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「エピソード55 賢闘士編:≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫」

【めっちゃんこ! 説明したくないっス 誰デスカこんなの決めた奴は……】


≪トリッカル時空みたいに、頭おかしくなっているのはこちら側なんすけど? 世界樹みたいに放り出さないで下さい≫


【目を閉じてたら、ペルシリンのロマンスみたいに何とかならん?】


≪令和の民はそのアニメも曲も知らないと思います……≫


【マジかよ。セクシーコマンドー通用しないのかよ。平安時代からの遊びだって説明してたんやん……】


≪令和民はピューと吹くジャガーは知ってても、セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさんは知らないっス≫


【ガチで言ってんの? 伝説のギャグアニメなのに?】


≪多分、平成民界隈のレジェンダリーなので、等級を下げてくれません??≫


【今の深夜アニメって何やってんの? カオス過ぎるアニメとかないでしょ?】


 ≪あー……天使な小生意気とかは?≫


【多分、フック足らないっス……】


(いや、どれが良いんだよ……)


 作者の心に平成深夜アニメのフェーンが凪いで、潮騒を掻き消した。

 海原が引いた後に途が出来る。

 ヴァルと私はその現象を眺めていた。


 ≪その時が来ましたよ……往って視ると仰っていませんでした?≫


 【あぁ……そうかもしれないね……】


 時代を厭けて視る。

 水面に小石を投げ放つ、その波紋を見ることに嫌気が差す。

 その時と同じ様な嫌気さが遺った。


 それが積み重なって崩れると――。


 『海原が引いた後に途が出来る』


 ……そんな余韻が後に遺った。


≪説明をしないこと自体を説明しないで下さい。貴方の悪い癖ですよ≫


【ヴァル。時というのは時空を飛び越えて意味を持ってくる。その自体が説明をしないことなんだ】


 ≪いや、その理屈を今まさに説明してるんですが???≫


【過去の文化は、現在の人間に理解されなくても現在に意味を残す――という意味に変質した。人は何時だって意味を求めている。いつか『つもり』でいた後に、いつの日か変質している事に気づくが往々にしてあるんだ。それが、今ってことなだけだよ】


 その後、何時も通りに作者は応えを避けた。唯、見つめるだけでも、眺めるということも、悼みとしてやってくる。――その事を今、知ってしまって。また、海原を戻して。潮騒を再度、創り出そうとしている。


 その繰り返しが祭囃子になり始めた。それが何時なったら終わるのか……。


『海原が引いた後に途が出来る』その繰り返しが世界が何もなかったように思いこんで。ありのままの自然体が水平線まで永遠と伸び切った。


 これ以降、人類は水平線を海と空の線であると。瓶に蓋をした。それの上をオゾン層と亜空層として格子状に網を掛けた。その向こうに宇宙をと。––名を付けた。


【トリッカル時空みたいに。頭おかしくなっているのはこちら側なんすけど? 世界樹みたいに放り出さないで下さい……】


 唯、望み返した。人類はそう願ってる。

 いつも、積み重なって。


 ――がいつか崩れて。

 未知が充ちる前に身知であることを……。

 前書きで頭が痛くなっているんではないかって思うよ。でも待つつもりはないよ? 君の寿命が尽きる前に私が尽きるからね。待っては居られない。


 では、私の思想を話す。君の思想と価値観が全く違うこと理解しているし、それが変質する時間を待ってない……。後は君が決めることでしかないだろ?


(さて、どこから君に分かりやすく説明すれば良いだろう。これがどの様に、君の中で意味を取って、どのように変質するのだろうか……)


 ======================


【≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫のプロットとプロセスについて】


 物語は、弁論会最終回へと繋がる。始まりは、ルキウスの問い掛けからだ。


「修道女よ、血を塗る覚悟があるのか」


 それは、単なる質問ではない。ナーレに、その資格があるのかを問う言葉だった。ナーレは、その問いに対して弁論する場面へと入る。


 ナーレは、この問い掛けに詰まった。冷静に考えれば、それは出生や身分を問うものではなく、自らにその資格があるのかを問う質問だったからである。


 作者が考えたことは、この問い掛けに答えることではない事象だと思えた。資格を問われたのなら、此方も問えば良いのだろう、と。しかし、十三歳の少女がこの返しをするのは、あまりに不自然だった。


