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職業【遊び人】世界に降り立つ

「おぉ! これがVRMMO!!」


 辺りには一面の草原が広がっており、ちらほらと人やモンスターがいるのが分かった。

 モンスターと戦っている人や、談笑しながら歩いている人などがいる。皆が初期装備の『ぼろの服』を着て、腰には『ひのきのぼう』が据えてあった。

 他の人と自分の着ている服のデザインが違うことに気が付いたが、特に理由は無いだろうと気にしないことにしていた。

 VRMMOであるこのゲーム『Real Connect Online』通称『RCO』は地下へと続く階層を進んでいくファンタジー風の戦闘ゲームだ。モンスター討伐やPvPを行い自らの職業を強化したり、スキルを取得して、各層にいるボスを倒すことを目的としたゲームだ。


「っとその前に、割り振られた職業を確認しないとだね!」


 手を目の前にかざす。すると空中に画面が現れた。ステータス画面の出し方は先行プレイ動画で確認済みだ。


「どれどれ、どんな最強職業が……」



【ステータス】


 カリナ

 Lv.1


 職業:遊び人


 HP 20/20

 MP 20/20


 攻撃力   1

 防御力   1

 魔法攻撃力 1

 魔法防御力 1

 素早さ   1


 装備


 頭 なし

 身体 なし

 装飾 なし



「あれ……?」


 職業、遊び人……某RPGでのとりあえずの職業がこんな名前だったような気がする。これは職業がまだ決まっていないということだろうか?

 しかし『あなたの職業を設定しゲームを開始』というボタンを押してこのゲームを開始したはずなので職業はすでに決まっているはずだ。

 それにステータスを開いて気が付いたが、装備が何一つない。他のプレイヤーは棒ですら持っているのに、素手で戦えということだろうか?

 不思議なことが多すぎる。そもそもはじめは50の基礎ポイントがもらえたはずだ。しかし今彼女の基礎ポイントは0。どういうことだろうか?

 疑問が次々と湧き出る。彼女は頭を抱えて画面を見て思考を凝らす。

 彼女はステータスの遊び人の項目が気になりタップする。



 職業:遊び人


 基礎ポイントが増えない。装備ができない。スキルが得やすくなる。



「ど、どういうことだろう……」


 メリットを大きく上回るデメリットの数々。これでどうやって強くなれと言うのだろう。

 そもそも基礎ポイントというのはレベルが増える度に貰える、基礎ステータスを上昇させるポイントだ。しかしそれが増えないということは、レベルを上げても意味がないということだろうか?

 さらに言えば防具どころか武器もない。格闘系職業ですら手袋のような装備ができるというのに、彼女は徒手空拳で戦えと言うのか。さすがに格闘技の経験は中学校の体育の授業以来で、お世辞にも戦えるとは言えない。


「うーん、考えてもキリがない。とりあえず町に行こう――」


 そう思った矢先、目の前に一体のモンスターが立ちはだかる!

 このゲームの醍醐味、バトル、即ち戦闘だ。彼女は拳を胸の目の前で握る。正しい構えが何かは分からないが、何もしないよりは断然いいだろう。

 青い光沢のあるぬめりを帯びた肌、どこを見ているのか分からない眼、動くたびに可愛い効果音が鳴り響く最弱モンスター。


「で、出たな! スライム!」



 スライム

 HP 15/15 MP 0/0



 こいつは勝てる! 彼女はそう思い拳を振り上げた。


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