第三話 水の都
どうも皆さんこんにちは、転生して3日目となった楽白と申します。
とりあえず楽白という名前で、この異世界を生きていくということがわかりました。
もっとかっこいい名前にすればよかったと後悔しています。
チクショウッ!
そして現在、見ず知らずの俺を助けてくれた白月というお方と共に、水の都ウェールに向かっています。
え?なんで今、気持ち悪い敬語を使っているかって?
てっめぇ!今気持ち悪いとか言ったな!?
ゴホッゴホッ...
大変失礼致しました。
えー、何故わたくしが敬語を使っているかと言うと...どうも白月と一緒にいると敬語になってしまうのです。
なんか、上司の機嫌を取り損ねないように気を使っている前世の俺みたいです。
HAHA...虚しくなるからもうこの話やめますね。
「楽白...お前元気なさそうに見えるんだが...大丈夫か?」
「え、ぁぁいや大丈夫ですよっ!」
「敬語はやめろってさっき言ったろ?旅をする仲間としてタメ口で接した方がいいと思うぞ。」
ごもっともでございますッッ....
てか、旅仲間かぁ...やっとファンタジーっぽくなってきたじゃん...
走ったり...走ったり....魚食ったり...殺されかけたり....
転生してからろくなこと起こってねぇじゃねぇか!!
てか、俺転生したんならまず赤ちゃんからスタートするはずだよな...?某ラノベ小説でも赤ちゃんからスタートしてたぞ。
今の俺の年齢も分かんないし..謎が多すぎるぅ...
お、てか敬語じゃなくなってるじゃん!やったぜっ!
「そういえば白月って何歳なんだ?」
「お、タメ口じゃんその調子で頼むよ。俺の年齢か...今年で16歳だな。」
「16歳?!」
16歳だと?!俺の19個下じゃねぇか...
その年齢であの強さってどんだけ強いんだこの人....
「楽白は何歳なんだ?」
.....俺は何歳なのだろうか...0歳...なのか?いやいや、この身体で0歳なわけがなかろう。
白月とほとんど身長は同じだし、俺も16歳だと嘘ついとくのが得策だろうか...いや、名前の時点で嘘つきまくりだ。
とことん嘘をついてやろうじゃないか。
「白月と同じで16歳!」
「俺と同い年なのか!..なら余計に敬語は使うなよ?使ったら、ぶった斬ってやるよ。」
「ひぇ?」
え、急に怖いんですけどこの人。
怒らせたら1番ダメな人ランキング一位だろこれ。
だが、これは冗談だったらしい。
「はは、冗談だよ!安心しなって」
「ほっ...」
良かったぁ...けど何故だろうか、冗談に見えても冗談じゃないように見えてくる俺がいる。
絶対に白月には敬語を使わないと心の中で誓っておこう....俺の身体が真っ二つになるかもしれないからな。
「そういや、水の都でなんの用があるの?」
「水の都にいるとある鍛治職人に刀の制作依頼を頼んでいたんだよ。先週に出来たと手紙で教えてくれたから水の都に向かうことになったんだ。」
え、まさかその刀より強い刀があるって言うんですか?
男のロマン溢れまくってんじゃねぇか!こりゃ唆るぜ。
かといって、剣術は全然知らないし...多分才能もないんだと思う。
うぐぐ、早く俺の得意な分野を探さなければ。
歩きながら、白月に水の都はどんなところか教えてくれた。
どうやら水の都には十大神の一人、水神がいるらしく、水の都を現在至るまで守り抜いてきた凄い人なのだとか。
運が良ければその水神の姿を見ることをできるらしい。
名前はカーヴァリオン。
彼は古い時代から十大神の座に居座っているらしい。
聞いた感じだと結構強そうな人だな...その人は棒人間なのだろうか...
もしくは棒人間ではない何かか...
そのことについて教えてもらおうと思ったが、
そんなことを質問してしまったらなんか怪しまれそうだからやめておくことにした。
そして、白月が木々が開けているところを指を指す。
「お、見えてきたぞ。」
「あそこが水の都、ウェールだ。」
お、おおぉ...!.!あそこ一帯が水の都ウェールだと言うのか?!
