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246 4団体対抗戦2

「みんな準備はいいか!ファイナルまで行きたいか!」


「「「「うおおおおお」」」」


 忍者競技場には各チームから選出された猛者たちが腕組みしにらみ合っていた。では俺が考えた忍者競技の種目はこれだ。


 第一ステージ:ロングジャンプ~ローリング丸太~揺れる橋

 第二ステージ:重量壁上げ~クリフハンガー~そそり立つ壁~ターザンロープでゴール地点に着地

 最終ステージ:綱昇り


 前のステージで腕の筋力などを酷使した状態で最後の綱渡り。さてファイナリストが出るのかみんな頑張って。


 第一ステージ、最初のロングジャンプはトランポリンでジャンプをしてその先にある網を伝っていき、ローリング丸太はそのまま、丸太を抱きかかえ対岸までたどり着き、揺れる橋を落ちないように進む第一ステージ。


 第二ステージ、最初は重量がだんだん重くなる壁を上げ、指の力だけで進み、そしてそそり立つ壁を昇、ターザンロープでゴール地点へ降り立つ第二ステージ。


 そして第三ステージは綱昇り。


 さあ、猛者達に頑張ってもらいましょう。


「さあ、始めます。1番、フォーゲリア騎士団ペトロ君。頑張って第一ステージクリアしましょう。みんなも応援してね」


「ペトロ、落ちろ!」「ペトロ、引っ込め!」


 同僚からの罵声がこだまする。応援してあげて。


「ペトロ、始めて~、よーいドン」


「ケビン様、心の準備させてくださいよ。もう、いっきまーす」


 走って、トランポリンでジャンプ。さあ、網を掴め。掴むんだ。かろうじて指先で綱を掴んだ。頑張れ、力技だ!落ちるな。


「おお~」「掴んだぞ~」「そのまま次にいけ」「早く行け」


 次はローリング丸太だ。遠心力で投げ出されないようにな、ペトロ。


「うわぁぁぁぁぁぁ、目が回る、手が離れてしまう、うおぉぉぉぉ」


「ペトロ、手を放すんじゃねぇ」「がんばれ」


 持ちこたえてくれた。が、ふらふらしている、大丈夫かな。回る際は視線を一定の場所に固定して回らないと目が回るんだよ。一緒に目が回っちゃったね。次は揺れる橋だよ。普通に歩いていても揺れるから、バランスだよ。落ち着いて、ペトロ。


「ケビン様、揺れすぎです。なんですか、これ、どうやっていけばいいのですか?えー?」


 おれはヒントをあげられない。一番最初の人は後方の人にヒントをあげられるような動きをして落ちてくれ!ペトロ、がんばれ。


「うぉー、やってやる、やってやる、うおー」


 走って飛ぶ作戦?うわー、落ちる、落ちると思ったら縁に指かかった。


「うおーー、落ちるもんか!」


 腕の力だけで上がってきた。これはボルタリング効果か?その後ターザンロープで勢いよく着地地点へ落下。落ちるな、踏みとどまれ。


「いえーい、やった、やりました」


「第一ステージ、ペトロ、クリアーー」


「「「「うおぉぉぉぉぉ」」」」


「ペトロに続けー」


 うちのフォーゲリア騎士団は活気付いたね。ペトロ第二ステージまで腕を休めておいて。第二ステージは腕力勝負。


「さあ、次は隣の領地のハチワーレール侯爵騎士団お願いします」


 隣の領地の騎士団もなかなか強い騎士団だ。同じボールドウエッジ公爵家の寄子だ。


 もう二つの騎士団は北地域のフィヨルリード伯爵騎士団とイグリース男爵騎士団だ。


 三つの騎士団は共に魔獣討伐をする仲である。タウンハウスは王都内にあるがわざわざうちに来ては鍛錬をしている。この2つの騎士団なら楽しく対抗戦をしてくれるだろうと選出してみたのだ。


 その後はトランポリンに慣れない者は飛べずに池に落ち、またある者は遠心力で丸太を抱き抱えられず池に落ちる者達がいた。反りたつ壁で攻略できず離脱して行く者達がいた。


 そして第二ステージはうちの騎士団、ハチワーレール侯爵騎士団、フィヨルリード伯爵騎士団、イグリース男爵騎士団それぞれ猛者達がほぼ同等の人数に残っている。今度は腕力勝負なので、ひたすら腕力で打破できるかもしれない。


「では第二ステージ始めます。時間制限があります。時間制限内に突破できた人がファイナル進出です。さあ、皆さん頑張ってください」


 重量壁上げでは段々重くなる壁を全身を使って上げ、最後は気力勝負。そして、続くクリフハンガーは指先だけで移動していき、最後は反りたつ壁を昇り、やはり腕の力で昇る。きついだろうなあ。脱落者は途中力尽き、池に落ちていき、または反りたつ壁を登りきることが出来ず、タイムオーバー、ターザンロープでゴール地点に着地出来ず落下する者たち。


 ファイナル進出者がここに集結した。


 うちの騎士団は副騎士団長イーブイ、俺の護衛騎士エルビス、ペトロ、ダルゾット、エドベリが進出。ハチワーレール侯爵騎士団は7人、フィヨルリード伯爵騎士団6人、イグリース男爵騎士団4人が残った。


