21. クロエvs
ココは、向かってきた炎を受けたらまずいのにも関わらず、余裕の表情をしている。
「《スワップ》」
そうココが唱えた瞬間。
ウォン、
という効果音と共に、なんとココと敵の女のいる位置が入れ替わった。
「す、すげぇ」
こんなスキルが使えるなんて知らなかったから、俺も驚いてしまう。
敵の女が唱えた炎は、敵の女に当たり、倒れてしまう。
「そこまで!勝者、レノア!」
アナウンサーがそう告げた瞬間、会場は盛り上がる。
あっさり終わってしまったが、まぁココが勝つのは分かっていた。
ココが俺に向かって走って戻ってきた。
「レン様、私勝ちました!!」
「あぁ!かっこよかったぞ!」
いつもどうり頭を撫でてやる。
「それでは次の生徒は舞台へ上がってください」
「私の番か」
クロエは立ち上がり、体を震えさせながら舞台へ向かう。
ぐへへ少しからかってやるか。
「ほらほら、緊張しているせいでご自慢の胸が揺れてるぜ」
「揺れてないから!やめてよこんな時までそんなこと言うの」
「ハハ、悪い悪い」
「……」
赤面して泣きそうになっている。
やばい、更に緊張させてしまったかもしれない――
しょうがない、安心させてやるか。
「大丈夫だ。クロエが万が一負けても、俺は絶対に勝つから。レノア王国が負けることは無い」
クロエは、ハッとした顔をする。
そうさ、どうせ勝つ。
アイツらは今の俺からすればスライム同然。
負けるわけが無いのだ。
「バトル、楽しんでこい」
やがて微笑み、頷いた。
おそらくこの試合で負けた時のことを、クロエはイメージし過ぎているのだ。
重い使命なんて背負わなくていい。
そんなもん、俺が全ての背負ってやる。
「ありがとう!行ってくる」
どうやら、震えが止まったようだ。
フィールドへ、クロエは登る。
アルゲニルの出てきた生徒は、俺の知らない生徒だった。
おそらく他のクラスだろう。
かなりぽっちゃりしているが、人は見かけによらない。
「うわー、金髪巨乳美女だぁ!こんな可愛い子が相手だなんて、僕って運がいいなぁー」
気持ち悪いセリフを吐いた後、
デゥフ、デュフフフフ!
と言う鳴き声を発した。
コイツ、クロエの胸見やがって。
許せねぇ。と言いたいところだが、俺も見てたから人のことを言えないな。
またココが胸をさわさわし始める。
「ココ、お前はちょうどいいと思うぞ」
「……もしかして、ココが寝ている時に触ったんですか?」
「いやそういうことじゃない!!」
なんでそうなるんだ、まったく。
俺は思わず焦ってしまう。
「冗談ですよ、ふふ。からかってみただけです。可愛いですね」
なんだかんだ言って、ココに初めてからかわれた気がする。
からかわれる側の気持ちってこんな感じなんだな。
なんか不思議な感覚だ。
「それでは、戦闘を開始してください」
そう言った瞬間、敵のぽっちゃり男はデゥフ、と笑い。
何やら魔法を、クロエに向かってではなく、周囲に向かって唱え始めた。
「《ソウルファイア》(炎魂)」
赤く輝きながら、色んなところに浮いている。
あれに当たってしまうと、爆発をしてしまう。
クロエのような剣士にとって、かなり厄介な魔法だ。
「どっからでもかかっておいでーーー!!」
「では、さっそく行かせてもらうね!」
クロエは剣術スキルを使い、剣を縦に振る。
すると赤い光が出現し、それがぽっちゃり男にむかって、勢いよく飛んでいく。
「や、やばい! 《ウォールシールド》」
そう詠唱すると、青い半透明なバリアがぽっちゃり男を守る。
しかし、割れてしまいって、少し吹き飛んだ。
「痛い、痛いよぉ。よくもやってくれたなぁぁぁ!」
どうやら、キレてしまったようだ。
「《ロックペレアンス》」
あれは、Aランク魔法だ。
ぽっちゃり男が小さな魔法陣を出した。
すると魔力がこもった石が、たくさん作られていき、それがクロエの方に飛んでいく。
「死ねぇぇぇぇ!」
「やばい!」
クロエは剣を振り、石が自分に当たらないよう、必死に対抗するが、
石が飛んでくる量があまりにも多すぎて、クロエにいくつも当たって血を出してしまう。
【HP:422/530】
「レン様、少しまずくないですか?」
「これはかなりまずいな」
ココが心配そうに、戦いを見ている。
なかなか相手のMPが尽きないからか、
どうやら、クロエもそれを自覚しているようだ。
「やばい、このままじゃ埒が明かない……」
ぽっちゃり男のMPを表示するが、あまり石に魔力を使っていないようだ。
おそらく、あの魔法陣のおかげだと思われる。
魔法陣については、あまり知らないので、
明日にでも勉強しよう。
「行くしかない……」
クロエは、ぽっちゃり男に接近を試みる。
石を斬りながら走るが、やはり石に当たりダメージを受けてしまう。
「まだまだまだまだぁぁ!」
さらにぽっちゃり男が、石の出す量を増やすが、
やがてクロエがぽっちゃり男の目の前に来た。
「く、来るんじゃねぇ!《パスティル》」
上から空気の圧が降ってくる。範囲魔法だ。
その存在に気づき防御するが、かなりダメージを食らってしまったようだ。
「うっ」
すぐにクロエは立ち上がる。
もう、HPが全くない。このままいけば、下手すれば死んでしまう。
なんてこともあり得るだろう。
【HP:289/530】
ぽっちゃり男のHPはこんなものか。
【HP:381/473】
なんだかんだ言ってこの男、頭がいい。
魔法の使い方がやはり他の奴らとは異なっている。
――――いやまて、そもそもこんな強い男、アルゲニルの学校にいるのだろうか?
いや、いるはずがない。
つまりこいつはこの試合のために用意されたということだ!
クソ、これありなのかよ。
クロエは力を振り絞り、ぽっちゃり男に剣を振る。
一方ぽっちゃり男は、バリアと杖で防御を繰り返している。
ニヤニヤしていて余裕そうだ。
しかし杖で防御をした瞬間を狙い、クロエは力を込めて杖に剣を振りかざす、
なんと、杖が真っ二つに折れてしまった。
ざまぁ見やがれ。
【作品の評価を頂けると嬉しいです♪】
・面白かったら星5
・つまらなかったら星1
『自分の思った通りの評価でいいです✨』
広告下の【☆☆☆☆☆】から
評価をして貰えると、本当に本当に嬉しいです!!
また、ブックマークもして頂けると、作品をより楽しめると思います♪




