EP37 剣道家
「ふしゅ〜、自分自身の型を見直せ、俺は動けているのか、剣の求道者、設楽を、、、集中ぅ〜」
彼は武団に拾われた子、名前は設楽、凛に武団を軽く説明した子だ。
「フン!」
スパァン!頼まれていた本数の木々を一撃で切り伏せる。
「こんな沢山の木、何に使うんだろ、約2万本の樹なんて」
「ありがとうね設楽くん、また今度も宜しく頼むよ」
報酬を受け取り設楽は道場に向かう、座禅を組み、集中、いつものルーチン、明鏡止水に達する為にいつも自身を磨いている、道場中央、ただ静かに、ガシャーン!
「道場破りじゃあ!」
「、、、はぁ、またか」
一度道場破りを倒してからちょくちょく別の門下の人間が門を叩くようになった。
「ふん!」
手加減する、木々を切り倒した時よりも更に弱く、遅く、軌道密度は余りにもスカスカ、スポンジのような攻撃だった。
しかし他者からすればそれは黄金程に満ち満ちに詰まった攻撃だった。
※軌道密度、時間密度から派生する時間の合間に起こした技、どんな軌道と動作かとその回数を基に導かれるもの、例えば秒間に十回の打撃を放った際に軌道変化したりなどで正拳四回やジャブ六回、合わせて十回叩き込んだなど抽象的だが一つに表すもの。
※ 時間密度とは、例えばの話だがもしも1秒間に60秒の動きが出来るならそれは基準の人間の60倍の密度が有ると言えるだろう。
、、、。
「す〜、、、しゅ」
その男は一刀流を突き詰める彼の師匠、レイディスから得た隻翼剣法を使う。
「はぁ!」
ジャキンジャキンジャキーン!その剣の道(剣閃)が重ならないように緻密に計算された数100回にも及ぶ一瞬に過ぎ去る剣の軌跡が光る。
師匠はこう言う。
「これは私が過去に両腕があった頃、二刀流の技だった、二刀流でも理論上は可能だが、実際には剣同士がぶつかって不可能、現実的には不可能、まさしく非現実的な離れ技だ、人には無理と言われていた、だからこそ俺は一刀流でこの技が出来るようにまで極めたんだ、これの技の名前を」
、、、。
「隻翼剣法・一ノ剣技・一ノ型・陌軌」
軌道密度にして秒間百回に至るほどに剣を振るう技である、だがしかし彼は満足しなかった、飽き果てるまで探求した末に、彼は師を超えていた、、、。
剣の修練の時、なるべくしなやかで強度に優れたものを揃えていた。
「ん〜やっぱ軟すぎるわ」
巻藁を竹刀で打った切ると言う技、それは余りにも卓越した剣技からか、将又。
「んあ!あぁあ、まただわ」
ペシーン!っと良い音を響かせながらも余りにもな握力から持ち手を握り潰し、卓越した剣の技術を持つが其れを支えるのは肉体、例え武器の扱いが”最高ノ其レ”だったとて扱うものの力量に耐え切れる器でなければ壊れるのも無理はない、普通の竹刀ではどれだけ卓越した武器の制御技術があったって、たかが極超音速にすら耐えられないのだから。
、、、。
高速移動による残像の抜け殻を周囲にいくつも残す程の速度で三千もの斬撃をほぼ同時の斬撃を左右上下斜、、、東西南北東南東北、、、と人間の回避可能な逃げ道の殆ど断ち切るように繋がるような切り返しを繰り広げ、レイピアの如し穿孔突進により背後に逃げた敵を突き刺すと言う、その剣技は。
「我流天性」
、、、。
師匠はその才を見抜いていた。
「え?だったら人間じゃなくなれば良い、現実を観ながらそれを逃避したら良い、そう言う話じゃないんですか?」
「あはは、口だけなら簡単だよ」
有言実行出来ることしか言わない、だからこそ恐ろしい。
「出来ますよ、そんくらい」
、、、。
「師匠は強かったなぁ〜」
剣を螺旋状に振り、正確かつ継続的な斬撃の連撃を命中させる、軌道が重なるほどの手数で自身の斬撃を切るほど、兎に角速く、振る、熟練した剣技だ、これにはフロー状態と没入状態が求められ、周囲のすべてが遅くなる。
「あ、きゃ」
「あれ!?気付いたらこんなぼろぼろ、手加減したつもりだったんだが」
技術使用に於いて套路の領域を過ぎた場所には、技撃がある、套路がダンスなら技撃はガチの殴り合いで相手を倒すための、具体的でえげつない技術である。
套路を読んだり、套路を増やして相手側からじゃあ自分より後に動いたはずが後の先の套路の軌道上に敵を据えて技を炸裂させたりと言ったのもまだまだ先の技撃に比べたら甘いものである。
そのような意中間套路のぶつかり合いをして行動を先読みする駆け引きを洗練して行って罠を敷いて策を展開して戦術を交えて初めて技撃の序章の序章に到達すると言える。
套路の領域が詰将棋、脳内で膨大なパターンの攻防をシュミレート、情報処理して徐々に攻撃する隙を見つけていく戦いとしたならば、技撃の領域は盤面を超えてゲーム自体がそもそも違くなる次元である。
「また病院送り!?」
「ちぃ田中を良くも!次は俺が!」
先輩が来た、だが今度は木刀も竹刀も使わない。
「何故使わん!」
「だって、使う程の域にも達して無いから!」
ドゴッバキィ!