洋風の建物がズラっと並んでいて...ってか、海上にも建物があるじゃねぇか!なんだ、あのでっけぇ建物!こんな遠くから見てもはっきりと分かる建物があるとはな...東京スカイツリーを思い出す...
「...ここら一帯が水の都ウェールなの?」
「ぁあ。水の都は結構栄えているからな。小国ひとつ分の財源があると言われてるほどにな。」
すげぇな、つまり首都みたいなもんだよな。
...てか、今はそんな細かいことを考えたくない!早くあそこに行きたい!!男の第六感が早く行けと言っている!!!!
「早く行こうよッ!!」
子供みたいにはしゃいでいる俺であった。
「そこまで喜ぶとはな。んじゃ早く行くか!」
こうして山を降りていき、水の都に到着することができた。
やっとだ...やっと、ファンタジーらしいところに着くことができた...!!
「俺から離れるなよ?結構迷子になりやすいんだから。」
あ、やべ興奮しすぎたか。
てか、白月の刀を受け取りに行くんだったな..忘れるところだったよ。
そして俺は分かったことがある。
棒人間って5本の線と丸でできてるじゃん?けど、たまに筋肉がすげぇ奴がいたり顔が四角だったり、三角だったりで色んな人がいてとてもおもしろ...え、あの人翼生えてるじゃん!すげぇ!俺の知ってる棒人間の範疇を超えてる!
白月がハッとした顔でこちらを見る。
「...そういえば楽白はベェール通貨ないよね?」
「ベェール通貨...?」
な、なんだその金みたい...いや金か。
俺はとりあえず...顔を傾げた。
「やっぱりないよね...仕方ないな。ほれ、銀ベェール3枚あげる。ここら辺で気になるものあったら買うといいよ。」
な、なんだと...つまりこれは、お小遣いという..わけだな?!最高すぎるだろあの人!けど、この銀ベェールがいくらぐらいの価値なのか分かんないしなぁ...
「俺は鍛冶屋で刀を受け取りに行くからまた後で会おうぜ」
「ありがとう白月ー!」
礼を済ましたことだし、この銀ベェールを使って何か買い物してみようじゃないか!
お、ここは何を売っているのだろうか。
早速、気になるお店に入ることにした。
おぉ、色んな本があるなぁ。
どうやらここは魔術書が売られているらしい。
これ読んだら魔法使えるようになるのかなぁ...ぐへへ。
とりあえず、気になる本があったので値段を見てみることにした。
ー水魔術の基礎本ー
銀ベェール20枚
....全然足りねぇ!!!
てか、基礎本でこんなにかかるんかよ!!
俺は心の中でめちゃくちゃ文句を言ったのち、店の外に出ていった。
うーむ、何か安く買えるところはないのだろうか。
そういえば、水の都の食べ物って何があるのだろうか。
よし、水の都のグルメ巡りをしようじゃないか!この世界のグルメがどんなものか見てやろうじゃないか!
とは言ったものの、都会かなここ。
いや、ビルみたいな建物とかはないよ?人が...人が多すぎる!!
水の都って結構な大都市なのでは...?!俺が最初に訪れていいところじゃねぇだろおい。
お、あそこに屋台あるじゃん!美味しそうな匂いもするしそこ行ってみるか!
美味しそうな匂いがする屋台の方に向かってみることにした。
お...おぉ...?!串?に肉らしき物が刺さっているではないか!しかも焼き鳥と似ているな...これは是非買わないとな!
「あの!この食べ物買わせてください!」
「はいよ、1本銅ベェール8個な、おつりはあるから銀でもいいぞ。」
親切そうな人でよかった、んじゃ遠慮なく銀ベェールで買わせて頂こうじゃないか。
「銀ベェール1枚で二本ください!」
「毎度あり、熱いから気をつけろよ。ほれ、おつりの銅ベェール18枚な。」
「ありがとうございます!」
やったぜ!無事に買えることができた!どれどれ、早速食おうじゃないか。
ムシャムシャ...
