ギルド【黒白戦線】戦場を切り裂く
「おぉ、メイト! 戻ってきたか!!」
「ただいまー! いやー楽しかったよ!!」
唐突に出現したメイトにメンバー四人は驚かない。
それどころか、陣形を組むと、戦闘を活気づける。
「メイトは気づいていないかもしれませんが、すでに第三フェーズへと入っています! 気をつけてくださいよ!!」
「第三フェーズってなにか変わった?」
セレナの忠告にメイトは辺りを見渡す。
第一階層で戦うプレイヤー達は血気盛んに戦闘を行っている。
数多のプレイヤーの魔法や攻撃が入り乱れて、戦場は混乱を招いていた。
「全員一層に転移したんだ。もう逃げ場はねぇぜ!!」
「皆もそれに巻き込まれたんだね! 納得納得!!」
「ということで、後は我々が暴れるのみです。セレナ、魔法発動許可を」
「ちょっと待ってください! バフをかけましょう」
「なら私も!!」
いつも通りシルフには城兵を、ソートには僧兵を与えると、二人はストレッチを始める。
ソロモンがそれを見てため息を付いていた。
「うちのリーダーは血の気が多い。もっと作戦を立てようぜ? 例えば誰をランキングに入れるとかよ」
ランキングはもっともプレイヤーを倒した順に順位付けされていく。
『黒白戦線』は五人チームで全てのメンバーが順位に入ることは難しい。そう思っての言葉であったが、ソロモンの言葉は一蹴される。
「なに言ってるんですか!? 全員一位を目指しましょう! ランキングの半分を我々で埋めればいいじゃないですか!!」
「そのとおりだなセレナ! 言っておくが、一位は俺だぞ?」
「シルフに譲るつもりはありません。私の魔法のほうが強いに決まってます」
「いいねいいね!! 私も負けないよ!!」
「くっそ……多勢に無勢か」
ソロモンは歩兵として大剣を構えると、プレイヤーを見据えた。
「そういうことなら、俺も負けてられねぇ」
彼の職業は【剣闘士】であり、メイトやシルフのような癖の強い職業ではなかった。
しかし彼の握る大剣は主に応えるように猛威を振るう。
メイトから指定された『歩兵』は近距離の攻撃力を大きく上昇させる。
そして彼の強みは悪魔と契約をしている点である。
「【悪魔召喚:東之王】」
彼の大剣は稲妻を纏う。
空を裂いて現れた凶悪な悪雲は、ソロモンに纏わりつく。
空気が唸り、遅れて発されるのは雷鳴。
彼を見たプレイヤーは悲鳴を上げて逃げるが、東之王の視界に入れば命はない。
そして振り下ろされる大剣は、重厚な鎧さえも一刀両断にする。
切断面が焼かれてプレイヤーは消えていく。腰を抜かすプレイヤーを下目に、ソロモンは歩みを止めない
「なかなかやるねぇ!!」
「言ったからな? 全員ランキング入りだ」




