表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/132

職業【錬金術師】新たな装備を作成

 第八層。悪雲立ち込める魔王の城で、四人は再度ボスの討伐を行っていた。

 二度目以降の討伐は速かった。それもトトが【選定者】となったことに加え、新たにクレートが共に行動を行ってくれているため。

 魔王が音もなく倒されると、その呪縛を残していった。

 レッカがそれを拾うと、地べたに座り込んだ。

 それを起点に、四人が近くに集まりだす。


「やっと獲得したな。一旦合成か?」

「試しに作ってみたいしね。もしこれで合成が成功したら量産だよ!」


 レッカが手に握るは『呪いの腕輪』で、効果は常に呪いの効果を受ける。

 ひねりのないその腕輪は、黒のオーラを纏っており、黒蛇の模様が刻まれていた。


「こういうの、エレンが好きだよ」

「間違ってもあげちゃ駄目ですよ! 私がいなければ解呪もできませんからね……」

「ほう、セレナ様は解呪が出来るのですね。さすがセイレーン」

「私の正体を見破るとは……クレートは中々のやり手ですね!?」


 見た目で分かるだろうというツッコミを忘れて、レッカはクレートの目をじっと見つめた。

 照れくさそうに笑うクレートは、我慢ができずに声を掛ける。


「ど、どうかしましたか?」

「クレートの鑑定って、私のよりも精度がいいんだよね? どうやってゲットしたの?」

「そりゃカリナさんに『可変鑑定』を与えたときと同じ要領です。鑑定を行うアイテムの核と、スキルである【鑑定】の核を融合すれば可能です」


 クレートが自慢気に説明を終えると、トトとレッカが二人ともがじっとこちらを見つめているのが分かった。

 冷や汗を流す。トトが何処からともなくメガネを取り出した。彼は呆れながらも、核を抽出する。


「ラトラス様からの命です。今回だけですからね……僕のスキルは人に施すものじゃないんですから」


 そう言いつつも流れ作業のように核を抽出して合成・注入する姿はこれまでの経験が見て取れた。


「役に立てて、嬉しいんでしょ?」

「否定をしたら、野暮ってもんですね」


 鼻で笑うクレートの掌がこちらに向くと、懐かしい効果音が流れた。



 スキル取得

【看破鑑定】



 レッカは瞬きをする。

 視界の中で、皆の頭上に文字列が浮かんだ。

 トトの杖に宿る魔力。

 セレナの錫杖に宿る癒しの魔法。

 クレートの指輪内部に眠る核。

 そして、呪いの腕輪に潜む黒蛇の呪詛構造。


「……すご」

「トト様には単純に【鑑定】を。これでいちいちメガネを掛けなくても鑑定できますよ」

「……ありがとう」


 二人に核を与えて満足顔のクレートの前に体を乗り出したのは、虎とセイレーン。


「……」

「分かるだろ?」

「ずるいですよ」

「そうは言っても、鑑定なんていらないでしょう?」

「じゃあなにかスキルをくれよ!!」

「簡単なスキルでいいです! とにかくこのまま引けません!」


 ため息をつく。

 子供っぽいところもあるのだと彼は薄めをしながら手を進めた。


「僕はスキルを与える人ではないんですよ……エスと同じ轍を踏むつもりはありません」


 そう言いつつも核を慣れた手つきで操作するクレートに、二人は注目してその声を無視した。

 そして、二人にもスキルが与えられる。

 シルフに与えられたスキルは、単純に運気が上昇するスキルである【運気上昇】。

 セレナに与えられたスキルは、結果を変更することが出来る【選律(せんりつ)】。


「『選律』……これは」

「結果を変えることができます。ガチャの結果を変えたり、シルフのハズレを当たりにすることができます」

「おぉ! 素晴らしい能力です! いわゆる後出しジャンケンですね」

「ただ、運を消費しますのでお気をつけてください。最悪、毒になっただけで死にますからね」

「そうなれば【解毒】しますので」


 セレナとシルフは悔いていた。

 あの時、自分たち『黒白戦線(モノクロボード)』がいながら負けたこと。その経験を無駄にしてはいけない。

 シルフはあれから武器を研ぎ、新たな装飾を施していた。それは攻撃力に特化した更なる強化。

 セレナはメイトがいない時に出来ることを考えた。『(キング)』としてでなく、一人のプレイヤーとして。彼女に出来ることは、回復への特化。

 そうして戦線はさらに拡大する。

 新たなスキルに感化していた二人を他所に、レッカは喜びの声をあげる。


「きたきた!! 成功するよ!!」


 レッカの手元に焦点を当てると、そこには光り輝く二重の腕輪。

 金の光沢を帯びたそれは、レッカの目に『スーパーリング』という名が記載されていた。

 状態異常を無効化する、新たな装備品。

 合成の成功。ダリアへの対抗、新たな手立てである。

 みなが声を荒げる。そして、その成功が更なる経験となる。

 彼女らの歩みは止まらない。まるで盤面を自在に動くルークのように、彼女らは更なる一歩を踏み出したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