14. 死神の大鎌
ルナを抱え、高く飛ぶ。
俺はそのまま魔法を唱えた。
「《ロックシャープ》」
そう、学校で教えてもらった魔法だ。
すると鋭い岩がどんどん伸びてみて、足にぶっ刺さる。
その後もみんな攻撃を一生懸命して、
俺も魔法をいくつか唱えるが、
【HP:2833/3300】
なかなかHPが減らない。
これじゃあ、みんなの体力がだんだん削れて言ってしまう。
流石、ドラゴンだ。
仕方ない。
クロエとルナには、あまり俺の手札を見せたくなかったが。
皆のHPのこともあるので、とっととこいつを倒すことにした。
俺は叫ぶ。
「お前ら、ドラゴンから離れろ!」
「はい」「わかった」「うん」
言った通り、みんな離れた。
「《シックグリーパー》」
その瞬間に明らかにやばい雰囲気のパーティクルが出現し、
死神の大鎌が、俺の手に召喚された。
俺は一気にドラゴンに近づき、その鎌を3回振るう。
「おらぁぁぁぁあ!」
【HP:0/3300】
そうして、ドラゴンは苦痛の叫びを上げながら、死んだ。
【スキル《ファイアーブレス》を獲得しました】
どうやらスキルを獲得したようだ。
これは死神の鎌の能力だ。
この鎌で倒した敵のスキルを一つだけ獲得出来る。
チート過ぎて、ニヤニヤしちまうぜ。
ぐへへ、ぐへへへへへ。
すると、みんなが俺に駆け寄ってくる。
「す、すごいですレン様!なんですか今のスキルは!」
「死神の鎌って言うスキルだ。旅の途中、ココが寝ている間に獲得したんだ。お前も良い戦いっぷりだったぞ、成長したな」
「えへへ」
俺はココを撫でる。
ココが寝ている間にいたずらをしていることがある、
ということを知ったら流石にココでも怒ると思うので、伏せておくことにしよう。
「でも、しっかり寝なきゃだめですよ」
注意をされてしまった。
時には、寝るのが一日二時間だったりもしたので、
言われたとおりしっかり寝ることにしよう。
「レンくん、めちゃくちゃ強いじゃんー。さすがに私はそういう、チートスキルは持ち合わせていないわ」
「ハハ、クロエも中々の腕だったぞ」
自分のお気に入りのスキルは、合計3個取得している。その中の一つが死神の鎌で、
魔力を大鎌に変える魔法だ。
――ルナが、モジモジしている。
「……助けてくれて、その……ありがとう」
「ルナ、もっと自信を持っていいんだぞ」
「わ、わかった……!」
なんか顔真っ赤だけど、何故だろうか?
「ルナ、お前風邪でも引いてるんじゃないか?顔が赤いぞ」
「ふふ、なんでもないよねールナ」
「うん、なんでもない! ほんとのほんとに、なんでもない」
クロエはニヤニヤしながらルナを見ている。
まぁ、よく分からないから放っておこう。
「それにしても、このダンジョン難しかったですね」
「だよね、先生私たちをこんな所に連れてくるなんて危ないよー」
その後、ドラゴンがドロップしたアイテムを回収して、学校に帰った。
あまり良いアイテムは残念ながら落とさなかった。
そして、教室で先生にクロエが訴える。
「なんか、ダンジョンの敵めちゃくちゃ強かったんですけど!ボスドラゴンだったし」
「いやほんとにすまなかった。実は行かせるダンジョンを間違っていたみたいなんだよ」
先生はクロエに向かって、土下座をする。
そんなうっかりミス、あるものなんだろうか?
先生しっかりしてくれ、俺たちの命に関わるから。
俺は先生をジト目で見る。
ま、たまにはこんなこともあるか。
「それでは、今日はこれで解散!今日も楽しかったですね」
「レン様がいなかったら、今日が私の命日になるところでした」
相当疲れたのか、ココはだらんとしている。
こんなココ、初めて見た。
気づくとルナが隣に立っていた。
「え、えと……良ければ今日ご飯一緒に食べないか?」
何故か目を逸らす。
いい誘いだが、
ココはすごく疲れているようだから、今日は断ることにした。
「うーん、今日は疲れている無理だな。明日とかどうだ?」
「あ、うん!空いてると思う」
「ほんとか!」
なんか笑顔で、
ぴょこんと1回だけ跳ねた。
嬉しそうで何よりだ。
「じゃあ、明日の夜。私とクロエの部屋来て!待ってるから!」
そう言って、走って教室から出ていってしまった。
さて、俺らもそろそろ部屋に戻ろう。
「ココ、部屋に戻るぞ」
「んーおんぶ!」
「はいはい、しょうがないなー」
「やたー!」
俺はココに甘すぎるかもしれない。
この顔を見ると断れないよな。
でも、いっつも俺の事を誰よりも支えてくれているのは、ココだ。
こんぐらいのことはしてやろう。
俺はココをおんぶしてやる。
「ん、お前太もも柔らかいな」
ちょうどいい、弾力に、
ちょうどいい、柔らかさ。
それに体重は軽いのに、程よい肉付き。
やはりココは心も体も女の子だ。
別に変な目で見ているわけじゃ無い。
ココは美少女すぎるから、そんな目でみたらいけないと、俺の体が言っているのだ。
「こ、声に出して言っちゃダメです」
「へいへい」
そしてそのまま、
他学年に見られながら廊下を歩く。
こりゃあ目立つよな。
俺は、今日の夜ご飯が何がいいか、ココに尋ねる。
「ココ、何が食べたい?上手いものでも買ってきてやる」
「ココはレン様が食べたいです」
「あのなぁ……」
ココは俺と2人っきりの時だけ、
一人称が"ココ"になる。
俺だけにしか見せない一面とかもあるから、結構嬉しかったりする。
「じゃあ、ケーキ買ってきて欲しいです。二人で食べましょう」
「おっけー、わかった。待っててくれ」
幸せだ。
人生どん底だった俺が、今、こうやって幸せに暮らしている。
ココがいれば、俺はなんだって出来る気がする。
「ココ、レン様と居られて幸せです」
「……あぁ、今全く同じことを考えていた」
「ふふ、嬉しいです」
……だが、それでも過去は消えない。
妹が亡くなったという事実も、何もかも。
フィナ、見ているか?
俺は今生きて、幸せになっているぞ。
そして、いつか……復讐を……。
「面白い!」
「期待できそう!」
「やるやんこいつ」
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