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「エピソード28 中世編:端艇變(たんていへん)『喪われた三枚銅貨-導入編Ⅱ -』」

今にして思い出す。


街並みをどう作るかで頭を抱え、

そもそも本格的なミステリーなど読んだこともないのに、と

そんな不安ばかりを抱えながら書いていた。


「そのバグ、ちょっと確認させてくれないか?」

改めて、喪われた三枚銅貨-導入編Ⅱ -についての構成について攫ってみた、

読者達が一読者の感覚順に並べるとこうなる。


多分、私はこう考えている。


<読者の視点>

① 事件発端場所の提示

② そこで起きている異変の提示

③ その背景として城下町のシステム

④ 必要に応じて文明レベル

⑤ 俯瞰として外観説明

-----------------------

<私の視点>

① 俯瞰として外観説明

② その背景として城下町のシステム

③ 必要に応じて文明レベル

④ 事件発端場所の提示

⑤ そこで起きている異変の提示


こういう……

変な順序だった、と認知して頂けると助かります。


そして――


私達は此処に始めてきた……。

そうでしたね?


構成が整理されたと思い、

先に進ませて頂きます。


ーーーーーーーーーーーーーーーー



① 俯瞰として外観説明

② その背景として城下町のシステム

③ 必要に応じて文明レベル


ここでは、アウローラ神聖国の城下町に到着して。

街並みや交通の様子をナーレの視点から見ているという描写だ。


「城壁はナーレの身の丈の何十倍もある高さで聳え立ち、

その足元には土塁が築かれ、一部には石造りの補強も施されている」


彼女は城壁高さを目にし、

土塁と石造りの補強を視ることになる。

実際には土塁としているけれども、彼女を木の杭による城壁も目に留めているはずである。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


生活区の中に入ると、その思いは露になる。

街全体が緻密に設計された都市のように思えた。


木造と石造の二層建ての住居が立ち並んでいる。

街道は馬車用の黒い石畳と、白い石で敷かれた歩道とに分かれている。


歩道は大人二人が並んで歩けるほどの広さがあって、

通りの角には衛兵たちが立ち、時おり詰所から出入りしては、町の様子を監視していた。


ここまでくると違和感しかない。

詰まるところ、中生五世紀だが実際は十九世紀の英国をイメージしているのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


これについて釈明したい。

この時点では、エスリンが馬車で城下町に入ってくるシーンがある。

ということは、街並みは馬車が通れるということでもある。


そうなれば、歩道が必要で。

これらを区分しなければならなかった。


****************


(あぁ─そうだな。

 序文が無ければ……こうは、成らなかった。

 ──ということだ。)


****************


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ナーレが城下町の街道を進むにつれ、道はなだらかな坂となっていく。

坂を登るごとに、建物たちがこちらを見下ろしてくる。」


此処の描写は、だんだらな坂を登っているという意味だ。

だから、遠くにある街並みがずっと、坂の上から見ているという心理描写でしたかね?。


其処から登っていくと、

やがて坂の先には広場が現れて、そこからは町全体が一望できる。


此処は、そうですね……。

道が円を描いている……。

つまり「中心街である」ってことだと思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ナーレが広場の最奥に視線を集中すると、

アウローラ神聖国の城が見えてきます。


「尖塔が聳え、アウローラ神聖国の旗が風に靡いている情景です。

しかしその背後には、まるで「木偶の坊」のようにずんぐりとした灰色の城がどっしりと構えていた。」


****************


(ナーレが視える尖塔は数か所あると思う。

 彼女の身長を考えるに……。


 大人には中央のハイタワーが視えて、そこの尖塔から旗が靡いている。

 ───ということなんでしょう。

 ナーレはキープの尖塔にある。旗を見ているんだと思います。)


(では、この遠投は誰の視点なのか?

 ということです。)


****************


≪なんとも滑稽だな。これが国家なのか?≫とヴァルは補完してます。


つまり、彼女思った。

(なんだろう、この違和感……)はヴァルの視点。

彼自身の視点なのです。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ナーレはその言葉で気付かされます。

