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罪 ーANOTHER PAGEー  作者: 悪戯
第1章 罪『-another page first-』
6/9

第五幕【亜美羅の過去】

ーー燃え盛る獄炎の中に、一人の少女がいた。


………………ひっく、…………怖いよ

誰かぁ…。助けてよぅ…ひっく…。

少女は助けを求める。然しその声は届かない。

……痛いよぉ…。ママぁ…パパぁ…。何処にいるの………ひっく、

助けてよぅ………。


「おやおや、お嬢ちゃん。そんなトコで一体何してるんだい?」

「………?」

少女の目の前には、紅い眼の男が立っていた。男は少女の目線と同じぐらいになるように、背を丸めた。

「……何で泣いてるんだい?お兄さんに話してごらん。」

男は優しく話しかける。

「………怖いの。熱くて…痛くて…

寂しくて。」

「そうかぁ、誰がここにお嬢ちゃんを置いていったんだい?」

「分かんない。」

「そうかぁ………。そうだよねー、起きたらこうなっちゃってたんだから。」

「え…!何で知ってるの⁉︎」

驚く少女を見て、笑みを浮かべる男。「そりゃあ知ってるよ〜♪ずっと見てたんだから。」

男の不敵な笑みに恐怖を覚える少女。

まるで蛇に睨まれたカエルの様に。


「僕は桜庭(サクラバ) (ジン)、気紛れな死神さ♪」

「サクラバ…ジン。」

「……君は、九十九屋 亜美羅ちゃんだね〜?お嬢ちゃん。」

「うん……。」

亜美羅は桜庭 仁と名乗る男にしがみつく。

「…ジンお兄ちゃん、助けてよぅ…

怖いよぅ……。」

「……あぁ、良いよ、助けてあげよう。ついでに1人は寂しいだろうから、いいモノをプレゼントしようかなぁ」

「……いいモノ?」

「うん、いいモノだよ♪」

ジンと話している間にも炎は亜美羅達を追い詰めていく。

「ジンお兄ちゃん…!」

「……しょうがないなぁ、まったくもう。」

亜美羅に聞こえないように舌打ちすると、ジンは黒い影を纏った。

まさに、死神だった。

「……影のマント……⁉︎」

「捕まってなよ〜♪」

「…へ?……ッキャァアァア‼︎‼︎」

喋ったかと思うとジンは黒い影で炎を食べていた。然し、亜美羅が驚いたのは違う理由があった。

亜美羅が驚いた理由………、

「……背中から手が生えてる……!」

ジンの背中からは黒い手がうねりながら炎を食べていた。

「コレは影だよ、お嬢

大丈夫、お嬢を襲ったりはしない。」

「………良かった……。」

泣き疲れたのか、亜美羅は寝てしまった。



気がつくと、亜美羅は一人で焼け跡の目の前に寝ていた。

辺りを見回してみて、ジンと言う男は居ない。どこへ行ってしまったのだろう。

「……ジンお兄ちゃん…。」

亜美羅は悲しくなってきた。

またひとりだ。

寂しい…。

辛い……。

誰でもいいから、私と一緒に居て……

其処に、一つの黒い影が現れた。

「やぁ、目覚めたかい?お嬢。」

「…ジンお兄ちゃん!」

「…プレゼントを渡し忘れててね、ごめんごめん………っと?」

亜美羅は力一杯ジンに抱き着いた。

「プレゼントなんていらない……!1人は嫌‼︎一緒に居て、ジンお兄ちゃん!」

ジンはまた不気味な笑みを浮かべる。

「…大丈夫だよ、1人にならない為のプレゼントだから。」

「…え?」

そう言うとジンは、黒い影の中から

ヒトの形をした人形を二つ出した。

「…人形?」

「人形さ、かなりヒトに近い。」

そう言って、ジンは亜美羅に問いかける。

「1人が辛いなら、一人じゃ無ければいいのさ。」

「…1人じゃ…?」

「……覚悟はある⁇もう、戻れないよ?」

「…一人は嫌だ。覚悟はあるよ。」

「……そうか、じゃあ……。」

ジンは黒い影を出し、亜美羅の影と

接触する。

「少し…痛いよ?」

「……‼︎‼︎」

その一瞬、電撃が頭の中を

駆け抜けた。

「……コレを人形にリンクさせて……。」

亜美羅の影が人形にリンクする。

すると、人形は亜美羅と同じぐらいの身長になり、言葉を紡ぎ始めた。

「…俺……は、破善笯…。」

「私…………は、春、緋。」

「破善笯と、春緋…?」

「さぁ、コレで一人じゃないね!君のきょうだい、九十九屋 破善笯と、

九十九屋 春緋の誕生だ!」

「私の……兄妹…?」

何だろう、この不思議な感覚は。

「…コレから何があっても、乗り越えるんだよ♪今から彼等は人間としてこの世界に存在する事になる。」

一通り喋ったかと思うと、ジンは黒い影と共に掻き消えた。

「……行こうか、破善笯、春緋。」


其処から、私達の人生の歯車が狂い始めた。でも、大丈夫。怖くない。

一人じゃない、家族がいるから。

亜美羅は一歩、未来へと踏み出した。

失礼します、悪戯です。

今回は亜美羅と仁との出会い、九十九屋家誕生の真実などを綴りました。

これからもよろしくお願いします。

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