 生身のナイフを両手で掴んで、相手につき返す……。それは生命体として、あり得ることなのだろうか、と。

 

 私は色々と考え込んだ結果、ヴァルの精神体を上手く使おうと思った。


 ナーレとヴァルはバディであり、一つの個体に二つの精神体がある。ならば、これを活用すればいいのではないか、と。そう、ボクシングと同じように扱えば良い。無垢な少女を舞台からバトンタッチさせる。そして、未来人であるヴァルを舞台へ登らせる。


 リングのロープが揺れる。セコンドが選手を引っ張り出すように、ヴァルを舞台へ送り出した。


 ※「精神体がスイッチしている」と表現するのは、不作法だと思えた。それに、ヴァルはナーレの身体を支配したいわけでも、占領したいわけでもない。本編においても、そのような関係ではない。


 私達の身体が溶け合い、意識が交錯する――。


 一瞬のうちに、私はヴァル、ヴァルは私になった。

 心臓が新たなリズムを刻む。


 身に宿したテンポを、全身で奏でろ――。


 これまで本編では、そのように表現していた。しかし、今になって読み返すと、そこには違和感しか残らなかった。


 ======================


【ヴァルの弁論について】


 本編中では、ナーレとヴァルが一つの身体を共有する中で、ヴァルが前面に出る形で弁論が始まる。ヴァルが最初にルキウスへ投げ掛けた問いは、次のようなものだった。


「ルキウス殿、『修道女』と呼ぶその言葉、何を試みているのかしら?」コロッセオ内の貴族達は、その返しに眉間へ皺を寄せている。「この少女、何を狙っているのか」と。


 ヴァルは、二の矢を放つ。


「わたくしの性別? 神に仕える立場? それとも……『相応しい容姿』? 貴殿なら、きっと気高く教えてくれるわよね」


「なにせ、土まみれの農民には、貴族の言葉の裏を読むのは骨が折れるのよ」


 ※今思うと、ナーレの一人称は「私」なので、此処には明確に文体の揺れが存在している。

 だが、これを修正するつもりはない。何故、そうなったのか。その答えは、読者への問い掛けとして残しておこう……。


 右側の老侯爵は顎を掻いた。微かなため息が漏れる。


「若さゆえの大胆さか、神の導きか」


 隣の修道士は唇を噛み、鵞筆を止めた。細めた目が、私の動作を追っている。くすくすと笑いが広がる。遠くで咳が響いた。ルキウスの眉が、ピクリと動く。


 空気が、僅かにざわめいた。


「神はわたくしたちをあるべき姿で創られた。ルキウス殿、その通りよ。だが、容姿や立場で人を否定するのは、神への不敬ではないかしら?」


 ※ストーリの展開中モブの反応を描いているけど、これは説明口調な気がしてくる。やはり、即興で書くもんではないと思い知られる。


 ずっと、ヴァルがルキウスに質問を連発しているのもすっごいなぁと今になって私はぐぬぬってなっているんですけどねぇ……。


「この手、修道女の袍。確かに、貴殿の深紅のマントほど華やかではないわね。けれど、神がこう創られたのですもの。わたくしは、これを誇るわ。男も女も、貴族も農民も、神の御前では等しい。ならば、貴殿こそ修道士の袍を纏って、『血の覚悟』を語ってみなさいな。 気高さなら、きっと美しい音色を奏でるわ!」


 言葉が途切れる。けれど、ヴァルはルキウスから目を逸らさない。


「ですが、ルキウス殿。貴殿の問いは鋭いわ。『血を塗る覚悟』という言葉。逆説的に考えれば、とても素晴らしい着眼点よ」そこで、ヴァルは僅かに首を傾けた。


「貴殿は、こう問うているのでしょう? わたくしたちは、どこに住まうべきなのか。どんな理で、世界を築くべきなのか。それは、プラウディウス家の『剣と口』にふさわしい、静謐な問いだわ」


