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第二話 ハプニング

なんでこんなことになったのだ。



焼き魚を食べ、腹がいっぱいにもなって元気いっぱい!こうして、川を頼りに川を辿りながら川の近くには街があるという希望に賭けて走っていた。

これがさっきまでの俺だ。


んで今の俺はこれだ。

黒い棒人間が5人、俺のことを包囲している。

しかも敵意が丸出しで臨戦態勢にも入ってるじゃないか。

さっきまでのほのぼのとした雰囲気が台無しじゃないか。

2つ分かったことがある。

1、この世界の棒人間は人類みたいな存在だと分かった、

2、このままだと死ぬかもしれない。

死ぬのはまっぴらごめんだ。

せっかくのセカンドライフを無駄にしたくないからな。

言葉で解決しようと考えてみたが、言葉で納得するようなヤツらではないってことは一目見てわかる。

襲う気満々だね....俺の取り合いって可能性もあるのか。

いや、今は変な妄想はやめよう。

ファーストライフの俺みたいにはなりたくない。

とりあえず、まずは話さないとな。無駄だとは思うが、やれることはやっておかないと後悔する。


「あ、あのすみません。俺がなにかしましたでしょうか。」


とりあえず、俺がなにをしでかしたかを聞く。

ま、した覚えは全くないんだがな。


「あ?テメェ、今の状況が分からんのか。」


いや分かるさ。

5人に包囲されて、今にもいじめが起きそうなぐらい。

バカにしてんのかあの野郎。


「白族と黒族は対立関係にある!だから、白族のてめぇは死んで当然の棒人間なんだ!」


白族?黒族?なんだ、種族があるのか。

てか俺は白族なのか。

対立関係か...通りで最初から敵意がむき出しな訳だ。

多分、顔の色で判別しているのだろう。

彼らは全身黒くて顔も真っ黒だ。

小学生の頃、教科書に落書きでよく書いてた覚えがある。

けど俺は顔が白くても体は黒い。

てか、死んで当然?これはもう、避けられない事態になってしまったな。


「そんな、やめましょうよ...」

「やめる?お前はバカなのか?黒族と白族の争いはもう止められねぇんだよ!」


マジかよ、和解とかしようとしなかったのか?いや、したくないんだろう。

この争いが昔からあるとしたら、和解なんて言葉ないだろうし。

戦うか...?

いや勝てるわけがない。

なんせ、前世はただの平社員だし、格闘技とかそんなことをしたこともない。

あれ、これ詰みか?


「イラつかせやがって、てめぇらこの白野郎さっさとぶっ殺すぞ!」


え?ヤバくない?考える時間も与えてくれないって言うんですか?!

やばいやばいやばい!

どうする、もうやるしかないのか?

くそっ。

なんで俺はこんなことに巻き込まれなきゃいけないんだ。

なんかチートスキルとか特別な才能とかで倒せねぇか...?

ぁあもう、素手でやるしかねぇのか?けど、こんなひょろひょろな腕でやれるのか?

いや、こいつらもそうか。

だが、見た目で判断しちゃいかんしな....

少しずつこいつらが俺の方に近寄ってきている。

逃げ場を無くす気だな。

覚悟を決めろ、俺。

拳を握りしめ、いつ攻撃が来てもいいように構えをとった。

俺が出せる全ての力をぶつけてやる。


「おらぁ!!」


来た、俺の前にいるやつが気合いの入った声と共に拳を俺の方に振るってきた。

俺はカウンターなんてやつは知らない。

だから、防御を取るしかないと瞬時に判断した。

自分の体を守るように黒細い腕で防御をした。


「ぐっっ!」

ズササッ


敵の拳を受けたと同時に足が後ろに下がってしまった。

てか痛い。

十分に痛い、けど耐えれる。

俺が攻撃出来ないように瞬時に目の前のやつが殴り続けてくる。

いつまで耐えれるか....時間の問題だろうな。

しかも、こんなやつがこいつ含めて5人もいると考えたら勝てるわけがない。

クスクス

周りのヤツら...笑ってやがる。

俺が弱いと確信したかのように、クソ...こんな状況前世でもあったぞ。

集団リンチに近いな。

だが、こんなに殴っているんだ。

少しは疲れているだろう。


「...はぁ...はぁ...しぶと..いなぁ!」


予想的中!動きが鈍くなってきている。

まさか、俺の体がこんなに頑丈だとはな。

こんな細い体なのに、いやまぁ異世界だし有り得るか....

