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プロヴィデンス  作者: 藍
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EP44 一人の男

人口流出が続いて廃墟と化したビル街、所謂ゴーストタウン化、ここに一人の男が住んでいた、浮浪者のそいつは金持ちがこの街を所有地にしたとは知らない、そこを一度破壊して新たに建設するために爆撃を放った。


爆撃、ビルの倒壊に巻き込まれるが、男は無傷であった、もはや男は成す術なしか?瓦礫の山からスポット出た男は、更に相次ぐ投下された爆弾の爆風に乗る数々の瓦礫を飛び乗り悲観していた。


「なんだアレは?、、、人影?」


煙の中、人影が立つ。


「躰道それ即ちカラダのみち、我が制流は玄人の域に在るぞ」


反射能力を向上、0.01秒速の反射神経、攻防一体の範囲を手の届く範疇までに絞ることで更に反応速度を相対的に強化、これに予測を加える、相手の動きを読んで、予め次を予測、先んじて踏み場を殺したりして相手の動きを誘導して追い込む対人制圧術、これをベースに、相手の行動に同調、完全一致シンクロする、動きを最小限に抑える、相手が攻撃しても柳の如くスッと避ける、最後に相手の勢いを利用、自滅させる合気道、これこそ。


「うごぁ!?」


「我が躰道、静動一体の留流威ルルイ制拳なり」


敵だと勘違いして一人を倒すと。


「まだまだいるではないか、早う近こう寄れ」


鍛え上げた五体、五感を存分に活かして源流派の玄制流の旋・運・変・捻・転の五操体をこの留流威制拳に組み込む事で、より変幻自在かつ効率を求めた洗練されたモデルである、和合にして自由自在、どんなものにも変化する無形の武、どんな武術、環境、技術にも適応し完璧に使い熟す、それが留流威、躰道の無形と言う本質そのものを表したが如く不定形の蹴り、殴り、組み、締め、投げ、寝技、あらゆる攻撃が飛ぶ!


個を持たぬ故の変幻の自在性、ならばそれこそ無形が窮極の躰道だと言えるだろう、型も構えも無い、側から見ればMMAか喧嘩殺法、その套路など予測不能で有る!どこでも戦える!それこそが強味なのだ!


攻防避の三拍子兼ね備えたオールラウンダーな戦闘方法、素晴らしい!


「ウゴァ!?」


また一人、また一人、首を刈られて行く。


「な、なんだその動きアガ!?」


普段は無形と有形を使い分けて戦っている、と言うのも、その場その場で思考して編み出す特注品を制作するのと技を絞っておくのとじゃ繰り出せる速度が指数的に段違いだからで有る、太極拳、合気道など護身術の側面の強く出ていたカウンターを、守備の流水、筋肉の収縮など主とする通称玄武の型。


「ダララララ!!!」


功夫、ボクシング、極真空手など、攻撃に加え、肉体の限界を引き上げる、より具体的に言うと神経系を活性化するホルモンを随意的に分泌して筋力向上を促す呼吸方法を使って筋肉増強を主とする戦闘を行う立技、打撃技系の技術体系であり、攻撃の旋風、上半身で扱う通称白虎の型。


「うごあ!」


攻撃は猛虎の如く、守りは亀の甲羅の如く、それ以外にも三つの特化した型が有る、寝技、組み技のどメインウェポンとした柔術、柔道、レスリングなど主軸とした回転、骨、関節系の技術体系で有り、下半身で扱う通称麒麟の型。


機動力は隼の如く、まるで烈火雷神の如し、脚技の技術体系でカポエイラやサバット、テコンドーなど主として駆け走り周り縦横無尽に攻撃を仕掛ける通称朱雀の型。


木の根が張ってるが如し重心移動、体軸で、気功、ヨガ、内家拳をベースにした内部浸透系の技術体系で有り、呼吸により乳酸を分解し、ダメージを緩和する再生の側面と、相手の装甲を無視して内部を打つ浸透の側面を併せ持つ通称青龍の型。


これら五系統、火水土風木の全ての型を組み合わせたものを《鳳凰》と呼ぶ、熟達したものは鳳凰(有形)と無形で相手に波状攻撃を仕掛ける、相手からの攻撃を玄武で受けて、麒麟で回して、朱雀で位置調整して、青龍で浸透、及び内功を練ってそれを増幅し数倍の破壊力と効率を持たせて、白虎で相手以上の筋力、神経系で放つことで受けた二倍以上の威力でカウンターする技術も有るし、純粋にどう行動するべきと言う指向性が既に整っている上に想定外、型破りな無形も揃ってのオールラウンダーの完成系と言える。


