26. お前、何者だ?
『数分前、ココ視点』
レン様が部屋から出ていったあと、ベットの上でココは心の中で自分を責めていた。
「バカバカバカバカ!ココのばかぁ!!」
い、いくらなんでもやりすぎちゃった。
自分でもまさか……む、胸をレン様に押し付けるだなんて思ってもいなかったし。
気持ち悪いって思われたかな?
ぜ、絶対嫌われたよね。
ココは恥ずかしくなって、枕を抱いてコロコロ転がる。
「あーどうしよう!!」
で、でも男の子ってやっぱそういうの好きって聞いたし、
それはレン様もきっと同じ。
「やっぱ……もっと大きい方が好みなのかな?」
人を好きになるのは初めてだから、どうやってこの思いを伝えればいいのか分からないよ。
レン様ってココの気持ち気づいてくれてるのかな?
「う、うぅぅ……少しだけ」
ココはレン様の布団に顔をつける。
この気持ちはどうすればいいの?
今にでも溢れそうだ。
レン様、レン様、レン様……。
もう我慢できない。
すると、急にノックの音が耳に入り、
体をビクンと震わせてしまった。
「は、はい!今出ますよ」
レン様では無いようだけど。誰だろう?
ガチャりと扉をあけた。
「こ、こんばんは」
そこに立っていたのは赤面しているルナだった。
しかも、いつもと服装が違う。
「こんばんはです。どうしたんですか?ルナさん」
「えっと……レンいるか?」
レン様に、何の用なのかな、
しかもこんな遅い時間に来るなんて。
「レン様は今さっき部屋を出ていかれましたよ」
「あ、そうなんだ。どこにいるか知っているか?」
「いえ、急に出ていかれたので知りません」
「わかった、ありがとうココ!」
すると、歩いてレン様を探しに行ってしまった。
深夜に赤面してあんな服を着るなんて、おかしい。
ルナさん、大丈夫かな?
心配したココは、気づかれないようにつけてみることにした。
そして数分後――
「好きです」
ルナさんは、レン様に告白をしていた。
胸がとても苦しくなったってココはその場から逃げ出した。
思わず涙が出てしまう。
「周りくどい言い方をせずに、ココも思いを伝えればよかった」
部屋に戻り、布団にもぐる。
本当にココはバカだ。
ココはこれからどうすればいいの?
わからないよ……。
レン様とルナさんは、お付き合いをしたのかな。
「……振り向かせて見せます」
お付き合いをしたのかもしれないし、してないかもしれない。でも関係ない。
好きな人に、アタックして何か悪い?
好きな人に、好きになってもらいたいと思って何か悪い?
ココはレン様のものになりたい。そのためだったら、何でもする。
「レン様が悪いですよ」
ココがどうにかなっちゃうまで、好きにさせたレン様が悪いんです。
「ばかぁ……」
レン様のことを思うだけで心臓が爆発しちゃいそう。
『レン視点』
「それで、なんでお前は俺の前に現れたんだ?」
猫を少し睨みつけた。
こいつが現れたってことは、おそらく俺に伝えたいことがあるからだろう。
「……明日この国の城に、君が呼ばれる」
猫は腕を組みながら、話始めた。
「その時に、君の前で王女は暗殺されるんだ」
おいおい、なんか急に物騒な話になったぞ。
俺の目の前で王女が暗殺されるだって?
冗談もほどほどにしてほしいものだ。
「明日になればわかるけど、冗談じゃないよ」
コイツまた心を読んできやがった。
次読んだら、話し相手してあげねぇぞ、
と、心の中で言ってやった。
「助言してあげる。そいつを君が倒すんだ」
「俺が? 何故だ」
「わからないのかい? 君がこの国の女王と、親密な関係になることができるからだよ」
俺が女王と仲良くなれたところで、
この猫に何か利益があるのだろうか?
――――いや、無い
「……そもそも何故お前が明日起きることを知っているんだ」
「さぁね~」
スキルかなんかだろうか?
まさかコイツ、勘とか言わないよな。
「僕のことを知りたいのかい?」
「まぁ、否定はできないな」
コイツがなんのために俺にストーカーしているのか、
何故俺に助言をしてくるのか。
非常に気になってはいる。
「なら、僕と一緒に行動しないか?」
「は? お前と?」
猫は笑顔を見せた。
確かに共に行動をすれば、この猫のことを知ることができるだろう。
だが、俺はこいつを信用していない。
「ならば明日、お前を見極めることにする」
「どうやって?」
「お前が言ったことが本当に起これば、お前を俺が飼ってやる」
「か、飼う?」
初めて俺に困り顔を見せた。
「上から目線だなぁ、僕と一緒にいてメリットがあるのは、君なんだよ?」
「あ、うん、まぁそうだな。すまん猫」
すると小さい足で歩きながら、俺に言う。
「僕は猫じゃないよ。あとできれば、僕のことは猫って呼ばないでほしいな」
言われてみれば確かに、猫ではない。
今までに見たことがない生物だ。
「じゃあ、お前の名前は何なんだ?」
「君が考えてくれよ」
コイツ、名前がないのか?
「しょうがない、お前を飼った時でも考えてやるよ」
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