目の前のやつがよろめいてきたところを見逃さず、こいつに拳を当ててみようと思う。


「おらぁ!」


俺の渾身の一撃で目の前のやつに向かって拳を振るった。

当たった...効いてる..のか?

相手は立っているがなかなか動こうとはしていない。


「...てめぇ..!!!」


あれ、めちゃくそ怒ってね?てか、効いてなくね?

いや、拳が当たった時結構な音が聞こえたし効いてると思うんだが....

困惑していたが、おや?あいつ、膝がついたではないか。


「くそ...!」


周りのヤツらがざわめいてきた。

どうやら、効いていたらしい。

なんとも嬉しいことに、戦えることが分かった。

だが、倒れてはいない...いずれ立ち上がってまた殴りかかってくるだろう。

おっと、他の4人が警戒し始めたぞ。

いつ襲いかかってもおかしくない状況だな。


「...てめぇら!こいつを殴り殺せぇ!!」


こいつがボスみたいな立場なのだろうか?いやてか、指示を下したとなればすぐ襲いかかってくるはずだ..!!

無数の拳が俺に向かって降り注ぐ。

やっべ、これ避けれねぇぞ。

防御をするか?いや、間に合わない...仮にしたとしても、何人かの拳は当たってしまうだろう。


「くそっ!」


とりあえず、防御をとった。

だが、当たってしまった...しかも結構な強さの殴りだ。

そんな拳を食らった俺は倒れてしまう。

くそ、流石に勝てないか...このままじゃ、死ぬのか...?


「さっきは良くも俺に一発入れてくれたな!」


さっき俺の渾身の一撃を受けたやつがもう復活している。

くそ、今度こそ終いか...


「楽に死ねると思うなよ?」


相当な恨みのようだ。

おわった、俺のセカンドライフここで終わっちまうのか?

死を覚悟してしまった、この異世界でやりたいことがいっぱいあったっていうのに。

呆気なさすぎる...なろう系主人公みたいにはなれなかったか...トホホ....

もう何をしても無駄になると思いながら、体なんか動かそうとしなかった。

あっという間だったなぁ...思い出なんか、焼き魚を食ったくらいだぞ。

虚しすぎだろ俺。

ボスみたいなやつが拳を握りしめている。

ぁあ、死ぬのか..俺。

拳を俺に向かって振るいはじめた....


「クっ..!」


死ぬ...!!.......ん?

殴られてないぞ?

おかしいな、まさか俺もう死んだ?だが、まだ体の感覚が残っている。

不自然に思った俺は顔を見上げる。

わぁお。

こいつの腕なんか切られてね?


「ぐぁぁぁぁぁあ!!」


腕を切られたやつが悲鳴をあげる。

誰かに助けられた?だとしてもどうやって?

周りのヤツらが俺から下がっていった。

俺がやったと思ってるのか?よく、周囲を見回してみた。

お?

なんか、帽子被っているやつがいる。

腰?に刀みたいなのを帯刀している。

The SAMURAIみたいな雰囲気を出しているのが分かる。

まさか、侍みたいな人が助けてくれたっていうのか?

だが、切られたヤツとだいぶ距離がある。

どうやって切ったっていうんだ....

周りのヤツらが侍みたいなやつの方を見ている。

怒っているやつもいれば怖がっているやつもいた。

どうやら、俺はまだ生きれるらしい。

多分、あの人は味方なのだろう。

ほっ..と一息をつき、こっからどうするかを考えることにした。

多分、黒い奴らはあの侍みたいな人と戦うことになるだろう。

あの侍みたいな人と戦うべきか...いやそうするしかない。

命を救ってくれた恩人なわけだからな。

やれることはしないと申し訳なさすぎる。


「てめぇぇぇぇええ!!!俺の腕をおおお!!」


腕を切り落とされたやつが侍みたいな人に襲いかかった。

それに続いて周りの奴らも襲いかかる。

やばい、一人で倒せるわけがない。

助けないと..!

決死の思いで黒いやつらを倒す手伝いをしようと思った。


だが


轟くように風の音が響くと同時に、黒いやつらの身体が真っ二つになっていた。

は?

何が起こった?あの一瞬で何をしたんだ?

侍みたいな人の方に視線を向けると、いつの間にか、刀みたいなのを納刀していた。

斬撃かみたいな何かを飛ばしたってことか...?

只者じゃない...何者なんだ...剣術の達人...?

