実は等身大でも戦えた
この話より新規で書きました。
どうぞ、ご覧ください!
目の前に現れた生き物を何と形容したらいいのかわからない。
体長が1m程で、二足歩行かつ全身が緑色なのだ。この時点で地球の生き物で該当する生物はいないだろう。
顔は鬼、と言うのが一番合っているだろうか。腰にはボロ布を撒き、手にはこん棒らしき武器を構えている。
あれらの姿かたちからしてここが地球ではなさそうなのは確かだ。何とか意思疎通できないだろうか。情報が欲しい。
僕は意を決して話しかけようとしたところ、相手が突然
「ギャ!!」
と叫んだかと思うと、こちらに突進してきた。めっしゃ好戦的な笑顔付きで、だ。
これでは意思疎通どころの状態ではない。この姿のままでは命の危機だ。この姿のままでは、だが。
僕は学ランの胸ポケットの中に入れてある、折りたたまれたテンプルの無いサングラスのような道具を取り出して組み立てた。
「おらっ!」
そのまま目の前に持っていく…。
すると一瞬にして姿が変わった。
全身緑色だが手足に一本ずつ銀色のラインが入り、顔はサングラスを象ったどこかSFチックな物に変貌した。
よし、いつも通りの姿だな。初めてこれになった時は流石に困惑したっけか…
そんなことを思っていたら突進してきてた緑色の小鬼…面倒なのでファンタジーに沿ってゴブリンと呼ぶか、ゴブリンが肉薄し、足に一撃を加えてきた。
ま、この姿に変身してたらそんな攻撃ビクともしないんだけどね。変身前?防御力はお察しください…。
「グギャァァァァァァァァ!!」
手に反動が来たのか、めっちゃ痛そうにしているな。さっさと楽にしてやるか。
僕は手にエネルギーを貯め、円形状の物体にし、それを手に取った。
(ヘクセレイ・フリスビー!!)
「ヘアッ!!」
僕の十八番、ヘクセレイ・フリスビー。切断力抜群だ。あのフィーニス相手でも当たれば必殺になるだろう。
果たしてゴブリンの首に当たると…
スパッ
こんな効果音が聞こえそうな光景が見え、ゴブリンは倒れた。
ふう、これなら変身しないでヘクセレイ・フリスビーを使っても大丈夫だったな。
そんなことを思いながら僕は姿を元に戻す。エネルギーを推古氏使ったがこれくらいなら大丈夫だ。伊達に地球で戦ってきた訳じゃない。
そんなことを思いながら周囲の警戒をしていた時、少し離れた場所から悲鳴が聞こえてきた。…えっ悲鳴?
長年ヒーローみたいなことをしてきたからだろうか。聞こえた瞬間にその方角に向かって走り出した。
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キャサリン・マールバラはカーテンを閉じた馬車の中で震えていた。
王都から帰還している中、安全とされていた道で突如盗賊団がやってきたからだ。それも魔獣を使役するという中々にレアな魔法を使える人がいるらしく、盗賊団はゴブリンの一団を連れていた。
「お嬢様をお守りしろ!絶対にここは抜かれるな!!」
騎士団長の怒鳴り声が聞こえてくる。その声から状況は緊迫していると分かる。護衛の数も少ないから仕方がないが。
このまま、私は攫われるのだろうか。身代金を要求するのか、奴隷として売るのかはわからないが、貴族令嬢である以上、それなりに使い道はあるのだろう。
そんな暗い未来のことを考えながら震えていたところ、突如スパッという何かを斬る音と
「え?」
と何人かの間抜けな声が聞こえてきた。
しかし次の瞬間
「今だ、かかれ!!」
という騎士団長の声に、護衛が声を上げ、突撃をする音が聞こえてきた。
そのまま戦いの鍔迫り合いの音が聞こえてきた後、静かになった。果たしてどちらが勝ったのか…。
震える感情を押し殺しつつ、その時を待っているとドアをノックする音が聞こえた。
「お嬢様、ひとまず安全です。ですがそのまま馬車の中でお待ちください」
安全だけど馬車の中で待て?何があったの??
ありがとうございました!