この『アウローラ神聖国』についてです。


「確かにこの国は、『まだ成り立ちの途中にあるのかもしれない。

本来「あるべき姿」になりきれていない未完成さを、城の形そのものが物語っているようだった。』」


***************


先ず、『アウローラ神聖国』について歴史の進化を考察しなければなりません。


①『アウローラ神聖国』は基はハイタワー式の国家で、木の杭で城壁を築いたということ。

  ※①行うために土塁が必要だった。

②『アウローラ神聖国』と同じく、国家があり、ケープという堅牢さが必要になったこと。

③『神聖国』と名乗ったのに威厳が無いことに気づき、ハウス式、つまりゲートを後から造ったという事。

④これらの経緯から土塁から木材に、木材から石に移行中であること。

⑤物流を鑑みて、街並みから構築している。

上記の流れを即座に理解する必要があります。


***************


ーーーーーーーーーーーーーーーー

④ 事件発端場所の提示


ナーレは一行はアヴェーラの商会がパトロンとなっているパン屋に到着します。

「クリー・チェ(熱い心臓)」と燃える窯とパンのロゴで直ぐにパン屋であること。


白を基調としている為、「モーレイ商会」が後ろに居ること。

それとなく「モーレイ商会」の名が控えめに刻むことで、

遠目からは個人事業主なんだ、奇麗さを意識していると思える。


歩を進みて、近づくとパトロン名を目にする。

ここで、一定の人間からは後ろに居るバックを知ることになる。


フィーネとアヴェーラがここで世間話をし、

この意図を読むという状態になる。


そのまま、ミクロ的な様相で本編がスタートします。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


⑤ そこで起きている異変の提示


「とりあえず、ここにいても何も始まりませんわ。中へ入りましょう?」

アヴェーラはいつもの癖を指先で続けながら、私達を店の中へ促した。


店の横には、紐の先に小さな鐘が吊るされているのが見えた。


「アヴェーラ? これ、なに?」

私はその紐をつかんで、ゆらゆらと遊んでみる。


「ダメよ、ナーレ! それ、このお店のドアベルなの。

 お客さんが来たことを知らせるために、その紐を引っぱって鐘を鳴らすのよ」


アヴェーラはそう言いながら、私の手から紐を取り戻すようにたぐり寄せた。


「へえ……でも、ノックすればいいんじゃない?」

私は素朴な疑問を口にして、手を離した。


「最初はそうしてたのよ。でもね、ここの通りは交通量が多くて、

 ノックの音が聞こえづらいって、店主に文句を言われて……それでこうなったの」


此処から、異変が始まる。


************


(音が聞こえない、そうなら、入れば善いのです。

 では何故、ドアベルが必要なのでしょう?)


************


アヴェーラがドアベルを鳴らすと、

店員がこちらを向く、


彼女は非常に困った表情を張り付かせて此方を視ます。

此処は本編でも説明してましたね。


彼女は本当に来ると思っていなかった。

唯の愚痴、唯の不安を放出しただけだったのです。


彼女としても予想外だったのです。

良家の娘が愚痴の為に、しかも見知らぬ顔が二人も。

彼女の中で状況が急展開していく。


************


(彼女は直ぐに対応しなければなりません。

 パトロンの娘が来た。そして、見知らぬ側使いがいる。)


************


そんな中、アヴェーラとその女性は、同時に店の扉を開けようとした。


この後の展開は割愛します。

要するに助けたいと入れてあげたいという思惑が交差して、

物理的にぶつかっている描写ですから。


アヴェーラと『クリー・チェ』の店員であるオルウェンとの事件について話をする場面に移行します。


「ごめんなさいね、オルウェンさん。前回の件で今日は足を運んだの。

 後ろの二人は、私の友達。今回は助手のようなものですわ」

アヴェーラそう二人を紹介し。


オルウェンは返答として、こう返してきました。

「わかりました。アヴェーラ様のお連れでしたら、どうぞ中へ」


話しを勧めるためにオルウェンが出迎えてくれますが、

始終、ナーレとフィーネを伺う様子を見せてきます。


それから彼女は店の奥に席に座るように促してきます。

そこは、外からは見えづらく、

かといって視えないわけではない場所。


************


(彼女にとって、フィーネとナーレは初対面ですから、

 探るというよりも不安なのかもしれません。)


(アヴェーラという評価できる人物の共連れ。

 だから、入れてあげる……)


************


「どうぞお掛けください。何かお茶菓子を用意いたします」

そう言うとオルウェンは商品棚からパンといくつかのジャム瓶を取り出し、

木の平皿に盛りつけ、ティーポットからお茶を四人分用意して戻ってきた。


「いい香りね……これ、ローズマリー?」

アヴェーラは香りを嗅いで、目を細めた。


「ええ、この歳になると少し肌寒くて」

そう言いながら、オルウェンさんは膝をさすって席に着いた。


「すみません、こんなものしかご用意できなくて」

謝りの言葉と裏腹に、彼女の態度には微妙な温度差があった。


フィーネと私に向けられるそれは、やや慎重で遠い。


テーブルには、形の異なる白パン、イチジクとリンゴのジャム、

そしてナッツの砂糖煮が並び、ローズマリーの香りが空間に満ちる。



「それで……確認したいの。事件の詳しいこと。

 一応、この二人にはざっくり話してあるけど、いつ頃から起きているのかしら?」


「わかりました。覚えている限り、お話しします」

オルウェンさんはハーブティを一口含み、語り出した――


************


(ここでは、オルウェンは寄る年波に苦労しているというのが分かる。

 ローズマリーには花言葉がある。アイルランド、ケルト的な意味合いも含まれる。

 その意味を理解できれば、彼女が膝を撫でる行為が分かるかもしれない)


************


この後、オルウェンは事件のあらましについて語ってくれる。

時系列で整理しよう。


①事件は丁度、この店が開店して三か月頃。

 ※運営資金もようやく軌道に乗った直後だった。

②その日は夫のキーランと、彼女しか居なかった。

③レジ集計は一日三回──朝・昼・閉店後と決まっている。

④レジと金庫があり、どちらも精巧な鍵が無いと開く事はできない。

⑤レジのお金は月に一度、金庫に保管し、

 それ以外のはレジに保管している。


※描写していなかったが、ここまで厳重だと。

 店のドアも鍵で閉まると思われる。


鍵と金庫の云々、お金の移動については、

アヴェーラとフィーネが説明してくれているので割愛します。


このあと、ティータイムというか、

軽食みたいな雰囲気で謎解きへと移行していきます。


(多分、ドラマ版のシャーロックやポワロの影響ですね……)



皆様、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


『第二十九話「喪われた三枚銅貨─導入編Ⅱ─」』において、プロットや物語の進行意図を、わずかでも感じ取っていただければ幸いです。


検めると……整理する情報だらけでしたね?

書きながらこれを整理して、落としているんですよ……。


「そのバグ、ちょっと確認させてくれないか?」

【あぁ─良いけど? 多分、見切れないぜ?】


読者達の心中をお察し申し上げます。


【本当に申し訳ない……】

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