モグモグ.....
うっっっっま!!?
炭火でじっくりと焼き上げられた何の肉かは分からないが、表面がこんがりと香ばしく、噛んだ瞬間に肉汁がじゅわっと口いっぱいに広がるじゃあないか...
炭火の香ばしさ……絶妙だな。濃厚なのにしつこくない。
最高すぎんか...焼き鳥には少し程遠いがこれでも十分すぎる。
ぁあ...酒と一緒にたべたぁああい!!!
1本目を食い終わらせ、2本目に突入した。
串に残った最後の一切れまで堪能し、口の中に残る余韻を楽しみながら、満足げに息を吐いた。
え、なんか本格的な食レポしてるくね俺。
ま、いっか!
他にどんな食べ物があるのだろう、とウッキウキな気分で顔をブンブン振っていた。
そこに白月が近寄る。
「お、楽しんでそうでなにより」
「あ、白月!もう終わったの?」
「おう!ほら、これよ。亜龍種のブラックドラゴンの鱗を使った刀だよ。」
「亜竜種...????」
おい初めて聞く単語だぞ。
しかもドラゴンだと?この異世界に存在するのか!?
「あれ、亜龍種知らないのか。まぁ、簡単に言ったら純龍種の亜種みたいなもんだね。亜龍種のドラゴンよりも硬い鱗を持つことで有名なんだよ。」
白月が刀を見せてくれた。
刃が黒い...どうやら、亜龍種のブラックドラゴンは結構な硬さを持つらしい。
流石、剣神になるために本気でやってるんだな。
「いくらしたの?」
「たしか...金ベェール25枚かな。」
「それって銀ベェール何枚分なの?」
「んと、250枚分くらいはあるはず。」
はっ...??高すぎんか?水魔術の基礎本を25本は買えるぞ。
んまぁ、そんぐらいはするよな。
聞く感じだと、純龍種の上位互換らしいし...結構な実力がないと倒せなさそうだな...俺みたいなやつが倒せるわけがないと思うし。
「そういや、楽白。その姿だと悪目立ちすっぞ。何かしら身に着けた方がいいぞ。」
あ、そういや俺って...すっぽんぽんの棒人間じゃん。
白月みたいに帽子を被ったり、周りの人は服を着てたりするし...え、まさか俺ヤバいやつだと思われて変な目..いや目はないか...ともかく俺が変に見られていることは確かなはず...
「せっかくだし、楽白に似合う服とか探すか。」
「え、いいの?!」
「あぁもちろん、俺の奢りだ。」
モテるだろこの人!!
てか、モテてるだろ...こんな優しい人が実在するなんてぇ...ウグッ..幻の存在かと思ってたのにぃ...!!
こうして、白月と共に俺に似合う服を探しに行くことにした。
てかこの人、金は大丈夫なのだろうか。
まさか、結構裕福な家系だったりするのか...?あの銀ベェール250枚分の刀を買うほどだしなぁ...
まさか、貴族とかだったりする...??
いや...まさかね...?
そんなことを思いながらも服屋に到着した。
「とりあえず、気になるやつ探してこい。俺はここで待ってるから。」
「おっけ〜」
おぉ、意外とこの服屋広いんだな。
ユニ〇ロに行ってる気分で楽しいぜ!けどやっぱり、色んな種類の服があるなぁ。
ある服を見た瞬間驚いてしまった。
「''え''」
なんて言うことでしょう..なんだあの禍々しい服は!え、目みたいなの動いてね?グロすぎませんか!?
その禍々しい服に近く1人の棒人間がいるのがわかる。
ちょいちょい!大丈夫なのか?!あの服如何にも
「危険ですよ」って言ってるようなもんだろ!
え、着てね?何あの人怖いんですけど?!
「お、お客様...?大丈夫でしょうか?」
「え、あ、あの禍々しい服ってなんなんですか!」
あの服を売っているのは正気の沙汰じゃねぇぜ!
