱えて運用する技術は呪言と呼ばれる、振動・周波などの科学的な原理を利用して人間を支配したり物体を共振現象から破壊などと言ったことをすることができた。


「貴様、言霊を使って俺様を心停止させようとしたな?気の混じる音を見破れぬと?」


「ふ〜ん、バレちゃった?なら仕方ない、


幻覚が見え、聞けて、感じて、味がして、匂いがした、幻視、幻聴、幻触、幻味、幻嗅とでもよぶべきものだ、それらを演技力だけで発生させる想像力を利用する技術で有る舞踊術と類似、または同義として扱われるが若干ながら差異がある。


混同したり屁理屈を並べられることも存在するが舞踊術アイドルスキルによる方は誰でも出来るものなら視線誘導による注目の収束、歌による集中力をコチラに向けさせるなどだがより洗練した先には、錯覚を引き出すもので虚で有るのに対して、言霊は実に干渉するなどの境界が有る、因みにだが勿論類似するし、精神が肉体に傷を及ぼすなど実への副産物的な間接的干渉が存在しており、そこまで詳しく分類しない限りは別に呼び方はどっちでも良かったりする。


「こうかな、んん!ふ〜、、、首ヲ垂レロ!」


キーン!


「(耳鳴り!?いや幻聴、あれを喰らっていたら、やばかった、、、あれ?なんで、避けたはず!)」


対人戦時の言霊なら脳味噌、思考回路に関与するだけなら声だけで良いし骨なんかは無関係なのだが、その言霊ら骨伝導すらしてはならない、それは普通とは違っていた。


普通の強制力ならば、上塗りできる鉛筆と紙のような関係性になり、上塗り合戦が出来る、だがしかし奴が真似して出力したのは、石碑に文字を掘り込む碑文のようなものだ。


その強制力の差は歴然、1度掘れば最後、鉛筆如きではサンドブラストのような言霊には余りにも劣る。


「残念だが幻聴すら聞こえてはならなかったんだよ、距離無視の言霊、認識自体がアウト、無意識に刻み込まれるようにしたんだ、君の言霊では余りにも非効率的と思い勝手ながら効率化オプティマイズさせて貰った」


幻聴型言霊、言葉を発さず無言、口パクで成立する正真正銘のクソッタレチート、ルーン文字とローマ字、コンピューターの可逆性とは真反対、不可逆性。


「お前が生者として明日の夜明けを迎える事は無い」


実力差は圧倒的、宇木と言う人外に対して本来ならば怪物で有る筈のスパイは焦ってしまい、視野狭窄状態になって居た。


「クソッタレ」


プツン、膨大な堪忍の袋をもつスパイだが、まだ未熟者、宇木を相手にプッツンと堪忍袋の緒が切れた。


スパイは気づいてないが黒髪から白髪になって居た、極度の精神的な衝撃・ストレスから髪色が変色するマリーアントワネット症候群のようだ、、、。


多重会話術、スパイの行う会話方法、普通の会話をしているように見せかけて、気道と声帯、そして横隔膜と言った身体における声を操る部分を鍛えて、それらを細かく分けて会話が可能に成って独立してバラバラに動かし、ビートボックスのダブルボイス、地声を高速で切り替える技術により声量に高低差を付けて“大きな声”と“小さな声”と言う二つの音程で言葉を発語し、本心を隠すしながら仲間に情報伝達すると言うもの。


だがしかし敵のスパイだっててだれ、そんなのじゃあ通用もしない、だから多重会話術と呼ばれている、二重音声に加えて発光物でモールス信号(過去には、指で机や壁を適当な力加減で突いて鳴らしてモールス信号を伝達すると言うものもあったが二重音声と相性が悪くスパイは何かしらの発光物、ランプや懐中電灯やマッチなど携帯、無ければ擦り合わせで火を焚くなど、そしてそれすらできない監禁状態の場合瞬きすると言うのが主流になった)、明暗によるモールス信号は盗聴器があった際に有効であるがここもまだ甘い、監視カメラがあった際に撹乱する方法、ワザと監視カメラにモールス信号を写しつつ監視カメラの死角になりつつ尚且つ仲間が口元を認識できるようにスクラッチクジを削るようにして口パクで情報を伝達すると言うものが加わる。


