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職業【錬金術師】仲間が反省に駆けつける

 レッカがついたときには、既に三人が集まっていた。

 第八層の闇の雲が広がる草原。トトが二人に必死に謝っているのが見て取れる。


「ごめん、なさい。私があの時、もっと本気で攻撃をしてたら……ごめんなさい」

「や、やめてください! トトが悪いんじゃないです! 私たちがいながら、あのようになるなんて……」

「そうだ。敵が一歩上手だったってことだ。だから謝るんじゃねぇ」


 イベントでトトと初めて会ったときのことがフラッシュバックする。

 過度に謝る弱気な少女。


「トト……」

「レッカ。お疲れ様……あれから、なにもなかった?」

「エスと戦ったよ。アンノウンでね」

「ど、どうだったんだ!?」

「負けた。完敗」

「カリナでも勝てませんか。エスって人は、化物みたいなスペックをしてるのですね」


 ダリアとの戦いを振り返っては、自分の弱さを悲観する。

 そしてまた自分を責めて、心に傷を負うのだ。


「ま、まぁこれから強くなれば良いんだよ!」

「そのとおりですよ! ダリア以上に強くなれば私たちだって対抗できます!!」

「でも、職業が進化した直後に、負けた」

「っ……」


 失言だったと、二人はハッとする。

 沈黙が訪れる。

 その言葉を素直に聞けるほど、彼女らの心は大人ではなかった。

 四人だけでは成長できない。頭打ちとなる。

 それを理解して手を差し伸べるのが、彼らの役目であった。


「久しぶりです。レッカ様。僕のこと、覚えてますでしょう?」

「く、クレート……」


 黒い装束を羽織ったプレイヤーが一名。

 トトが目を見張る。それはイベントでの出来事を覚えているから。そして、『カクメイト』の戦いを何度も思い出していたから。


「クレート、なんで……」

「マゼラン様に命を受けたんです、レッカを助けろって。我が主君にそれを伝えたら『そのとおりに』と一言だけ」

「主の勅令には逆らえないってことね」

「当然です。後ろの二人は初めまして、ですよね。クレートと言います」


 二人はクレートを見てぱっと晴れた笑顔を浮かべた。


「俺たちはメイトから何度も話を聞いてんだぜ!? 『核操者』で『人工生命体(ホムンクルス)』のクレートだって」

「『キティー』というグループのメンバーと聞きましたよ? 我々の中では有名人ですね!」

「め、メイト様……僕たちは影で支えるチームですので、どうか僕のことはご内密に……」


 レッカは思い出す。あれからクレート意外の『キティー』のメンバーには会えていない。

 特別存在を追っているわけではないが、名前すら知らないのだ。クレートがどれほど警戒心がないのかがよく分かる。

 そんなうなだれる彼を四人の輪に入れつつ、レッカは疑問を投げかけた。


「それで、どうやって私たちを助けてくれるの?」

「ダリアの情報を集めてきました。情報共有と、作戦の立案を行いましょう」

「クレート、すごい……」

「作戦を聞くまでは褒めないでください」


 そういってクレートはトトにアイテムを渡していた。

 それを他の三人は流し見る。アイテムはよくある魔法の巻物であったのだ。


「これは……」

「ダリア戦で、ここぞという時に使ってください。僕の意図、分かりますでしょう?」


 二人がコソコソと話す。

 別に共有したっていいのにと思いつつも、声を掛けれないのは、レッカが臆病だから。

 クレートは顔をあげると、とびきりの笑顔を浮かべる。


「とにかくは素材集めです! はじめに行うは、『スーパーリング』の作成ですよ!!」


 その笑顔は闇のチームの浮かべるそれではない。

 仕方のない彼の笑顔に、レッカの心は安らいだ。


Tips:『黒白戦線』には名前に統一感があります

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