245 ちびっ子徒競走
しばし忍者競技をするために騎士達は休憩がてらちびっ子達の世話をさせた。
「さあ、みんなこれからはみんなの番だよ。みんな集まって。さっき騎士達がやった玉入れをするよ。みんなはあのカゴに入れてね。頑張って高く飛ばすように入れてね。騎士の方々はボールがあちこち飛んでしまうので、子供達に渡してください」
自分達の背丈より少し高い位置の籠を見上げる子供達。小さい手に手より少し大きめなボールを握りして準備万端のようだ。元気な返事が返ってきた。
「「「「「はーい」」」」」
「「「「うおおおお」」」」
騎士達、子供達がびっくりするから抑えて抑えて。テンションがずっと高いんだよ。みんな。
「それでは、よーい、ピーー」
ホイッスルが鳴り響いた。子供達は一生懸命、籠に向けて、投げて行く。入ったことに喜ぶ女の子。ムキになって籠に入れている男の子。笑いながら投げている子供達。一生懸命ボール拾いをする騎士達。
終了のホイッスル。みんなが手を止めて、先ほどと同じ数を数えるためにスタンバイ。偉いぞみんな。そして1から数えて行く。数字の勉強になっていいよね。
「勝者赤チーム!」
ジャンプして喜ぶ子供達。
「では、みんなボールを1つずつ持ってきて欲しいです」
ふふふ、ボールに番号が書いてあるんだ。
「番号が書いてあるプレゼントを持っていってください。何が入っているかはあとのお楽しみです。みんなお兄さん、お姉さんの所に来て、ボールを渡してね」
うわーってスタッフのお兄さん、お姉さんへ並ぶ子供達。
「親御さん達、子供達のプレゼントの中にパティシエのお店の招待券や購入券、はたまた美容関係のちょっとした景品券などが入っている場合があります。入っていたらフォーゲリア商会の王都店のサービスカウンターに見せていただければ案内しますのでよろしくお願いします」
きゃーとざわつく親御さん達。
「皆さん、大人も子供も帰ってからのお楽しみですからね。入っているかどうかは開けてみてからのお楽しみですよ。わかりましたか」
みんなコクコク頷いている。フライングしちゃダメだよ。今回は全員に入れてあるのだ。第1回目だからね、大盤振る舞いだ。
「ケビン様、僕たちのプレゼントにもそういうのが入っている場合があるの?」
孤児院の子達だ。
「入っているよ。王都店のサービスカウンターにマリアやクロンに連れてきて貰えばいい。そうすれば案内するから。まぁ美容系だったら、マリアやお世話になっているおばあちゃん達に渡すと喜ばれるぞ」
「うん、僕たちも行っていいんだね」
「大丈夫、いつでもおいで。それに商会で働いている人に連れてくるようにいうから大丈夫だよ。お兄さん、お姉さんがどういうところで働いているか見る機会だから、いつでもおいで」
ニコニコ笑顔で戻って行く子達。
「ケビン、あの子達は孤児院の子達なのか?」
お祖父様とケンおじちゃんが孤児院の子供達の後ろ姿を見ながら訪ねてきた。引率しているのはマリアさんと最近孤児院で働くナツイさんだ。子供達はマリアさんとナツイさんに嬉しそうに報告していた。
「ケンおじちゃん、そうだよ。あの子達は西側地区の孤児院。うちの商会と協力している孤児院の子達なんだ。親が冒険者で亡くなったり、スタンピードで親を亡くしている子達、親に捨てられた子達、様々いる。それでもあの子達は頑張って生きていかなければならないんだ。僕はたまたま家族が揃っている貴族に産まれただけ。貴族だからと驕ってはいけないんだ。一生懸命やればあの子達も一緒に頑張ってついてきてくれるかなぁと思っているんだ。だけど僕みたいな考えの貴族がどれだけいるかはわからない。子供達には傲慢な貴族もいるし、善良な貴族もいるから、自分自身がいついかなる場面でも対応できるよう身のこなしをきちんとするようにとは教えているんだ。小さい時から覚えておけば大人になった時も忘れずに身についていると思うんだ。処世術を教えているよ」
びっくりしたような顔で見る2人。
「ケビンは突拍子もない行動が多いが考えは大人だな。ケビン、為政者にならないか?今やっと腐敗を排除したばかりだが、まだまだそういう貴族は多い。そうだ、もうルークと一緒に会議に出た方がいいのではないか?」
何を言っているのかな?ケンおじちゃん。そんなめんどくさい会議なんて行かないよ。父様にお任せでいいんだよ。
「いえ、僕はまだ子供なので無理です。それに椅子に座っても、立っても僕の姿が見えないと思うのです。みんなイスが喋っている?と思ってしまいますよ。まさか机の上に座るわけにも行かないですからね」
「この前、ケビン、食卓用子供椅子を作ったではないか、あれでいいのではないか?」
えー、みんなが高級そうな椅子に座ってあるのに、僕、子供椅子?やだよ。
「あれは食卓用です。会議には使えませんし、僕は小さい子供なので会議には出ませんよ」
なんで子供徒競走から貴族会議の話になるんだ?もう、まだ言っているよ、と言われるけど、声を大にして言いたい。
"脛を齧って生活していくんだ!(願望)"
もうさ、老後をそんなことしているとボケるだろうし、まぁ、気長に目標に向けて頑張って行こうと考えているよ。
さてと、忍者競技始めますか。みんなやる気にみなぎって制覇を目指しているから、今回は制覇者がいるのか!乞うご期待。