 ざわめきが、少しずつ広がっていく。ヴァルは、その声を聞きながら続けた。「ルキウス殿の問いは、民衆への贈り物よ。


「神は、わたくしたちをあるべき姿で創られた。ならば、その姿で、どこに住まうべきなのか? 血で築く世界か。土で育む世界か。それとも、剣と鍬が支える均衡の世界か」


 一つ。

 また一つ。

 問いが、コロッセオへ落ちていく。


「貴殿の問いが、考える場を与えたわ。さあ、ルキウス殿。貴殿なら、どう答える?」


 ルキウスは沈黙して、冷徹な笑みが口元に浮かんだ。「修道女、口が立つな。私の問いが贈り物だと? ならば、その土まみれの手で均衡の世界を築けると思うか? プラウディウス家の剣なくしては、理も秩序も空虚だ!」


 ナーレは微笑んだ。胸の奥で高まる鼓動を感じながら、静かに答える。


「ルキウス殿。剣は、守るためだけのものではないわ。剣は時に、均衡を壊す刃となる。けれど、鍬は土を耕し、命を育む。どちらが欠けても、世界は傾く。貴殿の剣と、わたくしの鍬。共に神の御前で試されるとき、初めて均衡が生まれるのよ」


 ルキウスは、しばし黙っていた。その表情から、先ほどまでの冷徹な笑みが消えていく。


「修道女、ナーレ……。汝の言葉は、響いた。均衡の世界、か。プラウディウス家の剣は、血を流すだけではないのかもしれぬ」


 彼は一瞬、言葉を探すように逡巡した。そして、再びナーレを見る。


「しかし、汝はなぜ、そのような弁論を?」僅かに眉を寄せる。

「貴公の立場なら、わたくしを打ち負かすだけでよかったはず――」


 ナーレが最終的にルキウスへ伝えたことは、ひどく単純なものだった。


「ルキウス殿。わたくしは、貴殿を打ち負かすためにここに立っているのではないわ。神の御前では、すべての魂が等しく価値あるものだと示すために、ここに立っている。貴殿の剣も、わたくしの鍬も、同じ光の下で試されるもの。勝利を求めるのなら、貴殿の問いに答えるだけでは足りない。共に、『住まうべき世界』を考えること。それこそが、真の勝負なのだと思うのよ」


 私は、続けた。


「ルキウス殿。貴殿の問いは鋭いわ。『血を塗る覚悟』と、『土を耕す信念』。どちらが世界を築くのか?わたくしは、どちらか一方を選ぶのではなく、両者が調和する世界を信じる。貴殿の剣が守り、わたくしの鍬が育む。その均衡こそ、神が我々に望む姿なのよ。貴殿が問うた『住まうべき場所』は、勝利や敗北を超えた場所にある。わたくしは、その場所を共に探したいだけなの」


 メインストーリーは、この後、様々な人物の思案と思惑が絡み合っていく。


 ネル先生は壇下に立ち、私の機智と、ルキウスの余韻を残した引き際に感嘆しながら、聖堂の不穏な動きを観察していた。


「言葉は剣、信念は盾。だが、住まうべき場所を考えるなら――聖堂の外へ伸びる糸を、見逃してはいけませんね」


 彼女はそう結論付ける。そして、来るべき巡礼の旅へと思いを馳せた。一方、貴族も、修道士も、司祭たちも。十三歳の少女が口にした言葉について、それぞれに考え始めていた。


 誰もが、同じ弁論を聞いたはずだった。けれど、そこから見えたものは、同じではない。


『処女は、語っているのか? それとも――治世が、騙っているのか?』


 聖堂に集う全ての魂に深く刻まれ、未来の運命を予感させる余韻を残し、物語は巡礼編へと繋がっていくはずだった……。


 ======================


【タイトルの命名について】


 ≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫というタイトルの命名理由について。


 まず、「治世は騙りき、処女は語る」という部分は、物語の弁論の果てに残る、ある問いへ着地するところから生まれている。


『処女は、語っているのか? それとも――治世が、騙っているのか?』


 ナーレが語っているのか。

 ヴァルが語っているのか。

 あるいは、その言葉の背後にある「治世」が騙っているのか。


 その境界を一つに定めない。それが、この言葉の出発点だった。


 次に、「汝、片割れなる者」。これはナーレとヴァルを指している。二人は一つの身体を共有しながら、それぞれの精神を持つ「片割れなる者」である。そして、この物語がヴァルの視点から観測されていることが分かるように、この部分を≪≫で囲っている。


