EP39 止まぬ憧れ
「私は社畜、会社の歯車、私は社畜、会社の踏み台、私は塵、積もって偉人を生み出すパーツ、私は私、私は私」
仕事環境がどれだけ劣悪で奴隷の方がマシと思えるような環境だろうと仕事する、社会人に掛けられた洗脳は仕事をして当たり前、どんな仕事かは関係無い、だ。
「くっくっく、良く働いていますよ、我々の会社の社員は」
「あぁ」
その会社は、人間社会のシステム、法律や立ち位置、地位や権力、権威や権利などから考えるなら非常に高い場所にある。
「我々の会社の部品として規律を守って、ん?」
そんなところにある日突然、光が現れた。
「あが」
「うっ」
その男は、汚れ一つ無く艶やかで、美しい純白な髪色は、清潔と形容する他に無く、清潔感に満ちていたウルフカットだった、髪型だけでは無い。
透き通る艶やかな白肌、海の様な吸い込まれる青い瞳、着熟された白銀のスーツ、その全身の服装だけで無く、一挙手一投足や所作が洗練されており、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花と言う言葉も似合う、濡れれば水も滴る良い男、筋が通った鼻、中世的な顔立ちで、男女誰からも好かれる外見を持ち。
気品が感じられる容姿、身のこなしから自然と漂う上品で気高い趣、典雅で淑やかでたおやかで凛として居る、上品な出で立ちは気性・気質のもの、高潔な精神が溢れ出ている。
「あなた方では上手く行きません、私が改革して上げましょう」
風紀・気品・品位・風格が形を成したような男、それが袱紗家当主、袱紗智成、誰にでも公正な中立の人間だ。
「皆様は単なる社会の歯車では有りません!」
「俺達は一体全体今まで何を」
太陽の如く煌々(キラキラ)輝くリーダーの光、それは目に見えてオーラとして伝わるカリスマ性、程度の知れた洗脳技術などただの気迫だけで払い除け焼き尽くす。
「改めて名乗りましょう、私の名は袱紗!袱紗智成と申します!切磋琢磨して頑張りましょう!」
理性と野性、品性と俗姓、正気と狂気、正常と異常、正義と倫理、人間と人間社会には二項対立が満ちている、善悪の両者が侵食を繰り返し、消えたらまた新たな目が芽吹いてより大きな争いに発展し、それが繰り返している。
そんな中、新たなる正義の企業が誕生した、袱紗家に拾われるまで彼は酷い人生を歩んでいた、、、。
「俺はすべての環境や人生が平等ではないと分かってた、だからこそ気遣いに徹底して更生で きるなら悪人だって可能な限り助けてきた」
彼自身も恵まれてるわけやない、本当の両親に生まれて間も無く捨てられた、しかも悪意があったわけじゃ無い、育てる気しかない両親に不幸が立て続いて子である袱紗だけでも生かす為に孤児院に送ったんだ。
一般的には悪のようなものだが愛ゆえの両親との離別、そうして両親は彼の見えぬ場所で本来の悪、理不尽な略奪者により残虐に引き裂かれた、物理的に。
俺だってもしかしたらこのようになったかも知れない、理解してあげたい、それが彼だった。
それでも彼は献身で、自己犠牲的であった、孤児院に拾われてから、他の兄弟の兄貴分としての役目を果たしていた、虐めを削減する策を立てて、新しく入ったものが村八分にされないように積極的に身内に入れたり内気だったり吃音でも気長に関わった。
だからこそ直様に良い親元に拾われた、大は小を兼ねると言うがその通りで慈善団体を立ち上げたり、募金を数億単位でしている、会社を立ち上げている両親だ、両親は不妊治療をしていたが子供は出来ず後継が無いと困ると言うことで彼を見つけ養子縁組に。
彼は学を身につけ、初めは少し疑心暗鬼だったが両親が純粋に善性から大きな救済をしてる事をしっかりと理解した、親はそれだけに特化しているわけじゃ無い、袱紗は無償の愛を与えてくれたんだ。
そうして22歳に大学院に入って、親からの権力を継ぐなど、そこから数年様々なことを終えて、一般的には27歳後半なとこを23歳と言う若さで一応博士課程を終了させ博士号取得。
それからは速かった、肉体的な訓練や護衛雇い、傭兵団なども結成、裏社会には変な奴が来たと少しの間話題に。
そうして”悪人更生”を掲げた集団により裏社会を善人が闊歩したのだ、だがしかし。
「だけどそれなのに俺は欺瞞されたんだ、家族も友人もたった一度の嘘吐きのせいで失った、もういい、み〜んな地を這いつくばって死んじまえよ」
