表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

職業【遊び人】所持金に悩む

「素早さ1でも10分で着いた……親切設計だね」



 初期地点から少し離れた地点にある町、そこはリリース直後のゲームと言うこともあり沢山の人で賑わっていた。

 町は案外広く、道具屋や装備屋などのファンタジーには欠かせない店舗がいくつも並んでいる。他にも普段着用の服屋や、戦闘以外に使うような道具を売っているお店など多種多様な店舗が並んでいた。

 町の中央には噴水がある広場があった。そこには掲示板がいくつか立っており、そこにプレイヤーが集まっているのが見て取れた。


「あの人だかり……なんだろう?」


 大柄な男性や縦に長い帽子を装備した人が多くおり、対して高くない身長の彼女は申し訳なさそうに前へと進む。

 掲示板の上部には大きな字で『クエスト』と書かれていた。どうやらここで自分のやることを決められるようだ。

 クエストには二種類あり、一つはゲーム側が用意したもの、そしてもう一つはプレイヤーからプレイヤーへ依頼する物。

 どうやら依頼と報酬さえあればクエストとして申請できるらしい。


「うーん……ひとまずはお金稼ぎかな」


 彼女は武器を所望していた。それは先行プレイの動画を見ていた時に、剣を振って敵をなぎ倒す姿に憧れたからだ。しかし職業の【遊び人】は装備ができない。彼女はそれを克服しようと奮闘しているのだ。

 武器を得る方法は武器を買うか、クエストとして受注するかの二つだろう。

 しかし今はスライムを倒して手に入れた5Gしか持っていない。スライムを倒してドロップ品である「スライムの核」を手に入れてはいるが、こんな希少価値が0に等しいアイテムでできることはほとんどないだろう。

 しかしクエストで武器を受注するにしても、相当の金額が必要になるに違いない。簡単な装備品であれば数百Gで事足りるであろうが何より遊び人は「装備ができない」と言い切っているのだ。この効果を打ち消すような装備を得ようと思うと、数千G以上は絶対にかかってくるだろう。そもそも打ち消すことができるのかすらも分からないが……


「結局は、お金を稼ぐに限るかな」


 武器を使わないにしろ、何かしらのアイテムは使いたい。毒や爆弾などのアイテムがあれば、少しは戦闘が有利になるというものだ。

 そうしたアイテムを得るにしろ、今はとにかくお金が必要なのだった。彼女は掲示板を見渡すと、スライム討伐依頼というクエストを見つけたためそれを受諾する。

 こうすればスライムをただ倒すだけでお金を得れるし、クエストクリアでもお金が稼げる。


「お得だね、これこそ頭脳プレイというものよ」


 彼女は悪い顔をする。これは他のプレイヤーからすれば当たり前のことであり、決して頭脳プレイとは言えなかった。

 町から出ると、スライムを探すために少し歩いて行った。途端にスキル取得を知らせる音が流れる。

 不思議に思いステータス欄を開く。



 スキル獲得

【歩耐性】



「歩耐性」とは疲れにくくなる効果だ。「ステータスの5つのどれにも該当しない効果だが、隠しステータスが存在するのだろうか?」と彼女は思案する。

 それは正解だった。ステータスは主に攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、素早さの五つだがそのほかに持久力、技術力、抵抗力、器用さ、運の五つがあった。

 しかし歩いているだけでスキルが得られるなんて想像もしていなかった。

 そもそも先行プレイの動画を見ていても、自然にスキルを取得するなんてことは知らなかった。その様子が描画されていることが無かったからだ。

 それにスキルの取得は基礎ポイントを使ったり、一定のレベルになった時に得られるものだと思っていたのだ。

 この調子でスキルを取得していけば、いずれはスキルのみで戦うことも可能になるのではないだろうか?


「これは、胸が躍るね!」


 ステータスは弱いが、スキルで敵を翻弄するキャラクターは強キャラに決まっている。確かに剣の達人や最強の魔法使いなどの戦いは楽しいだろうが如何せん難しそうなのだ。

 そもそも先行プレイの動画やアニメであるような動きが簡単にできるわけがない。敵との間合いを一瞬で詰めて切りつけたり、特大魔法を詠唱なしで唱えるなんてリアルで生きてきた人間にはできないだろう。

 しかしスキルで敵を圧倒するのは彼女にだってできそうだ。

 彼女は膨らみまくった想像ににやけながら目についたスライムに殴りかかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