ザッザッ

俺の方に歩いてきた。

怖い、けど助けてくれた人だ。

そんなことを思っていたら失礼だろう。


「あ、あの助けてくれてありがとうございます!」


とりあえずお礼の言葉だ。

...何も言わないな、無口を貫くってか。

何も言わず、俺の方に近寄ってくる。

なんなんだ、不思議なひとだなぁ....

バタッ

あれ?倒れた..?めっちゃ困惑したんだが、まさか死んだとかないよね?え、その場合俺どうすればいいか分かんないよ!?

ギュルルル

腹の音が聞こえた。

あ、まさか....

予備の焼き魚があったので侍みたいな人の近くに置いてあげた。

反応がないな....と、思っていたが急にガバッと起き上がり、焼き魚を見るなり焼き魚を手に取って、あっという間に食ってしまった。

ポカーンと、食べている姿を見るしかなかった。

その人は何かに気づくと俺の方に正座をしてきた。


「君が焼き魚をくれたのか!」

「え、あ、まぁそうですけど..」

「本当にありがとうッッ!!」


めっちゃ感謝されている、すげぇ光景だ。

とりあえず、話を聞いてみた。

どうやら、5日くらい食料を食べていなかったらしく、旅をしているらしい。

なんで旅をする上で、予備の食料とか持ってこなかったのだろうか。

名前は白月(しろつき)というらしい。

てか、なんか日本語と同じじゃね?と思ったが、この世界の言語は複数あるらしく、日本語と同じだという言語はジャラン語というらしい。

都合が良すぎませんかね。

ま、聞いてる感じ悪いやつではなさそうだ。


「白月さんはどうして旅を?」

「白月でいいよ。旅ねぇ、剣神になる為かな」

「剣神...?」


剣神...?なんだそれは。

神様みたいなもんなのか..?


「なんだ君、十大神を知らないのか?」

「え、なんですかそれ」

「ぁあ、敬語もいいよ基本はタメ口で接してくれ」


めっちゃいいやつじゃんこの人。

モテるぞこういうのは...くぅっ!俺も前世、白月みたいにすればモテてたかなぁ...!

こんなどうでもいい話はどっかに捨てておいて、どうやらこの世界には十人の神がいるらしい。

一柱 覇神

二柱 死神

三柱 賢神

四柱 水神

五柱 剣神

六柱 正神

七柱 闘神

八柱 機神

九柱 黒神

十柱 白神

どうやら、これで固定という訳でもないらしく、例えば四柱の水神が炎神に変わったり、四柱から六柱に下がったりすることもあるんだとか。

けどここ100年、変わることは一切ないのだと言う。

なお、九柱と十柱の黒神と白神は黒族と白族の争いのせいで仲が悪いらしい。

さっきの、集団リンチみたいなのが起こった理由はそれも原因なのだとか。

どうやら白月は、剣神なるためにいずれ、剣神と決闘を申し込み、剣神の座につくことを目標としているようだ。

そりゃ、あんなに強いわけだ。


「君、そういえば名前を聞いてなかったね。お名前は?」


...あ

そういえば俺の名前はどうすればいいのだろうか。

転生された日から、そんなこと考えてもなかった。

どうしようか...考えすぎたら白月に怪しまれそうだし...くっ、もうどうにでもなれ!

自暴自棄にパッと出た名前を言ってみた。


「ら、楽白(らくはく)!楽白だ!」

「楽白か、いい名前じゃないか。」


よ、よかったぁ、何とかこの状況を乗り越えることができた。

だが、楽白か...まぁ変な名前だがこれでいいだろう。

いや、生涯この名前で生きていくとしたら...ミスったかもしんない...haha....


「...良かったら俺の旅について来ないか?多分、街を探してるんだろ?この先の方に水の都ウェールがあるんだよ。んで、俺はそこに用があるんだ。」


なんてことでしょう。

この人は神でした、こんな優しい人がいるとは思いもしなかったぞ。


「いいんですか!是非ともお願いします!」

「おうっんじゃ行くか!」


軽い返事で俺が白月について行くことを許してくれた。

本当に優しいんだなこの人。

見た目で判別するのは本当に良くないんだと改めて思った自分であった。

てか、水の都ウェールか。

そこで、何か魔法を使えるようになればいいのだが....

こうして、俺と白月は一時的に旅の仲間となり、水の都ウェールへと向かうことになったのであった。

この異世界ではどこまで文明が発達しているのか、気になってしょうがない。

白月いわく、その魔法都市に着くためには約2日はかかると言っていた。

こんちくしよぉ...遠いじゃねえか。

絶望しながらも歩き進める俺であった。












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