 おーい、うちの騎士団5人しか残らなかったの?ハチワーレール侯爵騎士団はさすがに上位にいつも君臨する騎士団だから強いのか。うちの騎士団はまだまだ鍛えていかないとダメなのだね。


「ファイナルに残った皆さん、あなた方の実力を見て、すみません、高さを高くしてしまいました。少し休憩してからファイナルへの挑戦です」


 何だか、ケビン様オーガ、人でなし、ペテン師などうちの騎士団の方から聞こえてきたが無視。ハチワーレール侯爵騎士団が強い。完全制覇を阻止しなければ。ズルいと言われようが完全制覇多数なんてダメだ。


 ファイナル完全制覇者はハチワーレール騎士団で2人出た。くそー、完全制覇者を出してしまうなんて。皆良いところまで行ったが時間切れ。よかった、高くしておいて。危なかった。


「おめでとうございます。ハチワーレール侯爵騎士団の皆様。あなた方とするときはもっと難易度を上げたものにします。絶対完全制覇出来ないようなものを作ります!」


「わははは、ケビン様、どんとこいです。我々はもっと強くなって完全制覇しますよ。ふふふ、ケビン様、楽しみにしてますよ!」


 ムッキー。上から目線しやがって。絶対絶対難易度を上げてやる。


「け。ケビン様。ハチワーレール侯爵騎士団を基準にすると、難易度があがり過ぎです」


「何を言っているんだ。君達も特訓あるのみ!」


「ケビン様も一緒に鍛錬するのですか?」


「ペトロ、何を言っているんだ。僕は総監督だから声がけだけですよ」


 ズコーって聞こえそうな雰囲気だった。僕は指示するだけだよ。さあ、最後の対抗戦だ。チャンバラ合戦と騎馬戦。チャンバラ合戦は頭と腕に紙風船をつけて潰していく競技だ。ここでもハチワーレール侯爵騎士団が優位に進み圧勝。騎馬戦の圧勝。騎馬戦は体格がいい者達が馬になり、比較的小柄なものが上になる。と言っても体格はみんな良い。僕、絶対踏まれる、怖い。みんなの闘志がメラメラと見えるようだよ。


 始めの合図とともに低い唸り声が響き地鳴りのような足音。そしてブオーンって感じでぶつかる迫力。殴り合うことは禁止しているので、必死にハチマキを取り合う取り合う。迫力あり過ぎて怖すぎる。これは次回から封印していいだろうか。必死になる騎士達。怖いのですが。


「父様、この騎馬戦は次回から封印していいですか?怖いです。みんな競技なのに必死で怖いです」


「まあ、封印しなくていいのではないか。剣術戦よりずっと安全な競技だと思うぞ。怪我した者達はすぐ用意したポーションやヒールで直している。それにみんな楽しそうだよ。ほらもうすぐ終わりそうだ、一騎打ちをしているよ。どうするんだろうな。勝負するのか」


 スクラムではないがドーンと体当たりし、上にのっている人達はハチマキの取り合いをしている。うおぉぉぉって勝者の雄たけびが聞こえてきた。凄い激闘だった。体が大きいって余計迫力がある。


 こうして、4団体競技は終了した。勝者はもちろんハチワーレール侯爵騎士団。強すぎだ。うちの騎士団との実力の差は歴然。この競技会で実力の差が分かってよかった。まだまだ上位への道が遠いことが分かった。


 そして、前もって優勝したら何が欲しいか3騎士団に聞いていた。うちが用意できる範囲の物で何が欲しいかである。そんなに高いものはあげられないよ。2位、3位、4位にもそれぞれ商品は用意している。参加賞程度よりはいい景品かな。


「おめでとうございます。優勝賞品の目録です。帰る際にお渡しします。実力の差が分かってよかった競技会でした。ありがとうございました」


「フォーゲリア伯爵様、ケビン様、こちらこそありがとうございます。有意義な訓練でした。これから忍者競技を全員にさせてよろしいでしょうか?脱落者がどれだけいるか確認したいのです。そしてもっと難易度の高い施設を作ってください。我々の騎士団はまた挑戦に伺います」


 ほどほどにお願いしますね。あなた方が強くなってどうするよ。うちの騎士団が強くならないとダメなんだよ。こうして合同訓練ならぬ競技会が終了した。みんな手伝ってくれてありがとう。労をねぎらって食事会を用意しているから、みんなで楽しもう。疲れたよ。


 と、いうことがあったんだ。領地のガゼボ?で目の前にいるガルトレイン騎士団長とテレンスに説明した。


「ケビン様、なぜタウンハウスでそのような施設を作っていらっしゃるのに、この領地での施設を補強していただけないのですか?同等にしなければ力の差が出てしまいます。作っていただけますか?それからその競技会は自分たちの実力が分かるものですね。分かりました。こちらでも引き受けましょう。その前に、再度鍛錬の見直しです。ケビン様、さっそく施設の強化をお願いします」


 トホホホ。領地でもあれをするの?目の前の騎士たちはやる気が漲っている。なぜ騎士たちはこうも熱いんだ、熱すぎる。


「領地の子供達や孤児院の子達を集めてその徒競走会をすれば、楽しいですね。そちらもお手伝いいたします」


 そうだね、子供たちを集めて、何か催しするのもアリだね。領民達に還元できるお祭りを考えていこう。そうだ、もうすぐ精霊様達との出会いの日が近づく。精霊祭でもいいかな。父様に相談だ。

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