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34. 経験値が多い魔物


ユキ肩でピンクのヒラヒラを出したかと思えば、突然姿を消した。


「助けてぇぇぇ!」


しょうがないクロエを助けてやるか。


「『ヒュアラ』」


地面から鋭い氷が生えてきて、魔物に突き刺さる。


「れ、レン!よかったぁ、死ぬかと思ったよ」

「まったく、お前は何してるんだ」


レベル上げをすると聞いていたんだけどな。


「レン様ー!」

「遅かったぞ」


他2人も俺に駆けつけてきた。

ココがいつものように俺に抱きついて来ると思いきや、暗い顔をして途中でやめた。


俺の体臭がキツかったのだろうか。

……いや考えすぎか。


「レベル上げをするんじゃなかったのか?」

「レンが来てからレベル上げをしようと思っていたんだけど、途中で魔物に襲われちゃった」

「じゃあ早速、レベル上げしましょう」

「てかそもそも、この平原でレベルが上がるのか?」


すると、ルナが俺に接近して背伸びし、説明し始める。


「噂では、ここの平原はレアモンスターのパリスタルが出現しやすいらしいんだ」


その噂が本当かどうかは置いておいて。


パリスタルというのは、

突然変異で紫色の水晶が体についた、経験値が上がりやすい魔物のことだ。


「おお、まじで?!」

「うん、まじらしいよ。まぁその代わりここら辺の魔物は結構強いけど……」


左上に写っている、自分のレベルを見つめる。


【レベル:162】


しばらくレベルが上がらなくて困っていたのだ。

この期に上がるだろうか?


「レン様、頑張りましょうね」


そう言って苦笑いをするココを見て思った。

やっぱり俺臭いんじゃね?




と言ってもパリスタルの出現率はかなり低く。

しばらく狩り続けてもパリスタルが出現することは無かった。


「もぅ、いつになったらパリスタルが出現するの!」

「かれこれ一時間はたってますよね」


みんなのHPがかなり削られているな、

やっぱりここ周辺の魔物が強いからだろう。


「みんな集まれ。《ラージ・ヒール》」


Bランク魔術の範囲回復魔法だ。


「ありがとうございますレン様」


ココの笑顔を見て、帰ったら体をいつもよりしっかり洗おうと決心した。


「しょうがないな、そろそろ帰るか」


噂を嘘と断定するには不十分だが、もう夕方になるので帰ることにした。


その時だった。


「あ、い、いたぃ」


ココがコケたと思ったら、その下からニョキっと何かが生えているのに気づいた。


「なんか生えてるぞ?」

「な、なんかニュルニュル動いてます」

「抜いてみるか」


それを俺が引っ張ると、なんと頭に触手を生やした気持ち悪いパリスタルの魔物が出てきた。


「「「「うわぁぁぁぁぁ!!」」」」


全員驚いて、走って距離を取る。


「い、今の魔物がパリスタルですよね?!私もう見たくもないです」

「私も、あんな気持ち悪い魔物を倒すなんて無理」

「み、みんな怖気付くなよ!私たちだったら殺れる」


と言った瞬間に、同じ種類のパリスタルじゃない魔物が、地面からニョキっと出てきた。


「うわぁ!やだ、やだよ!!」


ルナは叫ぶ。

1番怖がってるのお前じゃないか。



だが確かに見た目は控えめに言って気持ち悪く、

この魔物は、みんなにトラウマを与えた。


「み、みんな、倒すよ!」


クロエがとうとう壊れた。


「ほ、本気ですか?!」

「クロエ!考え直そう、な?」


勘弁してくれ、あんな魔物にもう一度近づくなんて無理だ。

見た目が気持ち悪すぎる。


「レベルアップのためにはやるしかないよ、こんなチャンス、なかなかないんだよ?」


――クロエが言っていることは最もだ。


「……そ、そうだよな」


覚悟を決めた。

俺は杖を魔物に向ける。


「《ディファイ》!」


チューン、という音と共に空気中の魔力が魔物に集まり、爆発をする。


――俺の攻撃が全く聞いていないだと?


【HP:2900/2910】


「あの爆発でも倒れないんですか?!」

「やっぱり他の魔物とは訳が違うって言うことか」


さらに言うと、他のパリスタルとも違うな、

こいつは体全体が水晶のようだ。


「行くよ、ハッ!」


クロエ距離をつめ、魔物に向かって思いっきり剣を振るが、


「え、嘘でしょ」


魔物が身にまとっている水晶が輝いて、吹き飛ばされてしまった。


《真実の目》で、詳しい魔物の情報を確認してみる。



『情報:魔物ブリゴーラの魔力による突然変異。

経験値がかなり高いが、倒すのは非常に困難である。

その理由として、全身に水晶をまとっているため、弱点が存在しないことが上げられる。

剣では、攻撃を弾かれてしまう』



弱点が存在しないだと。

この魔物めちゃんこ強くね?


「みんな、魔法で攻撃をするんだ!あいつは武器を攻撃を弾く」

「はい、レン様」

「りょーかいだ!」

「わかった」


ココ以外のみんなは杖を魔法で取り出す。


あ、やばい。

ココに杖を買ってやるのを忘れていた。


「ココから行きます!《ツンビラー》」


Bランク魔術だ。



周囲360°から魔力の針が飛んでくる。

え、てか今みんなの前で一人称ココって言ったけどいいの?

数ヶ月前から人前でココっていうのは恥ずかしいって言ってたけど。


「「ココって、一人称ココだったの?!」」

「あ、あぁ違います!」

「いつもそうやってレンに甘えてるんだー、可愛いなぁココちゃん」

「うぅ……」


言われてしまった。



「私も行くぞー!《ファイアグランデ》」


またもやBランク魔術だ。


中くらいのマグマのように真っ赤な火の玉を、連発する。

MPが切れないか心配だ。


それ以外にも、ココとルナはどんどん色んな魔法を使っていく。



【HP:2703/2910】


順調だ。このままいけば倒せるかもしれない。

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