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22. レンvs


 敵の杖が折れた今がチャンスだ。

 杖が折れると、魔力がかなり低くなるため、

 魔法使いにとっては致命傷同然だからだ。


「僕の杖を折りやがってぇぇ、ふざけんなぁぁぁぁ!」


 この通りだ。


「いけークロエ! そんなやつやっつけちゃえ!」


 ココが遂に敬語を外した。

 俺としゃべる時も敬語を外してくれると嬉しいのだが。


 俺も大魔法学園の生徒のみんなも、立ち上がりクロエを応援する。


「クロエちゃーん! そいつを倒しちゃって!」

「やっちゃえクロエー!」


 クロエを応援してくれる皆を見て、

 俺はとてもうれしかった。


 昔からこの世界にはクズしかいないと思っていた。

 でもココと出会って……みんなと出会って、

 いい奴もいるんだって。


 世界はこんなに明るいんだって知った。


「おりゃあああああああ!」


 クロエはみんなの期待に応え、

 最後の力を振り絞って剣を振る。


 その後、危ないところもあったが、

 圧倒的にクロエが押して行った。


【HP:136/473】


 ぽっちゃり男のHPはもう多くなくなった。


「さぁ、これでとどめ!」


 ぽっちゃり倒れこみ、クロエを睨みつける。


「ぐうぅぅぅ、巨乳めぇぇぇ」


 次のクロエの攻撃がこいつに当たれば、

 戦闘不能でクロエの勝ちだろう。

 するとぽっちゃり男がフィールドを見渡す。

 どうしたのかと思ったら、急に変顔をした。


「デゥフっ!」


 ドカ―――――ン。


 爆発をした。

 そういえば思い出した。

 試合が始まった直後、ぽっちゃり男は《ソウルファイア》というスキルを使っていた。

すっかり忘れていたな。

触れさせずに、爆発……か。

そんなことも出来るんだな。



「両者戦闘不能のため、ドローとします」


 だが、観客はさらに盛り上がる。

 クロエ、お前はよくやったぞ。

 保健室へ運ばれるクロエを見て、そう心で呟いた。


「次はレン様ですね、すごく楽しみです。勝ったら後で一時間ぐらいギューってしましょうね!」

「一時間は流石にきついかなぁ」


 思わず苦笑いをしてしまうが、

 ココが相手だから、喜んでしよう。

 後でその可愛い猫耳触らせてにゃんっ。


「それでは、最後のバトルです。生徒はフィールドへ上がってください」


 今までにないほど、会場が盛り上がり始める。

 フィールドに上がりながら、敵が誰かを確認する。

 フィールドに立っていたのは、一番いじめていた奴だった――――


 イケメン女たらし野郎だ。



 そういや、俺がアルゲニルを追放された日にも、

 俺にさんざん暴力を振いやがったな。

 どうやら女たらしは俺がフィールドに上がったのを見て、死ぬほど驚いている様子だ。


 そりゃあそうだろうな。

 自分がいじめてた奴が、

 世界一位の学校に入学しているんだからな。


 いっやぁ、ニヤケが止まらないぜ。 


「おぉぉぉ、お前らぁぁレン様だぞぉぉぉ!」

「キャー! レン様ーー! カッコいい!」

「我らがレン様、いい試合見せてくれよー!」

「レン様ー私たちに手を振ってくださいーーー!」


 何故先輩たちにレン様レン様言われなきゃいけないのか全くもって理解できないが、

 とりあえず、手は振ってやるとしよう。 


「あの子、魔族倒したらしいよ」

「え、マジ? あの年で?」

「しかも、無傷だったらしいよ」

「数千万年に一度ぐらいの逸材じゃない!」

「バトルが楽しみだな」


 会場に来ている生徒の保護者や、

 その他の観客が俺の噂をし始める。

 ちなみに俺への歓声は止むことは無かった。


 そろそろ静かにしてもらえないだろうか?


 俺は、女たらしの前に立ちはだかる。


「よぉ、久しぶりだなぁ女たらし」

「な、なんでお前がここに……!」


どうやら、驚きというより怯えの方が強いようだ。

アルゲニルの生徒たちも、俺がここに居ることについて、驚きが隠せないっぽいな。

ザワついている。


「ハッハッハ、どうだ?自分がいじめていた奴が、世界一位の学校にいる気持ちは?」


世界一位の学校に俺がいるのが憎いのか、滅茶苦茶歯を食いしばっている。

グハハハハハハ、面白い。


すると、女たらし汗をかきながら無理にニヤリと笑った。


「前みたいに、この場でお前をいじめてやるよ」


おいおいこいつ馬鹿か?

周りの反応を見て俺が少しは強くなったことぐらいわかるだろ。

そんな事も分からないのだろうか?


「ふっ、楽しみにしてるよ」


笑みがこぼれる。

俺を楽しませてくれよ?

女たらし。


「それでは、戦闘を開始してください」


彼は剣を2つ出した。

二刀流であり、魔法使いか。

俺の方へ一気に距離を詰めて、殺す勢いで剣を振ってくる。


「《バックプリゼクト》」


だが俺の魔法によって、吹き飛ばされてしまう。


「クソが!《メテオ》!」


彼の手の上に火の玉が出来るが、メテオにしては小さい。


「おらぁぁぁ!死ねぇぇぇぇ!」


そんな怖いこと言ってると、お前の大好きな女達に引かれちゃうよ。

実際引いてる見たいだし。

俺の方にメテオが飛んでくるが、何も問題はない。


「《シェス》」


そのメテオを消し去った。


「な、なんだその魔法!」

「《メテオ》」


俺の手に、女たらしのメテオより巨大なやつを出してみた。

これでこいつでも、魔力の違いに気づくだろう。

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