職業【先導者】悪魔との血気迫る戦闘
フラムは第九階層の地下で金剛ゴーレムに触れていた。
「【使役】」
新たに獲得したスキル。それは『モンスターを一時的に自分の管理化におく』魔人の特権であった。
スキル取得
【金剛ゴーレム】
自らの支配下に置いたモンスターにスキル譲渡を承認させて、【先導者】のスキルを複製する特性を使う。
これによってフラムは数多のモンスターの特徴を持つことができた。もちろん、モンスターを召喚することも出来る。
こうして数多のモンスターのスキルを獲得していた。
「次はこれで試す」
「も、もうやめませんか……?」
「そうだフラム。行き当たりばったりでは上手く行かないと分かっただろう」
「……嫌なら着いてくるな」
コロンとソロモンが彼女を心配する。
それは焦りであった。
先日の戦いで、彼女は役に立つことなく散っていった。
無能な自分に腹が立つ。コロンの戦い方を学び、ソロモンのスキルを複製したというのに、自分のあっけなさに反吐が出る。
「私は私を超えなくちゃいけない。カリナの隣に立つのは私だ」
エスやミドと戦ってみて分かった。
強者。フラムが手も足も出ない。超えるべき壁。
その指標は、このスキルであった。
「【悪魔召喚】」
魔法陣が現れるとともに、三人は戦闘態勢に入る。
彼女は体を硬質化させると、その覇気に耐える準備をする。
エスに【悪魔召喚】を模倣されてから、彼女が召喚する悪魔は、脅威をフラムに示すようになった。
「来るぞっ……!」
【堕天王】は自分の影を現世に表す。刹那、放たれる覇気。
その威力は鯨の体力の半分に値する。
物理攻撃でも、魔法でもない。その破壊は精神に支障をきたす。
「ァアッ!!」
「コロンッ……」
コロンの体力が底を突き、消える。
光の粒子を確認すると同時に、自身の腕にヒビが入るをの感じた。
よそ見をするな、という悪魔の意思だろう。フラムは四肢の硬質化をより強固にした。
腕の感覚が乱れて、息を吸うのが困難になる。
ソロモンが膝を突き、剣を手放した。
「大丈夫か……」
「あ、あぁ……だ、大丈夫」
悪魔の覇気が静まるのを感じる。
しかし影は残り続ける。フラムは翼を三対六枚生やす。
いびつなそれは、赤い猛火の羽根、黄金の獅子の鬣のような羽根、常闇を纏う魔の羽根の三種。
彼女の屍の双斧は影を貫通する。
「ぁあもう!! クソッ!」
紫陽ドリアードの触手を硬質化させて伸ばす。
どれだけ攻撃を仕掛けても、実体がなければ攻撃は当たらない。
体力の消耗。悪魔との契約であり、悪魔の力を借りる代償。
ソロモンも背後で足掻くが、その大剣が【堕天王】の身に振りかざすことはできなかった。
やがて二人の身は滅ぶ。
こうして今回の戦闘も敗れる。計三十四回目の挑戦も、得るものなく終わりを迎えるのだった。
Tips:フラムの羽根はそれぞれ『炎禽スパロー』『迅来グリフォン』『自身の翼』




