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33. 魔法陣


俺たちは階段を上がって、目に付いた本を手に取る。


タイトルには、魔術文字で『世界』と書かれている。


本を開けると、世界各地のことが書かれている本だった。

ページをずらーっとめくっていくと、アルゲニルのことも載っている。


奴隷制度を初めて設けた国。

奴隷大国。

現在は奴隷が国へ立ち入ることを禁じられている。


「うわぁ」


奴隷大国。なんて最悪な二つ名なんだ。

しかも奴隷制度を作った国が奴隷の立ち入りを禁止するってどう考えてもおかしいよな。

奴隷は俺以外にも、たくさんいた訳だから、その人達も国を追放されたことになる。


――ずっと思っていたが、何故奴隷を国から追放したのだろうか?


そこそこの理由があるはずだ。

今度調べてみることにしよう。



本を閉じ、お目当ての本を探すため、歩き始めるが、気になった本を取ってしまう。


魔術の定義。


これは面白そうだ。

魔術の定義が知ることが出来れば、魔法を思いどうりにコントロールできるようになる可能性がある。


……いや、今はダメだ。

早く目当ての本を探そう。


俺が本を戻してキョロキョロしていると、

ユキが首を傾げてじっと見つめてきた。


「何を探してるの?」

「魔法陣の本を探しているんだ、この前のアルゲニルとの戦いで使っている奴がいたからさ」

「あークロエと戦ったあの男ね!」


やはりしっかり見ていたようだ。


「じゃあ『魔法陣の本』って大きな声で言ってみ」

「え、なんで?」

「いいからいいから」


何を意図しているか分からないが、言われた通りやってみることにした


「魔法陣の本!」


すると図書室の部屋の作りが変わり始める。

何となくだが、さっきより少々オシャレじゃないか。


前に棚が配置されて、その棚を見てみる魔法陣の本があった。


「え、すごい。なんで知ってるんだ?」


過去にこの図書館に来たことでもあるのだろうか?

ユキは空を飛んで、俺と同じ目線になった。


「さっき他の人がやってたのを見たからね」

「あぁ、そういう事。納得だ」


俺はユキの頭をポンポンしてみる。

少ししっぽが動き始めた。


「え、急にどうしたの?」

「ペットにご褒美を与えるのが主人の仕事だからな」

「僕はレンのペットじゃない」


斜め下を見て耳を垂らすユキ。

なんだ、猫らしいところもあるじゃないか。

いや忘れいた。コイツ動物でも魔物でもなかったんだっけ。


というか俺のペットになることの何が不満なのだろう。

自分より弱いやつを主人にしたくないとかそんな感じだろうか。

俺みたいな優しくてイケメン(自称)なご主人様とかなかなかいないぞ?


俺は本に目を向ける。


「魔法陣の教本か……」


本を開けると、手書きの魔法陣とその説明が書かれていた。

だが、いっつも人間が使っている言語では無かった。


「読めない……これ何語だよ」


《真実の目》で言語の解読を試みるが、どうやら出来なそうだ。


「見た感じエルフの言語のようだね。勉強しないと読めないかなぁ」

「ユキも読めないのか?」

「ぶぶー!僕が読めるのは君と同じく人間の言語と魔法文字だけ〜 」

「まぁそうだよな。ひとつの言語さえ理解していれば何とか生きてはいけるし」


そこで閃いた。


「そうだ!ユキが俺に魔法陣のことを教えてくれよ」

「残念ながら僕も魔法陣は使えないんだ」

「そんなぁ!!」


思わず大きな声を出してしまい。先輩達と、私服着た人達が俺の事を見てくる。

私服を着ているのはこの学校の卒業生だと、この前先生が言っていた。


「あ、え、えぇと……」


やっちまった。ごめんなさい。


心の中で謝っておいた。

すると下で卒業生が1階でザワつき始めた。


「あ、あれレン様じゃない?」

「すげぇ、本物だ」

「こんなに近くで見られるなんて……嬉しい!」


何メートルも離れてるけどな?

卒業生にも俺の名前知られてるのかよ……。


先輩たちもキャーキャー騒いでいる。これじゃあゆっくり本が読めねぇじゃないか。


「ハハ、有名人だね!」

「別になりたくなかったよ」

「この本を読みたいなら、とりあえずエルフの言語を学ばないとね」

「そうだね。『エルフ語の教科書』」


すると、またもや内装が動き出し、

今度は自分が立っている所すらも動き出した。


「これか……さて、とっととココ達と合流しよう」

「僕もついて行くー!」


走って、図書館、学校を出て、

ノベラ平原へ向かった。



「あいつら……何してるんだ?」


綺麗に割れて段差がある平原の向こうで、

クロエは少々デカい魔物から逃げ。


「うわぁぁぁぁ、助けて!助けてルナぁぁぁ!」



ルナは魔物を倒して決めポーズの練習をし。


「クロエー、ちょっと待ってろ!もうすぐでいい案が浮かびそうなんだ」

「はやく、早くして!じゃないと私死んじゃうよぉ、ココも私の事助けてよ!!」


そしてココはスライムに抱きついて撫でていた。


「かわいい〜」


まったく、スライムが羨ましいぜ。

てかココ、前までスライムをザクザク斬ってたよな?な?


世界一の学校の生徒だとは思えない醜態だった。

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