「エピソード26 中世編:故に苛性負体験。『自家製エールの所以 -アリフ趣味発足記』」
750mlの赤ワインを空け、作者の頭痛は止まらない。
それでも、投稿せねばならぬ。
──我が頭は、いまなお正しく働いているのか……診てみよう。
ならばこの頭痛、薪とせよ。
燃やし、躍らせてみよう。
「自家製エールの所以 -アリフ趣味発足記‐」は、
すでにアフターストーリーで語り尽くしたはずだ。
なのに、また説明しようとしている。
……私は、いま何をしている?
謂ったか、云わなかったか──
もうよい。
一旦、忘れよう。
本来の目的は極めて単純だった。
① 中世のエール文化を描くこと。
② とくに中世初期のエールへの理解を育むこと。
③ アレフという人物の深掘り。
④ その設定をメインストーリーへ絡めること。
しかし問題が生じた。
こちユルは5世紀設定である。
だが、8世紀の「グルート権」を参照している。
歴史的整合は曖昧だ。
そもそもアイルランドは凍結していてもおかしくない。
最初から、こちユルは歪んだ世界である。
ならば――
8世紀を基にした“始点”とするしかない。
その延長線上に世界を置く。
ナーレの自宅を描く際、
「エールポール」を出すかどうかで悩んだ。
農家にエールポール。
読者に通じるのか。
なろう系読者に理解されるのか。
不安は宇宙規模だった。
結果――
存在しないことにした。
削ることで空気を守る。
物語の起点。
質の悪い小麦。
生産を止められない現実。
アレフがエールを造る。
そこに酒場
「トゥリー・ヒーラ・オルガ(黄金の三匹の羊)」を配置。
ここから物語は枝分かれする。
・喪われた三枚銅貨 ―導入編Ⅰ―
・独白は獨白をもって
・城下町の市場調査 ―巡礼編Ⅶ/ⅩⅢ―
読者にとって、この転換は急すぎるのではないか。
ここからメインへ繋がると理解できるか。
その違和の正体は――
アレフに「元修道士」という属性が滲み始めたからだ。
酒造は中世において神聖な行為。
農家では弱い。
説明するには――
修道院。
あるいはシャトー。
よって、アレフを元修道士と定義する。
それにより、ナーレの父の血統が定まり、
曾祖父が王国分家であることを橋渡しできる。
曾祖父の過去の行い。
夜逃げ同然の逃避。
それを受け、アレフが権利継承と同時に蒸発する理由が成立する。
構造が繋がった。
そして現在。
「城下町の市場調査 ―巡礼編ⅩⅢ 家政婦体験篇―」
ナーレの願い。
アレフの過去。
シャイマーの販路拡大。
三者は一本に絡む。
だから難しい。
各々の思惑。
立ち上る紫煙。
もはや「家政婦体験」などという軽さではない。
むしろ――苛性負体験。
規定は決まった。
あとは描くのみ。
だがまだ、
メインストーリーで描き切れていない。
だから、やり切らねばならない。
考えてみれば、こちユルは複雑怪奇だ。
完全であると同時に、奇妙であり、
不完全であるが故に詰まっている。
設定と要素が密集し、
軽く目詰まりを起こしている。
設定を盛りつける一方で、
必要以上の部分は削っている。
それが、メインストーリーだ。
一旦、説明は以上にしたい。
プロットやプロセスと呼ぶには、まだ遠い。
オカシイことは認める。
こちユルは、設計ではなく、むしろコミュニケーションだ。
だからこそ――
私と直接向き合いすぎてはならない。
皆様、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
『第二十六話「自家製エールの所以 ―アリフ趣味発足記―」』において、
プロットや物語進行の意図を、わずかでも感じ取っていただければ幸いです。
多くを語ることはありません。
メインストーリーとアフターストーリーが、
いかに密接に結びついているかを、読者自身が受け取ってくださればと思います。
私は、ある意味で好き勝手に物語を進めます。
その結果がどのように波及するのか、
読者の皆様には想像していただければ幸いです。




