職業【信仰者】ご尊顔に紅葉を散らす
カリナは隣に立つ存在に怯えていた。
「あぁ……愛しの我が君に頼られる時が来るとは……このサリア、精一杯精進させていただきます!!」
「う、うん。よろしく」
状態異常系のスキルをゲットしようと思ったが、生憎知識がないため、どんな状態異常があるのかが分からなかった。
それをレッカに伝えると、嫌な顔をしながら「サリアだったら詳しい」と教えてくれた。
その流れでサリアに連絡を入れたら、即座に来てくれたのだ。
ちなみにその話は無銘舎で行っていたが、レッカは既にいない。
「レッカとは仲が悪いの……?」
「えぇ。声も聞きたくありません」
「そっか……申し訳なさそうにしてるんだよ」
「私は、正直、気にしていません。レッカが私から距離を取るから、私も距離を取ります」
「……え? それって、サリアは許してるってこと?」
「カリナ様は知らないでしょう? 我々の問題を。私は彼女がこれから行うことに、目を向けてあげるだけです」
サリアは目を合わせずに言った。
案外話の分かる人のような気がした。
レッカと一緒に襲撃を受けた時の印象が強く、彼女には恐怖心を抱いていた。
しかしイベントでの関わりや、噂を聞いている感じ、悪い人ではなさそうだ。
「そんなことよりも、状態異常でしょう! さぁ、私に出来ることなら何でもしましょう!!」
「なんでもは言いすぎだよ……やりたいことはスキル集めなんだ。僕のスキルは知ってるよね?」
「【常在異常】ですね。状態異常を纏った体を持ち、状態異常を無効化する」
「流石だね」
カリナよりもカリナに詳しいのだろう。
もしかすれば、既に『生命感知』や『魔法拒絶』をゲットしたことに気がついているかも知れない。
もしそうだったら嫌なので、絶対に聞かないことにした。
「状態異常の種類は十二種類。火傷、毒、麻痺、凍結、沈黙、盲目、混乱、鈍足、衰弱、動揺、魅了、呪いです」
「案外多いんだね……確か僕は六つ持ってるよね?」
「カリナ様に足りないのは凍結、沈黙、盲目、衰弱、動揺、魅了の六種類ですね」
「なんで僕が呪いを持ってること知ってるの」
「推しなので」
満面の笑みで答えるサリア。
彼女の職業は【信仰者】だが、一体誰を信仰しているのか……
カリナは考えるのをやめる。
「この内、衰弱、動揺、魅了は私が与えることができます。それで良ければ、今すぐにでも」
「お願いするよ」
そう言うと一つの机を仕切りにして二人は目を合わせる。
「一度に全ては不可能なので、衰弱からいきます。【衰弱眼】」
手足がピリピリと震える。
体から力が抜ける、耐えようと腕を机につく。
「だ、大丈夫ですか……?」
「大丈夫だよ。続けて……!」
サリアが自然と手を握ってくれた。
耐性が徐々についていく。身体に芯が生えるようだ。
時間はかかることなく、取得音が鳴る。
スキル取得
【衰弱の体】
「獲得までが速かったですね、もっと目を合わせたかったです」
「まだ二つあるんでしょ……?」
同じ要領で獲得していく。
【動揺眼】を受けているときは、頭がパチパチとするようだった。
集中できず、思考が揺れる。
スキル
【動揺の体】
魅了は獲得までに時間がかかった。
それは、サリアが照れて目を閉じてしまうからだ。
【魅了眼】を受けていると、目が離せなくなってしまう。
次第に頬が熱くなり、耳が熱を持つ。
照れや恥と同じ感情を強制的に与えてくるようだ。しかしカリナは疎いため、ただの身体変化に感じた。
だが、サリアは推しの紅葉した頬に、興奮が止まらない。
「私が、魅了されています……!!!」
「まだゲットしてないよ……」
これも時間の問題で、いつの間にかスキルが獲得できていた。
スキル取得
【魅了の体】
「すごいスキル名だね」
「私からすればその名のとおりだと思いますよ」
「ほんと? 僕、恥を振りまいてたんだ」
ともかく三つのスキルを手に入れて既に満足だったが、話はこれからである。
「あとは、凍結、沈黙、盲目ですね。どれも当てがあります。一緒に行きましょう!」
「了解」