これによりもし死角がないほど監視カメラがあった際に四つの情報源が生まれる、そうして25%の可能性に絞らせることで敵の行動を制限することができると言うスパイ特有の会話術である、この多重会話術に於ける強みはカクテルパーティー効果の逆利用?否、誤情報を与えてベイズ推定を狂わせる?否、媒体のミスマッチ?否、答えを言うならば、注目してほしいのは情報取得時の敵の検知手段次第だが自身が仲間に伝えたい情報を敵に隠し通せるってこと。


パターン1、盗聴器が仕掛けられているパターン、この場合二重音声を聞き取るのだが当たり前だはその50%どちらも不正解、なんならここに即興でシナリオを考えて敵にとって不利な情報を与えて行動を鈍らせるなど汎用性は非常に高い。


パターン2、監視カメラが仕掛けられてるパターン、この場合だが瞬きにすることでこっちも二択に絞り込めるが勿論こっちも検知手段を把握していれば相手を間接的に操れる、読唇術とモールス信号と言う知ってるものがいれば良いが知らなければ解読する時間を取られる上に二つとも誤情報と言うなんとも敵を滑稽なものに出来る。


パターン3、全てある場合、この場合先ほど言ったように25%の4択に絞り込ませる点にある、もし仮に敵が一切の情報を取得しておらずスパイに尋問などする場合、それは愚策、敵の有能より味方にいる無能の方が厄介であるように知ってしまったからにはこの四つの中に必ず真の情報も含まれる、ここからは情報収集メインで擦り合わせ推論してなるべく信頼の高い情報になるがスパイがそこを考えないとでも?勿論ここも彼らはテストの大学院も高難易度の選択問題ばりに難しい選択を強いるため、自陣営の知りうる情報に嘘を織り交ぜるような高等な選択肢でさらに撹乱可能。


っとこのようにスパイが安易に扱えるのにここまで情報戦、心理戦において強力な手法は中々に無い、洗脳されて口を滑らされたり脳をクチュクチュとされ情報を吐き出されない限り基本的に情報を引き出せないのだから。


※因みにスパイ話術教室と言ってこの多重会話術を完璧にマスターするためのレッスン教室が開催されていて幼少期から教え込まれた人ほど自然にこれが出来るけどもちろん大人からでも扱えるって言うお手軽さも良い。


、、、。


「ぶっ殺す、確実になぁ、俺の所属する情報局で俺はスパイ会話と言霊を鍛えたんだ、お前みたいな可逆性は無いがなぁ!」


「ふん、来いよ」


スー!グンカンドリみたいだ、胸が膨らむ!そして、周辺にいる200万体もの変な化け物に声が波及する!


、、、。


未熟とは言えスパイ、実績を積んで至るもの、彼にも一つ実績がある、それはあの裏遊園地の最強囚人の移動前、巨大な牢獄移動要塞都市での話。


一言で言うならばその暗号は普通の人にはゴミ情報にしか見えない動きに、高度なメッセージを込めたもの、複数の暗号を組み合わせる複合暗号会話と言ってこれは撹乱と言うよりはより小さなモーションの中に巨大な情報・メッセージを伝達可能かが大きな要素と成る。


暗号翻訳。


「予め逮捕されることを予想していて内通者として看守を用意していた」


「ふむ、それで外部に待機中の組織へ作戦指示を送信するのか?」


「はい、内通者に監視カメラの位置を少しズラして頂いた、その死角に入り込みます、そして巡回はその看守と組織に勧誘した悪徳看守を配備、それで予め看守の目を積んでおいたか、今日この日が来ることを予想して先回りしたそれでも刑務所内は油断ならないと言うのが事実」


心臓部を制御、息が苦しく成るがポーカーフェイスを貫いて自分の心拍数をある程度制御することで鼓動を刻み遠隔バイタルデータのリズムを文字に変換デコードして読み取らせることで予め組織内に設置しておいた暗号表と照らし合わせさせて地上の無人の爆破させて脱出時の監視を減らし。


爪をカツカツしたり指を掠る皮膚間がする摩擦や瞼の上下運動(瞬き)を自然に繋げることで違和感なくモールス信号を行い合図、鉄格子(牢屋の扉)をこの時間帯になった瞬間に開閉しろ、カメラに砂嵐を走らせる妨害電波を流すことを外に予定時刻を指示してタイミングを合わせるなどで牢屋を出る。


