EP30 底辺から成り上がり5
牙山は鍛錬により肉弾には気が刻み込まれる、その染み込んだほんとに微量な気と肉体の筋、相手の解剖学的なイメージ図を想起すること、過去に回帰して相手の技を気付くようになり始めていた。
「技を使う前、套路すら見せてない状況で!?」
「シャラァァァ!!!」
更に反響定位なんかを駆使して合ってなくてもその技名やそれを発する際の声色なんかで気を遠隔でキャッチして技をコピーしたり、弟子の80%の完成度の師匠から教わった技を師匠の面影をイメージする純度100%でコピーしたりできる、だがしかし、実戦が心理戦と化すのもここである。
「!?」
「引っかかった」
気を隠蔽する、即ち相手に欺瞞して偽技をコピーさせて有利に場を展開も可能になる訳だ、牙山は早速だが掴み始めていた、過去読解コピーを、この推論のために五感による情報収集が必要だが普段から使えたらどれだけ強いかも理解した。
暴力団体との戦闘、連戦連勝連敗の経験の軌跡は牙山をとことん強くし続ける、神谷の教えもまた受ける。
「全てに価値をもたらし、意味を回し、愛を捧げ、自分が大切なものを守るために自分の相手から見た価値も知らずに売り渡すなんてのは相手を大切と想って居ないのと同じだ、まぁつまりゃあ、思いやるのに自分の大切にしてやるんだ、そうやって自意識過剰なくらいに思うことで、俺は仲間の為に強くなったんだ」
「し、師匠!(始めて格言?らしき言葉の意味がなんとなくわかる、いや理解った!)後師匠、肉体に後遺症ってありませんか?」
「え?あぁ火傷?」
「違います、そんな表面的な話じゃないです、時々お腹が痛くなりませんか?」
「っ、まさか早々にこの域に達したか、素晴らしい、筋肉の深部までも見透かし、内臓すら診えるか」
神谷は過去の戦闘にて、こんな負傷を記録していた。
「シャラァァァ!」
ジャキン!プシューーー!
「う、ぐぁ、おぇ、内臓が腹圧で、外に、うんぬぁ!」
そう言うと奴は内臓を無理やり掴んで体内に押し込めて、筋肉と筋肉で無理やり押し固めて、無理やり治療しやがったんだ、医学的にまず間違いなく間違いだし拒否反応や内臓の脆弱性を考えたならば普通に医学的に100%不可能な治療を、やったんだ。
自己修復能力がどれだけ高ければこんなバカな芸当が出来るんだ。
「あの時は、まじ痛かったし動けない中で走馬灯並みの思考速度でゆっくりと、また生存本能で動きながらなんとか生き残れたが、古傷が痛んだ時はいつも油物を食べ過ぎて胃もたれからの下痢ピーで汗だくでトイレんなかで激痛に悶えてながら無神論者だって神に救いを乞いたく成るような痛みに耐えてる時みたいだぜ」
「大変っすよね、まじ想像するだけで脂汗が出ます、腹痛い」
ってな感じ、牙山は対象が受けた肉体的疲労、攻撃を受けて耐久値の減った部分、後遺症などの弱点を見透かす解剖人体観察能力が対象の技術を模写する過程から副産物的に育まれつつあった。
嵐の前の静けさのようだった、余りにも暴力団員が少なくなった3日後、唐突に侵攻が始まる。
「ウギャァァァ!」
「喰らいやがれ!」
新国際派の雑兵と暴力団員、その戦力差は絶望的と言って差し支えない、だがしかし。
「おがぁぁぁ」
「ひぇ!?筋肉が溶解しているー!」
相手もまた時間制限があるようだ、ならばと指揮は神谷や豹爪、グラハムに任せて牙山はリーダーを奇襲しに向かう。
「はぁ!ここがぁ!弱点んんん!なんだろぉ!」
ドチュ!貫手が腹を貫き、腸を引き摺り出す。
「うが!?っ死ね!死ね!俺の腸を離せ!」
腸を出させないため密着しながら首を絞める。
「おら!(まずい、まずい、脈がとまり)心臓、逝くぇ、うっ」
「おぇ、ウガァァァ!!!アム!」
バク!ジャキ!バク!メリメリ!
「あ、あか」
「頭蓋骨、噛み砕いてやったぞ!腸離せ!、シャラァァァぺ!」
ドビュン!暴力団員の何人もの頭を貫く。
「あ、やばい、まじキツいかも、しれん、古傷を抉られた、だれか、医療班」
「神谷さぁぁぁん!」
「神谷く〜ん!私の神谷に何すんのよバカヤクザども!」
医療班が駆け付けて皆が神谷を病院に見送った、、、一方牙山は。
「なんだ?この記録は」
筋肉出力を向上する薬品の施策段階中に産まれた成功とも失敗とも呼べる《オキシジェンドO-001》、それはラットに一滴だけ与えたら、ラットは強化硝子を触れた程度の衝撃で粉々にし、生物学実験室に居たライオンやゴリラ、クマを肉塊に変えた、だがその約45秒間を終えてラットは爆発するように死んだ。
骨・内臓を筋肉が圧迫することで、薬を服用して薬効が発動、時間経過から約1分弱で筋肉収集に押し潰されて目や鼻や口から大量に血液や内臓や骨の混ざり合ったものが体外に押し出されて息絶えるが、それだけ筋肉を強くしてくれると言うこと。
死刑囚を使った実験を行ったところ、人間は58秒、つまりは1分弱程、拘束具や鋼鉄製の椅子、分厚いドアをグシャグシャに丸めてぶん投げて8m程度の距離が有る超高強度コンクリート製の廊下を鋼鉄玉を投げた風圧だけで全壊、だが投球した直後、部屋を真っ赤に染めた。
「なんなんだこれ、、、」
「やぁ、君は最近福山市内で噂の牙山君だね」
「お前は、暴力団のリーダー!」
「今は君を大切に育ててくれた人が危機に晒されているよ、良いのかい?」
「ッッッテメェェェ!、、、いや、神谷さん、豹爪さん、グラハムさん、父さん、皆んな信じてる、誰もお間なんかの兵隊に負けるかよ」
「随分な自信ですね、ならこんなのは?」
ビーガチャ、テレビが上から現れた、そこに映し出された映像は、戦場だった。
「神谷、、、さん」
「腸が超引き摺り出されてますね、あれは死にましたね」
ピーン、チャンネルが切り替わる。
「牙山様、どうか勝利を」
「グラ、、、ハム」
「アイツも今から集団にやられるね」
ピーン。
「おい、俺らを信じろ牙山、必ず、かつうぐ!?」
「豹爪!!!」
「あぁあ、心臓を一突きされてますね、死にましたね」
「もういい、辞めてくれ!」
「いやです」
そう言ってまたチャンネルをリモコンで変えた、ピーン。
「我が愛弟子よ、私は、私は」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
、、、。




