25. 告白
「どうしたんだ、怖いことでもあったか?」
「……レン様はココに興味ありますか?」
何を話すのかと思えば、そんな変なことを聞いてくる。
急にどうしたんだ?
俺はココの方向を向く。
「そりゃいつも一緒にいる訳だし、興味無いわけなだろ」
誰だってそうだと思う。
身近にいる人が、どういう人なのか興味が出るものだ。
「いや、そういう事じゃなくてですね」
わざとだろうか、
唐突に俺に胸を押し付けてきた。
ちょ、何やってんの?!
「女の子として……ココに興味ありますか?」
俺は動揺し、頭の中で思考が高速で巡る。
興味って、つまりそういう事だよな。
なぜ俺にそんなことを聞くのだろうか、ここまで積極的なココは、初めて見た。
「え、えっと……ココ?」
すると正気に戻ったのか、急に顔を真っ赤に染めて俺から少し離れた。
「あわわ、すいません!恥ずかしいことしちゃいました……」
おう、柔らかかった……じゃなくて、本当にけしからん。
心の底から心配だ。なにか辛いことでもあったのだろうか、それとも……。
「性欲が溜まっているのか?」
「ば、ばかぁ!もういいです忘れてください!」
涙目だ。過去一で恥ずかしがっている。
てか忘れられるもんか。
「す、すまない」
「……これだけ教えてください。ココのことを……どう思っていますか?」
また同じような質問がされるのかと思いきや、意外と難しい質問をされた。
俺がココをどう思っているか……。
「ごめん、分からない」
「分からない?……ですか?」
「あぁ、お前に対するこの気持ちが、なんなのか、分からないんだ」
とても言葉に表せすことが出来ない。
切ない……というのが一番近いだろうか?
こういう感情をなんて言うのか、分からない。
「もし、この気持ちがなんなのか分かったら、その時にココに言うよ」
「分かりました……」
「ほら、そろそろ眠れ」
ココにしがみつかれていたが、今度は俺が優しく頭を撫でてやった。
落ち着いて眠れるかと思ったからだ。
しばらく経って、部屋を後にした。
「俺は、ココのことをどう思っているんだ」
宿舎の窓越しに、俺は考える。
だがいくら考えても、答えは出なかった。
「やぁ、困っているようだね」
急にとある生き物が視界に入り込んできた。
そう、奴だ。俺にストーカーをしている猫。
「うわっ!お、お前!」
「久しぶりだね」
「いや、急に現れないでくれる?びっくりするから!」
相変わらずミステリアスな猫だ。
「復讐完了おめでとう! アルゲニルの評判は、ほかの国でも下がってるよ。あまりにも無様に負けたからねー」
「おおよかった、他の国のことを知っているということは常に俺をストーカーしてるわけじゃなかったんだな。っていうか俺の復讐は終わっちゃいねぇよ」
最終的には国自体に復讐するつもりだ。
……ってかそもそも何でこいつ俺のストーカーなんてしてるんだ?
「君に興味があるからだよ」
いや、なに俺の心まで読んでるの?
なんとなく自由を奪われている気分だ。
それにしても……興味か。
「なぁ、さっきの俺とココの会話。聞いてたか?」
「ごめんだけど、君たちのプライベートの話をするつもりは無いかな」
ぷいっと、そっぽ向いてしまう。
プライベートのことを見ているのに?
なんだこいつ……。
「じゃあ質問を変える。お前はなんで俺に興味を持っているんだ」
すると無表情で、まるで当たり前のような具合で、俺に告げる。
「君のことが好きだからだよ」
いや俺はお前のこと好きじゃないぞ。
「酷いなぁー」
「いやだから俺の心を読むんじゃねぇよ!!」
心を読まれると生きている心地がしない。
「なら、僕の悪口言わないって約束して」
「ごめん無理」
俺は笑顔で言葉を返した。
「じゃあ心これからも読んじゃおっかなー」
「いや頼むからマジでやめてくれ」
くそ、俺にコイツ以上の力があれば、何かやり返すことが出来るのだが、
生憎そんな力は持ち合わせていない。
こいつは真実の目でもステータスを確認できないが、
取り合えず強いことは分かる。
「てかさ、お前はなんで俺のこと好きなんだ?」
この猫が俺のことを知っていても、
俺はこの猫のことを一切知らない。
「ま、いつかわかるよ」
「別に今教えてもいいじゃないか」
「やーだ」
「なんでだ?」
「乙女心ってやつかな〜」
はいはいそうですか。
そういった会話を繰り広げていると、
いきなり猫が真剣な顔をしだした。
「レン。ちょっと隠れさせて」
と言うと猫の体が小さくなり、俺のポケットの中に急いで入った。
「ど、どうしたんだ」
「僕がいることは黙っておいて!」
「え、ちょ、ちょっと」
しょうがない、別にこの猫に恨みがある訳ではないので、言う通りにしてやろう。
「あ、レン……探したぞ。部屋に行ったらココにいないって言われたから」
俺の前に現れたのは、ルナだった。
あれ、なんかいつもより大人っぽい服来てるな。
まだ13歳なのに。
「あ、そうなんだ。悪い悪い、それで何の用だ?」
すると、顔を赤らめて、モジモジし始めた。
「……好き……」
え?――――
「今なんて言った……?」
「だ、だから……レンのことが……好きなのだ……」
ま、間違っていたら恥ずかしいので、一応確認を取っておこう。
「それはどういう意味で?」
「恋愛感情……です」
……初めて俺は女子から告白をされた。
今にでも飛び跳ねたいが、ここは慎重に言った方がいい。
「えーっと……ルナ、少し考えさせてくれ」
「その……返事待ってるからな!」
そう告げて、走ってどこかに行ってしまった。
「レンく〜ん、どうするつもりなのー?」
「くんづけで呼ぶな。ルナがどういうやつか、しばらく見てみることにするよ」
「うんうん、それがいいかもね!」
ニヤニヤしながら俺の事を見てくる。
こっちを見るな。
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