パターン解析されたら困るため他にも音階暗号、耳年齢が適さないレベルの高周波数、通常の人間には聞こえない、聞こえたとしても不快な雑音にしか聞こえない高周波の音をベースとして、超高周波を聞き分ける聴力と、それを正確に制御して発信する技術が必要になる、そして単にドかレかミか〜とかではなく、微細な音程のズレ(セント単位)に意味を持たせているため、完璧な絶対音感がないと成立しない、正しく天性の音楽家の素養を持ち合わせる者にしか許されぬ暗号会話術の一つ。


と、そこにさらに”隠語”を使う主に薬物売買の時の常套句たる会話術、以外に簡単だがこれを暗号会話に織り込むことで音階会話はより隠蔽精度を向上する、そして脳味噌をフル活用した彼らは。


秘匿したい場合には計算力的安全性けいさんりょくてきあんぜんせい」に基づいた暗号のようなものも使う、演算処理には符号(数字と記号の羅列)処理と16,384ビット相当(約4,932桁〜)をフラッシュ暗算可能な集中力と情報処理能力を持つ上所謂知能オリンピック選手級の頭脳を要求されるが、秘匿したい情報を組織に運ぶまで情報漏洩したくないってんでそのような演算暗号使う、演算暗号はよく音階会話と併用されます。


共有した暗号表記、記号を記憶に付随、識別番号を割り振ったいわゆる固有アドレスを使った仲間間だけでの高速チャットによる情報送信を繰り返すような通信暗号、これにワンタイムパッド(OTP)とヴィジュネル暗号を組み合わせた組織式の暗号会話等々、複数の暗号を巧みに使い分けて。


「無事脱出っと」


なんとあの脱出不可能とまで言われた刑務所ですら易々と脱出してみせたりともはや組織のレベルが違う。


スパイの多重会話術でさらに高等なことをしなくてはならない、呼気(空気の流れ)を3つに細分化し、喉や口内の形状を瞬時に、かつ複雑に変えることで3系統の音を作り出している、そこに倍音唱法で三重(三和音)を組み込んで、つまり彼らは従来より手数が増えて五分の一を強いる会話術に加え強力な暗号を持っている訳です。


、、、。


そんなのがゴロッゴロ、じゃがいも袋ん中みたいに沢山居るんだ、そんなスパイの彼だから言霊と心理的操縦が出来る。


「死にやがれ!」


脳に介入、音の振動制御、約200万人の軍団を。


「あぁ、あああぁ」


グサ!グザグザグザグザグザ!付近約100万は集団自殺洗脳、遠くは複雑な制御を諦めて心臓が停止する簡易的な言霊で約100万を、殺した、、、宇木を除いて。


「やるなぁ!」


「!?」


「俺に使わせろ!それ!死ね!」


「ック!?や、嫌だ!辞め!」


グサ、グザグザグザグザグザ!!!ザシュ!、、、。


「いや〜今回のスパイは手強かったかな?」


「先輩まじやばいっすね」


シャラカルでは少し前から基本的に高度模倣能力を学習させて居た、これは身体能力、人格までもコピーして対象の技術をコピーするって能力、で肝心なのはそのコピー能力の範囲、相手が不完全な技術を完全なものでコピーする、師事者(師匠)がいる場合、弟子越しに師匠の技術をコピーする。


コピーの性能だけじゃなくコピーの方法も素晴らしい、本来なら攻撃を喰らう、練習(模写)とかシュミレーションと言った”慣れ“が要らない、技を見聞き、技名を知るとか、そう言った事前情報も要らない。


対象を見るだけでその筋肉の酷使、摩耗など情報からどのような動作をしているか読み取り模倣コピーすると言うもの、だがその先、自分に合わせて開発して100%から100%+に昇格させると言うものだ。


この自己進化性により本来なら模倣不可能な固有性の技術、相手の模倣の対象としての爆発的な成長すらまとめて適応成長するのだ、これぞ”真似“の極致。


※因みに、先手進化って言って相手と自身の戦闘が開始する前に模倣成長終了して強制超越みたいなこともできちゃう、年齢、骨格、性別、体質に至るまで変幻自在に己の肉体を変容させられる。


「スパイが頑張って覚えた技術、一秒も経たずに奪うのマジ頭イカれてるっす!宇木先輩!」


「だろぉ」


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