 つまり、この≪≫は単なる装飾ではない。誰がこの物語を見ているのか。その視点を示すためのものでもある。


 最後に、「叡智はカタルシス、世情はオシリス」。知識は、人間にカタルシスを与える。そして、オシリスは死者の復活や農耕を司る神である。死からの再生と、土から生まれるもの。


 その意味を重ね合わせ、オシリスという存在によって、ナーレを直接説明するのではなく、より抽象的に表現した。だから、このタイトルには三つの視点が重なっている。


「治世は騙りき、処女は語る」は、誰が語っているのかという問い。

「叡智はカタルシス、世情はオシリス」は、知識と再生、そしてナーレという存在の抽象化。


 そして「汝、片割れなる者」は、ナーレとヴァル、そしてヴァルの視点。それらを一つのタイトルの中に重ねた。結果として、かなり長いタイトルになった。


 ……まあ、そういうタイトルになった理由については、こういうことです。


 ======================


【後書きの糞長い作者の思想と構想について】


 実際に読むと、「この作者は何を考えているのか」と疑念を抱くくらいには、話があらぬ方向へ飛んでいく。


 では、実際に何を考えているのか。箇条書きにしてみる。


【弁論への感謝】

 ・ナーレとルキウスのやり取りを読んでもらったことへの感謝。

 ・聖堂の緊張感や、二人の言葉の応酬を振り返る。

 ・物語の中心にあるテーマ

 ・「剣と鍬」

 ・「貴族と農民」

 ・「血と土」

 ・異なる価値観が対立するだけでなく、互いに補完し合う「均衡の世界」を描いている。

 ・弁論を勝敗ではなく、異なる価値観について考える場として描いた。


【今後の展開】

 ・ナーレが両親へ巡礼について話す。

 ・城下町の市場調査へ進む。

 ・王の意図と民衆の生活が交差していく。

 ・ナーレの鍬と信念が新たな試練に直面する。

 ・ルキウスの剣も再び物語へ響いてくる。

 ・今回の構成への反省

 ・登場する場所や要素を増やしすぎて、作者自身も話を整理するのが大変になっている。

 ・ただし、今回の聖堂での弁論によって、それまで散らばっていた複数のテーマを一つの場に集約でき

 た。結果として物語に厚みが出たと考えている。


【世界観に組み込みたい技術】

 ・5世紀という時代設定を維持しながら、技術的な要素を物語へ組み込む。

 ・圧延機。

 ・蒸留器。

 ・のぞき窓。

 ・それぞれを単なる便利道具ではなく、当時の技術的制約や生活と結びつける。


【蒸留器】

 ・蒸留技術の時代的な問題を意識している。

 ・史実上の一般化時期とのズレを考慮する。

 ・修道院での薬酒など、生活改善のための技術として扱う構想。


【圧延機】

 ・手回し式や水車を利用した簡易的な構造を想定。

 ・中心軸の破損や加工の不均一など、技術そのものが問題になる可能性も考えている。


【のぞき窓・ガラス】

 ・リベット接合。

 ・銅・青銅。

 ・クラウンガラス。

 ・革や布による緩衝。

 ・銅製フレーム。

 ・必要なら雲母。

 ・こうした素材・加工方法まで考えて、時代設定との整合性を取ろうとしている。


【作者自身について】

 ・とにかく考えることが山積み。

 ・それでも、こうして設定や構想を掘り下げている時間そのものを楽しんでいる。

 ・最後は「こういう時が楽しい」というところに着地する。


 (えぇ? 君の頭イカれてんよ? それは後書きに書くな、と思うよ) 


