12
巡回司法省ヴェルクリ支部の、正面玄関から堂々と脱出。
すぐに、近くにあった小さな公園でひとやすみ。
さて、これからどうしましょ。
何だか、今からベルモワールって気分じゃないよね。
「私たちのおうちに、帰りましょうか」
『おうちごはん!』
ヴェルクリ商店街ご自慢の食材もたくさんありますし、
今日ものんびりマイホームごはん、ですね。
「おうちでのリグラルト料理、お任せあれ」
『ツェリアさんは、あのふわふわドレスでキッチンに立つべき!』
うほっ、冴えてますね、チミコさん。
あのめっちゃ触り心地の良いドレスに包まれたツェリアさんと……
『家庭内セクハラは通報対象!』
もう牢屋はこりごりですよぅ……
---
いつものごとく荒野で勝手にマイホーム。
夕食とお風呂を済ませたら、
今日の報告会 兼 家族でまったり団らんのお時間。
『帰り道での指輪の反応、スゴかった!』
チミコさんもですか。
俺の指輪にも、たくさん反応がありましたよ。
実はこの指輪には、例の3つの能力以外にも、
便利機能が付与されています。
『ログチェッカー』:指輪の反応を記録した全てのデータを閲覧可能
えーと、どれどれ、
俺の指輪のログデータは……
支部を出てから『視線感知』に反応した人数が……あれ? こんなもんですか。
で、『直接警告』が実行された数が……『視線感知』された人数とほぼ同数。
ちなみに『悪意反射』はゼロですね。
つまり、警告を受けたデバガメ野郎どもは、
全員しっぽ巻いて逃げてった、と。
「私の指輪の『視線感知』が……」
どうしました、ツェリアさん。
……何じゃ、この人数!?
俺の指輪のデータとマジでケタ違いなんですけどっ。
『勝利宣言!』
なんすかチミコさん、ドヤ顔して。
……うわっ、そっちもこんな人数かよっ。
あー、なるほど。
どうせじっくりねっとり監視するなら、
わけ分からん系不審者野郎よりも、
美人メイドさんや可愛い妖精さんの方が楽しいってか……
って、仕事しろっ、一流監視員!
お前らの本来の監視対象は俺だろっ。
いや、このふたりに目を奪われる気持ちも分からんでもないけどさ。
選りすぐりの凄腕監視員なら、
仕事は真面目にやろうよ……