真贋相愛、血筋の親、育ての親、そのどちらも、友人、師匠とも呼べる恩師、自分の後を継ぐはずだった信頼の厚い男、付き合って長くなる恋人、人脈もすべてを理不尽に失った袱紗は闇に、悪に堕ちたのだった。
そうして誕生したのは、敵味方関係(老若女動物善人を省く)のねぇ、仲間をすべて失った、あらゆる信頼が一回の”裏切り行為”から完全に消え去っちまった”怪物”だよ、そっからぁ、そいつによる手加減一切無しの”皆殺し”だよそりゃ。
だがしかし彼は無自覚に選定しながら切り裂いて居た、主観的・客観的に見て悪人を、自分を騙したり大切なものを殺されたのに許すような奴の悪人の判断が甘いわけねぇ。
殺人や恐喝、ありとあらゆる罪の中で、誰かが苦しめられて皆んなが被害者に同情し加害者に殺意を向ける100対0で法律で裁き切れる正真正銘の極悪人しか無惨に殺さず。
やられる前にやる非正当防衛じゃなく一応理由付けもした後に調査(判断)、判決(結論)も主観的・客観的に見て正しいままに殺して居た。
「死ねよ」
ダークヒーローとして彼は生きた、やつは過去に本来は精算されない罪を犯した外道だけに限定してただただ静かに殺していた。
奴の殺意は計り知れねぇ、近づくだけで並の暗殺者なら範囲が広すぎてどこにさっきを放つものが居るか初めは察知出来ねぇ、本丸を察知したとしても濃すぎる殺気と言うなの見えない瘴気に当てられて蝕まれて恐怖でショック死しちまう。
始まりは善に満ちた信念の拳、やられた者の無念を背負うヒッティングマッスルはいつしか、永久に朽ちることのない無限の憎悪、守れない自分に対する虚無主義的なまでに徹底的に否定し尽くす極度の自己嫌悪、燃えたぎり続ける殺意に満たされていた。
「鬱に成る前に動け、成っても動け、俺なんかが鬱になってる暇は無いんだ死んだからなんだ動け、俺なんかに死んで休まる時間はないんだから」
やつは虚無にも帰るつもりはない、魂がもうそっち側のベクトルに変形している、やつは袱紗と言う名前すら既に捨てて、否、捨てる暇があると思うか?
「すべての命が尊いってのは何が決めてんだ?神か?仏か?なら説法してやろう、お前らが絶対的に間違えていると言うことを、俺は奴らと同じ尊くない魂なのだから」
「ガハ!?」
長い月日の中、悪を狩る、狩る、狩る、狩る、狩る。
「一人一人に人生がある、か、ならなんで俺にはその悪なる人生を滅ぼす悪なる人生を歩ませてはくれないんだ?同じレベルに堕ちる?蹴落とされたんだから上がるの間違いだろ?」
ボギャリ、首が360度回転させられる。
「ウギャリ!?」
袱紗はいつも心で呪いを唱えて居た。
「(誰もやらぬならば私がやるかしか無かろう”絶対悪”を!)」
こうして彼は彼は絶対平和への贄、絶対的必要悪となった、だがしかしいずれは終わりが来る、誇りもプライドも捨てて守りたいものの願いの為に戦って、平和主義者を掲げて、矛盾して、忙しくて、忙しくて。
「(もう悪役を演じるのは疲れたよ、僕もそっちへ向かうよ、お父さん、お母さん、僕の大事な人すべて、僕は地獄に堕ちるけど皆んなは天国で安らかな死を願うよ)」
そうして彼は絶命した、誰よりも他人思いで献身的な彼は、余りにもこの残酷過ぎる世界に対して優し過ぎたんだ。
「君は何も悪く無いじゃ無いか、、、どうして、こんな良い奴は死んで!悪い奴は快適に生きていやがるんだ!」
牙山に絶望の火種が伝染する、憎悪は落とされた、牙山は袱紗を救う為に医者を掻き集め治療するが失敗続き、そこである人物を思い出す。
「平和主義者を掲げる彼を想い頼まなかったが、僕の知り合いじゃあ君しか知らない、死者蘇生ってやつを、頼むよ、僕は彼に伝えなくちゃならないんだ、ジェイク、お前だけが頼りなんだ」
「では取引しましょう」
「取引?」
「えぇ、私達と貴方の傘下に居る武団、私に下さい」
「それよりもっと良い取引をしてやる、俺を自由に使える権利だ」
「素晴らしい!契約書は?」
「あとで用意する、急げ!治療しろ!」
「はい!喜んで!」
こうしてジェイクの特殊な医療技術により袱紗に一命が入れ込まれた、、、。
「牙山氏は本当に策士ですよ、あのジェイクを相手に切羽詰まった演技で契約書の小さな説明を見せずに、自身を1回だけ動かせる消費型の券にしてしまったんだから、もしかしたらジェイクはそれを読んでいるかもしれませんが牙山氏は更に上を行くでしょう」
袱紗は牙山に憧れを抱いて居た。




