表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/61

2-4 クリスマスローズ~忘れてた人~ その2

挿絵(By みてみん)

もちろんその後の打ち上げでも私は有頂天。プレゼンを乗り切った解放感もあったし、雪恵さんにおだてられて、それこそ木に登ったサルのように上機嫌だった。


「さて、私はどうやって二股を見破ったでしょうか?」


居酒屋にデザイン部の女子6人が集まり、酔った勢いもあって私は鉄板自虐ネタを披露した。


「えー、なんか匂わせとかあったの?」


「匂わせどころか動かぬ証拠よ」


「クルマの中にピアスが落ちてたとか?」


「惜しい、クルマに盗聴器でした」


「っきゃー! さすが香菜ネエ、やるぅ」


予想通り、いちばんのリアクションいただきました!


「伊達にダメ男コレクターしてないわよ。超高性能のやつ奮発しちゃった」


「リアルにスパイファミリーってか」


自分でも不思議なくらい、タカシのことは笑い話にしても心が痛まない。


彼とは正式に別れたわけではないが、連絡があっても忙しいと言ってあれきり会っていなかった。忙しいのは本当だが、もう彼のために予定をやりくりする気力すらなく、さすがに脈がないのくらい気付いているはず。

いっそあのフカヒレラーメン女とお幸せにくらいの気分だ。


「でもさぁ、そこまで男運悪いってあるかなぁ」


「それって私が自らクズ男を選んじゃってるのかしら?」


「じゃなくて、香菜ネエはめちゃくちゃ優しいんじゃないの?」


「なにかやらかしても、一生懸命謝れば許してくれそうって思われてるとか」


「わかる~」「わかり味~」


「それは舐められてるってことでしょ」


「菩薩のように心が広いとか」


「違うわよ! ぜんぜん心狭いんですけど」


「そう思われてるだけってことかな」


「待って、それじゃ私はダメ男製造機だった?」


「男は優しくし過ぎるとつけあがるってことだね」


みんなが揃ってうんうんと頷いた。

年下の先輩軍団に言われるまで気付かなかったが、確かにそれは一理ある!


「次からはもっと厳しくした方がいいよ」


(次なんて、もう当分ないケド)


「そうそう香菜ネエはもっと高めに設定したほうがいいって」


「ケバいだけの港区女とはわけが違うんだから」


仕事どころか男のことまで年下にアドバイスもらうなんて、私ってそんなに恋愛偏差値とやらが低いのだろうか。


(イタすぎではないか?)


「いいじゃない、その分『女運』はいいんだからさ」と励まされる始末だ。


(とは言えさすがに1万円で捨てられたなんて話はドン引きだよね)


あの朝のことは思い出すだけで泣きたくなるし、とても笑い話にはできそうにないから早く忘れたいのに。


(神様、私にお仕事たくさんください。嫌なことみんな忘れられるくらいに)


いまはただ仕事が忙しくなるように願うのみだった。



そしてその願いは叶った。


一カ月後マリリンは意気揚々とイタリアへ旅立ち、その穴埋めに入った新人はグラフィックデザインが得意な人で、マリリンの仕事はほぼ私が引き継ぐことになった。超速で仕事をこなしていたマリリンには及ばないけれど、いまのところギリギリながら仕事は回っている。


佐山社長には何故か懐かれていてときどきお誘いのメールが来る。やっぱり私には『強引に押せばなんとかなりそうなオーラ』が出ているんだろうか。ちょっとムカつくがそれは堪えて丁重かつキッパリとお断りした。おぢの相手なんかしてる暇ないって。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