「エピソード29 中世編:端艇變(たんていへん)『喪われた三枚銅貨-調査編Ⅰ-』」
【作者である私は、
女の子たちがキャッキャしてたらなぁ……って思ったわけだ】
⦅あーし、よく分かんないんだけど。マ?⦆
【マ。
やたら茶請けみたいにパン食ってるけど、
よく考えたらフィーネとアヴェーラが朝食してるかどうか、俺知らないし。
──というわけで。
朝食がてら、推理パートだ】
取り合えず、新顔も機用するので様子見タイムだ。
作者の考えた謎解きは凄くシンプル過ぎた。
「朝・昼・閉店後。……なるほどね、三回の集計で、
帳簿を取り、店の最終的な出入りは夫婦のみである」
(……帳簿に差異が出たなら、出入りできる人間がやった。
つまり夫婦のどちらか、あるいは二人)
≪これは、単なる盗難とは違う。
痕跡を残さず、目的も見えない。
――異質だな≫
【あぁ……そうだな、ヴァル。
“不可解”だ。
――なんの為に?】
(この現象のどこかに、意図があるのだとしたら――
それは一体、誰のものだ?)
≪お前の意図が見えているぞ!
この……道化師風情が!≫
【私は硬貨を一枚、そっと滑り込ませた。
あとは彼女たちの仕事だ。
──さて、とっくりと。
ウィスキーでも呑もうじゃないか】
「消えたはずの銅貨が――
何事もなかったように元の場所へ戻ってくる。
その理由を、探るために」
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― 喪われた三枚銅貨 ―調査編Ⅰ
1.目的と動線
1-1 クリー・チェの内部調査
1-2 夫・キーランの尾行
1-3 酒場「クレイトの巣」への導入
2.上記の行動によって発生した問題点
2-1 初期設定との矛盾
2-2 アヴェーラの服装ミス
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1-1 クリー・チェの内部調査
ここでは、ナーレ達がレジ内を調べる場面となる。
重要なのは、
夜になると銅貨が増えていること。
帳簿を確認することで、
減ったはずの枚数が、翌朝には元に戻っている
という現象が示される。
オルウェンはもちろん鍵を持っている。
しかもそれは、この店の錠前すべてに対応する 共通鍵 だった。
「キーランさんは、普段から帳簿の記録に関わっていましたか?」
オルウェンは少し考えてから答えた。
「基本的には私が書いています。
でも――買い出しの時だけは、
預けた金額と釣り銭を彼が書くこともありました」
つまり、帳簿は都度どちらかが書くという決まりがあるわけではない。
完全な一人管理ではない、ということだ。
そして――
彼女の思惑が、見え隠れしている。
実際に帳簿を確認すると、
キーランが書いたと思われる、荒い筆跡の記録があった。
そこには──
「銅貨二枚」
とだけ書かれている。
しかし、
それが何に使われた金なのか。
あるいは何の利益なのか。
その説明は、どこにも書かれていなかった。
「……中身は、ご覧のとおりです」
蓋を開けると、
銅貨と銀貨はきっちりと仕切られて収められていた。
枚数も帳簿と一致している。
目立った乱れも、
盗難の痕跡も――どこにも見当たらない。
「中は全部正常……手詰まり」
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(※作者、ここで最初の手詰まり。
――気が付いた。
山札が無い。
カードを切り尽くしたあとで、
まだゲームが続いていることに気付くとは……)
(土壇場で場を繋ぎ始める作者。
中に無いなら、外だ……)
(そして平然と、
墓地からカードを回収して手札に戻すという
極悪コンボを発動させる)
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「これ以上は、店の中じゃ何も出てこないわね……」
アヴェーラがふぅと息をつき、カップの残り香に目をやる。
「外からの調査に切り替えましょうか。
キーランさんが買い出しに行ったまま戻らないって言っていたわね」
私がそう言うと、アヴェーラが立ち上がった。
「ええ。外に出てみましょう。人混みの中に紛れているかもしれません」
私達は店を出て、街へと繰り出した。
彼女等をクッションにして、
場面が転換する。
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1-2 夫・キーランの尾行
ここでは、キーランの奇行を探るための尾行シーンとなる。
彼は市場におり、
何事もない様子で食材の買い出しをしていた。
(そもそも、昼時に素材を購入する亭主ってどうなんだろうな……。
料理店の経験がないから、そこはよく分からんけど)
もっとも――
キーランは市場の中を歩き回り、
いくつかの店に立ち寄っていた。
店主と短く言葉を交わしては、
すぐにその場を離れる。
その動きはどこか落ち着かない。
仕入れの確認というより――
駄弁っているようにも見えた。
街の坂を下り、
彼の足は次第に南へ――港区の方へ向かい始めた。
市場の喧騒も、少しずつ遠ざかっていく。
そして──
夕暮れが近づきつつある頃。