「うぼ!うがッがは!」
外から見ている奴らは先輩が素手でボコされてるのを観戦して居た。
「言いたかねぇがすげぇや、繋げてやがる、アッパーから続け様に肘打ちと鉄槌で秒間に三発も」
「(あれ、魅せ技なのかな、みんな見えてないのか?軌道を四回ほど変更してから最適な角度に微調節して今のコンボで左右合計約数十発は当ててだはず)」
高い動体視力、スローで捉えられるものならば分かる、高速の見えない連撃、1秒の密度が違う。
先ほども話だが時間の密度とは例えばの話だが基本的な一般人A君が1秒間に行える行動が一回、武道家B君が1秒間に行える行動が十回、そうして基礎となる時間と比較してB君は十倍の時間密度がある、みたいな話だ。
「遅すぎるよ君、先輩ならでかい背中魅せてやれよ」
だがしかし設楽の拳速には観客すら気づけてはない、起動変更や角度微調整などそうだが、連撃の数だ、貫手(指先)→正拳(拳骨)→ カルジェビ(手の甲)→ 弧拳(手首)→アーバンシラットの前腕打撃(前腕)→肘鉄(肘)→ラリアット(上腕三頭筋)→タックル(肩)で背筋、肩甲骨と繋げた威力を増幅しながらする十連打撃を左右合計十回かましたのだ、つまり、100発である。
「あれは100打ち込んでますなぁ」
「あぁ、皆気づいてはいない、一つ一つが鮮明なのに」
「どうしてあんな短い間のことを長々と」
「人とは常に情報を食べてるのだ、うまいものを食べリポーターが長々と旨さをレポートするように、時間の密度の中には旨みがあるんだよ」
人間は従来考えられるレベルでは到底、音速から超音速までの速度域にすら到底敵わない、鉛玉が当たれば壊れるような肉袋である、それだから人は新たな道に舵を切る。
通常人間圏内ならば人によるが100m9秒をギリギリ切るレベルにある、これは鍛え上げた走力、走法、反応速度から成る。
ここから更に、身体に電気を流すことで反応速度を上げる鍛錬や早い生物や機械、例えばだがゴキブリや新幹線なんかを真似る、脊髄反射、反射神経にまでより速い速度を無意識にまで浸透することでより早くなり従来の思考より速くなり反応速度限界に達する。
次に気の鍛錬と予測、剣道の先の先のような技術を極めます、神経系レベル身体操作によりホルモン調整、呼吸方法などから血流を促進したり、脳の防衛本能、リミッターを外す先人で例を挙げるならば木村政彦氏のような鍛錬をして外せるようになどする。
勁道から身体操作の合理化・効率化、合気道で気の運用など、柔道から重心移動など武術から必要なものを得て基礎を固める、次に精神的な話、スポーツ心理学者や催眠療法士を含むチームと協力し、極限状態を脳に擬似的に作り出す精神トレーニングや死に瀕する経験からゾーンに入る練習をして体感時間を加速することで思考速度を速く、気をキャッチするのもよりレベルアップ、時間解像度・クロック周波数など次は空気の動き、熱など、聴覚、触覚など鍛えて予め周囲からくる気を伴わない(間接的な攻撃でもより気が掴めるものなら意志が掴めるぞ)を読めるように反響定位や感度を上げる鍛錬などする。
こうして人間はより速い速度域にも対応可能になる、銃弾やミサイルにすら反応するだろう、そうしてまだまだ次がある。
「はぁ〜鍛えても敵が人間や動物、低位の武器や兵器程度では俺が鍛えた意味が分からなくなるぜ」
「あ、あきゃ」
「あぁあ、また病院送りだぜ」
設楽は道場にて招いてないチャレンジャーを倒しながら、精神統一し、武団に顔を出し、日銭を稼ぎ、修行をしっと、そんな日々を送って居た。
「武団も人数増えましたね〜、牙山氏のお陰です、孤児院からも任意で募り志願者育成とか色々初めて、優秀な人材が山程育成されましたね摩无さん」
「あぁ、設楽、嬉しいことこの上無い」
そんな時、武団にとある部隊から誘いが掛かった。




