地球よさらばヘクセレイ・マン
この話はほぼ短編と同じです。
短編を読まれた方は飛ばしてもらって大丈夫です。
一部表現が変わってることだけご了承ください。
(これで最後だ!)
僕は目の前の怪獣に対して、そう思った。
多次元怪獣、フィーニス。鹿型の怪獣であり、怪獣も何も無かった世界に怪獣を呼び込み、世界を激変された元凶。
こいつさえ倒せれば、この地球は平和になる!
その思いで僕は必殺技を放った
(ヘクセレイ・フリスビー!)
「ヘアッ!!」
掛け声とポーズと共に、手から謎の物質で形成された光るフリスビーが飛んでいく。
ただのフリスビーではない。何でも切れる、僕の十八番の必殺技だ。
これで終わり、その思いと共に念動力でフリスビーを操る。
頼む、これで終わりに、平和にしてくれ⋯
そう願いながら飛ばしたフリスビーは、しかし一撃目は避けられた。
やはりそう都合よくはいかないか…。僕は気合を入れなおす為に声を上げる。
「ハッ!!」
この姿になると何故か声がこれしか出せない。何故なのかわからないが不便で仕方ない。これがなければ今頃政府とも意思疎通できたろうに…。
何度も戦闘機から受けた攻撃を思い出しながら、僕はもう一発、フリスビーを投げるために腕を振り上げる。
しかしその時、フィーニスが角を降り出した。
最初は獣によくある習性か?と思ったが、すぐに違うと分かった。なんと、フィーニスの頭上に謎の穴?が開きだしたのだ。
どういうことなのか?困惑する僕を他所に穴はドンドン大きくなっていく。
あっという間にフィーニスが通れるくらいの大きさになると、フィーニスは浮遊し、なんとその穴に向かおうとしていた。
困った。ここでフィーニスを逃がすと地球に怪獣は出現し続けるだろうし、仮に再戦の機会があったとしてここまで追い込める保証がない。
ここは…やりたくないがやれることは一つだけだろう。
「ヘアッ!!!!」
僕は能力で軽く飛ぶと、フィーニスに抱きつく。
フィーニスは振り解こうともがくが、生憎離すつもりはない。何処かにいくなら、それに付いて行くまでだ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ふと下の方から聞きなれた声の悲鳴が聞こえた気がするが、気にしてはいけない。個人の感情でこいつを逃したらマズい。そう本能が告げているんだから。
徐々にフィーニスと共に穴に飲み込まれて、そこで気を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「う……ん……?」
草木が風に擦れる音と共に目が覚めた。……いや、草木?周りを見渡すと一面の木々だ。地面も草がこんもり生えている。こんな場所、住んでた所の近所になかったはずだ。
僕は何故こうなったか記憶を探る。
…
……
…………
……………………
…………………………………………
そうだった、フィーニスと戦って、ヤツが出した謎の穴に入って行ったのだ。
あの穴に吸い込まれたあと、気を失い、気が付いたらここにいた。
うん?あれ、てことは近くにフィーニスがいるのか?
とんでもないことに気づいた僕はサッと周りを見渡す。しかし、フィーニスの姿はなかった。ヤツはデカいから、近くにいるなら見えるはずだ。
ということは、フィーニスを逃がしてしまったのか。
僕は落胆を感じ、ガクッと来てしまった。
これからどうしようか。
頭を悩ませていると、遠くから変な鳴き声が聞こえてきた。
「ギ…ギギッ!」
鳴き声が近づいてきて、ガサガサという草むらをかき分ける音が聞こえた。その方を向いてみると
「ギャギャ!!」
緑色の小さな何かが草むらから出てくるのが見えた。
「なんだ、ありゃ」
少なくとも地球の生き物じゃねえぞ。
ありがとうございました。