それまでどこか落ち着きのなかった彼の歩みが、
突如として速くなる。
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(※ここで読者の皆様にお詫びしたい。
当初、アウローラ神聖国は
現実のアイルランドの地域、
キラロー付近を舞台にしていた。
ところが何の気の迷いか、
港区などというものを作ってしまい、
地理の整合性が霧散してしまった。
そのため第七十二話にて、
舞台をコノート地方の
ゴールウェイとすることで
誤魔化すことにした。
……改めて見直すと、
リムリックがあるので
こちらでも良かった気がする。)
話を戻そう……。
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彼女達はキーランを追っていくと、
謎の倉庫群、その一つでキーランは密会を行うシーンになります。
視ての通り、帆布の陰からもう一人の男が現れた。
二人のやり取りの様子から、それが仕入れの延長でも、街の雑談でもない。
『何かしらのやり取り……。
表だって離せないヤツ』
──彼等はわずか数分の会話を終えると、
二人は連れ立って港の外れへ歩き出した。
波止場の空気は、昼間の市場とはまるで違う。
酒と潮、男達の怒号と賭け声が混じり合う、夜の顔を持った場所。
足場の悪い石畳の先、薄明かりが漏れる細道には、干物と酒の匂いが入り混じっている。
荷を解いた網が無造作に積まれ、酔漢達が桶に腰かけて言葉を交わす度、
どこか遠い異国のような空気が流れていた。
(何度も読むと、時間経過が早すぎるんだよな……。
これもミス・カウントだな)
やがて、二人の男は古びた木造の建物の前で立ち止まった。扉の上には、薄く塗装の剥げた木板──
「ネァド・ナ・グクレフ(クレイトの巣)」と書かれた看板。
よく見ると、板の隅に黒い甲虫のようなマークが刻まれている。
(男が酒場で二人、ナニも起きないはずもなく……。
『パンツ・レスリングショー』が始まるわけでもない。)
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作者がやりたかった意図としては、
中世時代におけるギャンブルの歴史であった。
【此処で、問題を出す。
トランプにも賭博の歴史があるのだが。
トランプ賭博の形成から終焉の歴史について、
年号で答えてくれ】
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作者は改めてミスをした。
アヴェーラの服装がフォーマルすぎるってこと。
(なぜ、此処まで品のある服装で来たんだ。
謎解きの場合ではないぞ!)
しゃぁーなしで、無理やり『風見柱』を造った。
これなら、彼女を此処に配置できる。
そのとき──
酒場の中から聞こえてきた、男達の小声が耳に入った。
「……パン屋の旦那、また来たぞ」
「ここんとこずっとツイてやがる。“ドァ・ビトゥル”の癖に」
「フンコロガシが運を転がしてるってか……ふん、いつまで持つかな」
《Dor Beetle》──西洋フンコロガシ。
それは、表向きは「クレイトの巣」と呼ばれているこの酒場で、
賭場に入り浸る者達への、蔑称だった。
(要するに……掃きだめってことですね。
ギャンブルはゼロサムって言われてんだ。
ゴミがあぶく銭でギャンブルする世界だってことです)
(といっても、この破棄しても、ダメにならない人間も居るのは確か。
情報は掃きだめに集まるもんです)
(謎解きなんだ、ミステリーなんだから。
ハードボイルド! ファンタジーもハードボイルド!!
そのマインドなんですよね、良くも悪くも)
高台の上、風見柱の下でこちらを見ているアヴェーラの姿が、
夜風に揺れていた。
私は、重たい扉に手をかける。
キーランの真意と、銅貨一枚の行方を追って。
(この扉の先に、きっと秘密がある……
そのマインドがなんなのか?
この『バグ』は何の因果か、確認しよう)
皆様、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
『第三十話「喪われた三枚銅貨-調査編Ⅰ-」』において、
プロットや物語の進行意図を、わずかでも感じ取っていただければ幸いです。
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⦅あーし、途中から分からなかったんですけど!?
ナニこれ!?
三枚銅貨どこ行ったの!?⦆
【いや、だから。
これから『三枚銅貨』を知るんだって、元は『三枚銅貨』だった。
今はその意味が喪われた『三枚銅貨』を知るストーリーなんだって】
【ほらさ? 最初は三枚、途中から二枚になって、今は三枚だろ?
だから、根本的な意味合いは違うでしょ? 】
⦅あーし、オタク君の言っている意味が分からないんですけど。
マジ、めんどくさい)
【君のトレードマークの付け爪を交換することと同じだよ。
今はその柄の付け爪だけど、交換する度に『意味合い』は変わって、
曖になるでしょう? 愛だけにってね】
⦅それってギャグで言ってんの!?
思考回路、意味わかんないんだけど!?⦆