あれ絶対呪われてるだろ!
「あー...あの服のことですか。魔法具となっておりまして、主に自身の身体能力を上げる効果がありますよ。」
あ、あの見た目で...?異世界の服ってそんなのもあるのか?
「あ、教えてくれてありがとうございます...」
お礼を済まし、早歩きで逃げていった。
ひゃあ...あんな服絶対着たくないね。
別に見た目にこだわりたいとかないからシンプルなやつでいいんだが...
唸りながら歩き、どうすればいいか悩んでいるのであった。
....ん?
とある物に目線が行ってしまった。
薄黒いフードだ。
珍しいな..フード単体のは前世でもちょくちょくあったけど、あのフードはパーカーに付いてるやつと同じやつじゃないか?いや...ここは異世界だしな..充分に有り得るか。
試しにそのフードを着てみることにした。
お、意外と悪くないぞ...着心地も良いし。
まぁ別にこの世界服とか着なくても大丈夫そうだし、てか大丈夫じゃなかったらどこかしらの警備さんが捕まえるだろうし...
よし、このフードにしよう!
そうと決まれば、早速白月の元へ向かい報告することにした。
「白月ー!これに決めたよ!」
「お、決めたのか!どれどれ見せてみろ。」
「じゃじゃん!フードッ!」
「...それで良いのか?」
あれ、意外な反応だな。
シンプル過ぎたかな...?
「え、ダメだったかな?」
「いや、ダメじゃないんだけどそれだけで良いのか?」
「え、うん大丈夫だけど。」
え、めっちゃ不安になってきたんだけど。
なんか訳ありのフードだったりしないよね?まさか、さっきの禍々しい服みたいなやつじゃないよね....??
「楽白が良いならいいんだけど、それだけで良いのかなぁって、思っちゃってさ。」
「その様子だと本当にそれで良さそうだし、んじゃ会計しにいこっか。」
イケメンすぎるね白月。
ん...なんか俺、彼女みたいになってねぇか...?いやいや、そんなことないよな?
考えない方が得策だな..HAHA....
こうして、会計を済ました白月と共に店の外へと出る。
フフフ...んじゃ早速フードを着けようじゃないか。
これで俺はただの5本の線と〇しかない棒人間は卒業だぁぁ!!
白月は楽白がフードを着けたことに気づいてくれた。
「お、似合ってるじゃん!良いね!」
「ありがとうッ!」
よっしゃあ!
ガッツポーズを取るほどに嬉しくなる俺であった。
しばらくはこのフードと一緒だぜ!よろしくなっ!フード!
「お母さんーあの人変だよぉー?」
「こらっ見ちゃいけません!」
たまたま通り掛かった親子からの攻撃を食らってしまった☆
....しばらくはあんま変な挙動はしないようにしよう....トホホ...
「お、なんか大通りで人混みが出来てるな...なんかあったのか?...楽白見に行くぞ」
「え、あ、うん」
どうしたのだろうか、なにか事件でも起こったか?
あれほどの人混みが出来てるんだ...大事だろうな。
とりあえず、人混みが出来ている所へ向かう白月と俺であった。
...ん?なんか、聞こえてきたぞ?
「・・・水神様が凱旋なされる!皆の者!道を開けよ!」
水神様...?!まさか、白月が言っていた十大神の一人...カーヴァリオンなのか?!
「楽白、今日は運が良かったな。水神が凱旋される日だったとは...俺も予想外だ。」
てか、なんだあの水白い羽織を着ている集団は。
「白月、あの羽織を着ている人たちはなんなの?」
「ぁあ、あの人達か。彼らは水神直属の騎士団、蒼海騎士団だっけか...定員は12名だから結構な実力を持つ人達が多いんだ」
ほへぇ...良いもんが見れそうだなこりゃ。
水神がどのような人かも見ておきたいところだ。
「おい!水神様が来たぞ!!」
お、マジ?めっちゃワクワクするんだけど!
興奮が止まらない俺であった。