「はぁ〜、、、」


“今の彼”は、戦争を神と崇め、神格化する戦争の殉教者、戦時中に死亡した亡霊だった、、、。


始まりは徴兵だった、自国に強いられた軍人、それが彼だった、奇しくも才能を有して居た彼は途轍もない速さで出世する。


「うわぁん!おかぁさん!うがはぁ!?ぐるじぃ、コヒュー、コヒュー、だず、げ」


ボギャリ、、、。


「俺は、ただしい、事を、して、る、よな?なんの罪も無い、子供を、殺めてる、だけじゃ、、、無いんだよな?」


自分に言い聞かせる、部下に聞く、上官に聞く、彼は苦しみ葛藤し、自国を信じた、不信は募り無意識的に自国を調べるようになって居た。


ある日の作戦。


「対象首は参謀総長、奇襲作戦にはお前が迎え」


「ラジャ」


その姿を見たものは、精神に異常をきたし、自我も理性も失い、死ぬまで狂乱・発狂・妄動する気狂いと化し、その声を聞いたものは精神が崩壊し脳の回路がショートする、そんな気迫プレッシャーを出せる参謀総長。


参謀総長が建てた計画は、敵勢力を自身の群勢に寝返らせる、精神が崩壊した肉に擬人格を刻んで自国の兵士に変え、志をともにする軍人にする。


その名も洗脳兵化計画、至ってシンプルで、迫ってきた敵対勢力の人間の精神を崩壊させて人格を書き換えて兵士にするってただそれだけの計画で有る。


参謀総長暗殺計画を単独で成し遂げることで指揮を決壊し、洗脳兵化計画を未然に阻止することに成功する、そして参謀総長が企てた飛行戦艦、空母に乗った120万人の空軍人、航空団による空からの奇襲計画を知り、地点を割り出して領空侵略作戦を未然に阻止。


「貴方のお陰で我々の被害は数万から数千に、数千から数百に、数十、今回に至っては数人です!このままなら無血の勝利が」


「(目の前のコイツは、何をほざいているんだ、俺の指示で何人死んだ、俺の指揮で潜入調査させていた兵士は皆空軍人として利用され、間接的に何個の命を奪ったと思ってるんだ、何が無血だ?俺にばかり命を背負わせて、何をぬけぬけとほざき散らかしている?)え、えぇ」


だがしかし、それすらブラフ、真の目的は国王の殺害、領空から侵略していたのは、地下からの攻撃にバレないため、自身が死ぬことや領空から攻撃する計画だったんだ。


やつは認知症が始まっていた、後継人も見つけ育成した、だから死んでもいい理由を見つけた、やつは、参謀は、自身の死すら計算に入れた国家決壊計画と言う大きなシナリオを進行していたのだ。


「あぁ、死んでもまだ、気迫を掛けるのだな、あぁ、もういぃ、分かった、分かったっつってんだろいがあぁぁぁぁぁ!!!全て貴様の思惑通り!掌で転がしていたのだ!あぁぁぁ!!!死ね!死ね!死ねぇぇぇ!」


「(父が言ってたな、あわよくば他国で英雄扱いされてる奴の精神を副産物的にぶっ壊せたらいいって、ここまで計算に含まれて居たんだろうか、どこまでも穴がない計画、素晴らしい精密性、父よ、貴方は一体)」


その後、自国が何かを、とある日記で目の当たりにした。


「侵略国家、、、我々兵士も、産地地消なだけで、幼少から思想を植え付けて、洗脳と変わらないじゃ無いか!」


自分が悪だと理解した、そして彼は南アメリカ大陸の東側で勃発した1941年の地獄の戦場にてTNT変換にして約600,000トンに登る威力の核爆弾を零距離で被弾して戦死者として報告された軍人だった。