 実際、嘗ての私は、弁論会を終了してしまったことで、次のストーリーを考えていなかったわけではない。むしろ、その裏では別の思案が動いていた。


 良くあることなのだが、物語を横へ横へと広げすぎた結果、「さて、ここからどうやって持ち直そうか」と考えていたのである。既に登場させた設定を、ただの設定で終わらせない。伏線として置いたものを、どうすれば物語の中でまともに機能させられるのか。


 弁論会を終えたその時点から、次の展開を考えながら、同時にこれまで広げてしまった設定をどう繋ぎ直すかを考えていた。だから、後書きで突然、圧延機や蒸留器、窓やガラスの話まで始まる。


 ……いや、読者からすれば、「それは後書きに書くな」という話だと思う。


 しかし、作者の中では全部繋がっている。物語を先へ進めるために、既に存在する設定をどう活かすか。その設定を活かすためには、世界の技術や生活まで考える必要がある。そうして考えているうちに、いつの間にか技術考証まで始まっていた。


 つまり、弁論会が終わった後に考えていたのは、単純に「次は何を書こうか」という話ではない。


「ここまで広げてしまった物語を、どうやって次の物語へ繋ぎ直すか」その思案だったのである……。


 ======================


『第五十五話 ≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫』において、プロットや物語の進行意図は以上となる。


 この後、ストーリーは修正不可能な未踏なる壌を踏んだ。

 巡礼編へ! さぁ、いざ往こう!……とした瞬間に、物語の基軸そのものが躰道した。


 作者としては、ここから先も当然、ある程度の進行を想定していた。しかし、実際に物語を進めようとしたところ、それまで積み重ねてきた設定や人物、出来事が別の方向へ繋がり始めたのである。


 つまり、巡礼編へ進むために物語を動かしたはずが、動いたのは物語のほうだった。そして作者は、その動いた先を観測しながら、既に広げすぎた設定をどう繋ぎ直すか、どうすれば伏線として機能させられるかを、その場で考えることになった。

 

 それは、独白を以て始まり出した。ナーレたちはコロッセオでの弁論会を終え、現地解散となる。


 舞台は閉じた。

 観客も散った。


 そして彼女たちは、そのまま市井へと放り出された。ここから先、誰かが物語を導くわけではない。 彼女たち自身が、それぞれの場所で独白を始める。


 何を見たのか。

 何を考えたのか。

 弁論会で交わされた言葉を、どう受け取ったのか。


 それぞれの独白が積み重なり、やがて別々だった視点が物語として繋がっていく。つまり、ここからのストーリーは、作者が一つの筋道を引いて進めるのではなく、彼女たちの独白から展開していく。


 コロッセオという一つの舞台から解放された瞬間、物語そのものもまた、一つの軌道から解放された。それが、巡礼編へ向かうはずだった物語が、未踏なる壌へ踏み込んだ始まりだった……。

「エピソード55 賢闘士編:≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫」


 皆様、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


『第五十五話 ≪「治世は騙りき、処女は語る」-叡智はカタルシス、世情はオシリス。汝、片割れなる者-≫』において、プロットや物語の進行意図を、少しでも感じ取っていただけたのであれば幸いです。


 途轍もなく長いオハナシになってしまった……。うぅ~ん。困ったくらいに読み辛いし、修正しようにも、これを今から直すのはキッツいっていう……。


【躰道變? ……あっちはあっちでもっとヤバイ状態だから。何が起きているのか説明するだけで、三重にキッツいんだよ……】


【読者が如何に作者が躰道しているのかを楽しむ變ってことで、ここはひとつ手打ちにしてくれないでしょうか?】


 世界は胎動し始めた。


 基盤を揺らして。

 緩衝材が微振動してしまった、その時から。


 その元凶が揺らしてしまったせいで。

 キャラクターたちが、自由に動き始めてしまったせいで。


 緩衝材という網を突き破り、元凶さえも突き抜け始める。

 世界の膜が、破れてしまいそうになってしまった。


 そして作者は、とうとう――こちユルの世界に、朧ながらも見え始めた。


 彼は最後に、四手打つことになる。

 神が神であることを辞めて、道化になれば佳い、と。


 とうとう――彼は禁じ手を打った。

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