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3人目の聖女

来ていただいてありがとうございます。



「どうやったの?彼ラスボスなのよ?このゲームの。闇落ちしてないなんてすごいんだけど!」




私とクリスが崖から落ちた後、私達はトールさんや精霊の隠れ里の人達に助け出してもらった。そして私は用を済ませて帰って来たアルスター座長にすっごく叱られた。うう、みんなに迷惑かけちゃってすっごく反省した。


その夜、「お話があります」って私の部屋にフローラさんが訪ねてきた。今、何故かベッドの上で向かい合って座ってる。そして、精霊の隠れ里のお姫様がいきなり切り出したのがこれ。



「ゲーム?何の事?」

「え?あなたって日本人でしょ?あまね」

「…………はい?」

「私も元日本人よ。っていうか前世で日本人!」

今のはい、は肯定じゃないんだけど、そんなことはどうでもいいっ。

「そ、そうなのっ?!」

「もうっ!あなた達が来た時はびっくりしちゃったわ。トール様と一緒にクリストフェルがいるし、あなたはどう見ても日本人っぽいし。あ、トール様って私の推しなのよね。クリスフェルを救おうとして頑張るのが健気でいいんだよねぇ!」


精霊の里のお姫様は何とか地を出さないように楚々と振舞ってたらしい。そしてクリスのそばを離れなかったのはトールさんのそばにいたかったからなんだって。私って……。勝手にやきもち妬いて恥ずかしい……。


彼女はそれから私が驚くような事実を語った。


この世界がゲーム「精霊の歌」の世界であること。そして今はその続編「精霊の歌 三人の聖女」の時代であること。このゲームのはラスボスはクリストフェルであること。本来なら、彼は幼少期に闇落ちしてるはずなこと。次の魔の船化はもうすぐ起こること。その時は邪気の森からも魔物があふれ出て大変なことになること。クォーツ王国は霊場で周囲の国から霊が集まりやすいこと。邪気は伝染すること。(これは知ってる!)人間も邪霊に触れられると、死んでしまったり、邪霊になってしまうこと。そして、邪霊が集まると魔物になってしまうこと。



「私ゲームってあんまりやらなかったから……」

「本当にこのゲーム知らないの?ねえ、どうやってクリストフェルを攻略したの?」

身を乗り出して聞いて来るフローラさん。

「何も……。だってそんなの知らなかったし」

「知らないでクリストフェルがあんななの?凄すぎぃ!」

なんかこの人キャラ変わりすぎじゃない?せっかくの神秘的な印象が台無し……。


いやいや、そんなことよりもっと重要なことが!

「ねえ!クリスがラスボスって本当なの?」

「うん。クリストフェルは小さい頃から差別されてて、人間不信で、邪霊に触れて生きながら魔物になっちゃうはずなの」

「そんな……」

「次の魔の船化の時に魔物を引き連れてクォーツ王国を滅ぼしに来る設定だったよ」

設定って……。

「クリスが……」

「でも、大丈夫じゃない?どう見ても彼あまねにメロメロだから。私といる時もあまねのことばっかり話してたわよ?」

「な、な、何言って…………」

「攻略済ってことよね?」

「だから、してないっ!そんなこと!」

「まあ、確かに彼って、攻略対象者じゃないのよね。不思議……。シナリオどうなってるの?」

不思議って、こっちは驚きの連続だよ……。ゲームの世界ってなんなの?


「はじまりの聖女の予言からスタートするの。続編は」

「はじまりの聖女?」

「うん。最初のゲームのシナリオは十年前にクリアされてるから、そのときの主人公。いまクオーツ王国のお城にいる聖女様のこと」

「え?茉莉花が最初のゲーム内容をクリアしてるの?」

「まりか?そういう名前なの?死者の船の魔の船化が予想より早く大規模に起こってそれを攻略対象者達と防いでクオーツ王国を守るって内容よ」

「じゃあ茉莉花がはじまりの聖女ってことか……。茉莉花は続編の事も知ってるのかな?」

「それはわからないわ。二人は知り合いだったんだね。友達?」

「うん、まあたぶん。一応。まだ会ったことないから確定ではないけどね」

それにちょっと殺されかけたけど。やっぱり、一度会って話してみないといけないかもしれない。


「続編では始まりの聖女と私、精霊の隠れ里の姫と主人公が三人で歌を歌って邪霊を浄化するんだよ!頑張ろうね!」

フローラさんは瞳をキラキラさせて私を見てる。ん?

「ちょっと待って。何それ?どういうこと?」

「だからぁ、あまねが今作の主人公でしょ?転移者だし。まあ、本当はガーネット王国の転生者っていう設定なんだけど」

じれったいというようにフローラさんは口を尖らせる。

「ち、違うんじゃないかな?私は十年前にここへ来て、最近目覚めたばかりだし。設定とは違うみたいだし。そもそも、ゲームの事なんて知らないし……」

「うーん、それにしては攻略対象者と関わりすぎてない?アルスターとか……」

「え?あの人もそうなの?!」

「…………」

「…………」



…………………………………………






それから、私とフローラはほぼ一晩中話をしてた。時々脱線する話を必死に戻して結論付けたのは、ゲームはともかくとして、近いうちにこの世界に大変なことが起こるから何とかしなきゃいけないってこと。どうしたらいいんだろう……。それにしても眠い……。



いつの間にか眠ってしまってて、目が覚めるともう昼近くになってた。部屋にはフローラはもういなかった。






ここまでお読みいただいてありがとうございます。

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