彼は何期生かに、ワンマンアーミーズの試験中に大岩を頭に直撃して無傷どころか岩が砕けたり、蠱毒にて、マグマ遊泳を平然としているが誰もその死に違和感を抱かなかった。


だが1945年、8月15日、終戦直後の広島、つまり日本で全身火傷や細胞変質など特徴から見て間違いなく直撃して被爆している状態で発見された、その際付けられし名は、地獄より生還した戦場の悪魔と呼ばれる、これは、あくまで机上の空論でしかない話だが、奴が三人でも居れば戦争は日本が勝っていたとまで言われている。


、、、。


「また、戦場か?」


狂ってしまった、狂乱に堕ちたのだ、奴は、戦争と言う概念に支配された、恨み辛み重なり合い、自身の人生の重荷、すべての諸悪の根源たる戦争を愛憎している、憎み過ぎたが故、愛が芽生えてしまったのだ、模倣もない重圧、精神的過負荷は性格を変形させた。


「ふんなぁ!」


バゴーン!その男の打撃だけで地面が大規模陥没、物質が圧縮されて地震が発生する!


「うわぁ!?」


風圧から周囲の者達は全員吹き飛ばされ、そして。


「あれ!?どこだ!」


煙に巻いたのだった、、、。


奴は日本の東京に来て居た。


「あぁ?なんだ貴様は、我が王に喧嘩を売りに来たのか?うぐぁ!?」


「お前達の支配者を出せ、今すぐに」


東京都の王の部下の首が締め上げられる。


「王は現在、この場所に居らぬわ!不在!だから帰れ!出なければこの場で殺す!(なんだこの握力!?首が、圧し折れっ)」


「まぁ待て」


ブファ!カラスの羽が舞うそのオーラは、見るものを魅了する。


「この東京裏、貴様は立ち入った、その意味は分かるか?」


日本列島の中で下から数えて三番目の領域とは言え、裏は裏だ、朝に生きて死の介在しない砂糖より甘い喧嘩をして、そんな人とも時間とも違う。


例えるならばその場所の生態系は苛烈そのもの、生存競争で勝ち残るため必然的に進化を促される。


「まさか、俺に勝てるってそう思ってる訳?」


ゾクゾク、背筋が凍結する!なんて寒くて暗いんだと。


「(掠るだけでも死に直結するッッッ否、当たらなくても死に直結するッッッ!!!??)」


真っ暗な闇の中でも黒くて異質な飛び散る鴉羽の様なオーラ、現実に存在しない純度100%、ベンタブラックすら明るく見える程の真っ暗な羽。


だがしかし東京の王が豹変する、真っ暗な夜がさらに濃くなったように感じた、広げたツバサは、夜空を覆い尽くす天蓋と化した。


瞬間!掴まれる。


「あれは!?我が王の当てない投げ!触れただけの摩擦力で投げる投げ技すべてを凌駕する投げ技!」


「あぁ、我が王は矢張り凄すぎる!アレは掴みを相手に触れさせる直前、肉体と気力を併用し高周波震動を生み出す、数センチ離れた空間に量子的な癒着(摩擦)を生み出す、アモントン法則の破れ!非接触摩擦投げだ!」


単純に風圧で行うのとは訳が違う、確かに風圧も利用している、非摩擦だけでは足りないからだ、その精密な投げは、自身が柔道着を着て柔道家に投げられたとイメージする程に精巧。


バゴーン!常人なら一撃で後頭部がグシャグシャに潰れる一撃だが。


「(あっぶねぇ〜、手を頭に敷いて受け身を取って助かったって!?)俺結構耐久力には自信あるんだが、どうやって手の甲を折ったの?」


「簡単さ、力業って奴だよ」

「(いつの間に!?)」


バゴーン!キノコ雲が立ち上る。


「グハ!?(今までも喰らって来た、核は!だがっなんだこの馬鹿げた破壊力!さっきからバカスカ軽い顔して放ったジャブがこのレベルなんて!)っ」


「はいよ!」


「ウグァァァ!?(死ぬ!?マジ死ぬ!?なんやねんこいつまじで!なんでこんな核兵器が可愛く見えるような馬鹿みたいな破壊力ゥゥゥ)ウグァァァァァ!!?」


ドゴバーン!パンチ一発で上昇気流を作り雨を降らせる程、膨大なエネルギーをあいつはバカスカ出しやがる!東京都の外どころか大気圏まで余波だけでマッハ50に達する破壊力でぶっ飛ばされる。


「あ〜れ〜」


こうして東京の乗っ取りなど出来るはずもなく、瞬殺されるのだった。


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