超・事件11
連続更新64日目!
「……………………」
絶句
まさしく空間を支配していた物の名前に相応しかった。
一緒に走った高校生以上の子供のみならず見ていた先生や短距離陣でさえ唖然としている。
何せ高校、大学、実業団でそれぞれトップを争う、狙える人材が異性のラストスパートに負けかけたからだ。
しかもその相手は世界トップ選手という訳ではなく全くの無名である一般人。
神楽より先着したとはいえプライドはズタズタになったと言っていい。
プライドが傷ついたが何とか耐えたのは葛葉と陽太郎を含めた5人だけだ。
葛葉、陽太郎、加古、風間、高田、前2人は何度も神楽の実力を知っているので今更傷付くほど繊細なプライドではなく、加古、風間、高田は1度既にボコボコにされている為耐性は出来ている。
そもそも神楽と戦わずとも年下の陽太郎に一切敵わない毎日を送っている事でプライドを傷付けている暇があったら少しでも糧にしようとしていた。
「んだよ、バケモンかよ…………」
我慢出来ず心の声が漏れたのは全中3000mで優勝した小野寺哪吒だった。
「羨ましいでしょ?俺は毎日あの人と走る事が出来るんだぜ?」
「は?!」
「俺さ少しデカい日本家屋の屋敷に住んでてよ。デカい屋敷だから掃除の手間や維持が大変なんだ。
そんな俺が住んでは家にあの人含めた複数人の人が使用人的な感じで働いたんだ。だから頼めばどんな朝練にも付き合ってくれるしどんな練習メニューも引っ張ってくれるんだ。恵まれ過ぎでしょ?
なのに小野寺さんに勝てないんだよ?まだまだ俺に優勝は遠いなぁ」
「俺達も1度練習した事があるんだけどただただ背中を見つめる事しか出来なかったよ」
「おかげであの日以来部内での渾名が姉御なんだ」
「練習でベスト更新とか出来る勢いなんだぜ?ほぼ毎朝練習出来る後輩が羨ましくてしょうがねぇわ」
「高校行ったら外部顧問として部活に来てくんねーかなー」
「出来るかなーーー」
「陽太郎何とか俺らの通う高校に来て貰う事出来ねーか?」
「それだと俺が一緒に練習出来ないでしょ」
「来ればいいじゃん」
「中学と高校近いんだし」
「練習も一緒にやろうぜ?」
「俺だけ先輩らと練習出来るわけないでしょーー!!!オェ」
テンション上げて言い返した事で内臓が刺激されたのか陽太郎の腹が活発化し胃液が迫り上がって来るが何とか飲み込み抑えた。
「「「お、おぉーー……!耐えた!!」」」
「耐えたちゃうって」
「ちょ、ちょっと待て!!全員一緒の高校に行くつもりか?!?!!」
「「「「え、うん」」」」
「えいや、うんって……まだ声掛けは駄目だけどそれとなく話は来てるだろ???」
「俺は元から葛葉なら憧れて地元の陽花高校に行くって決めてるし」
加古はそう言い
「俺は皆と一緒に走りたいから地元の高校に行くって決めた。それに一緒にいた方が切磋琢磨出来るって思ったし」
風間は笑い
「俺も風間と一緒で皆と走りたかったからかな。後は俺達3人が固まってれば陽太郎も同じ高校に確実に来るだろうという戦略的下心」
「「何だそれ」」
小野寺の脳内で声を掛けられている高校や行きたい高校、親との都合諸々が足し算引き算掛け算等複雑に絡み合い導き出した答えは──────!!
「おい、何だそれは!お前らだけ!羨ましい!!俺もお前らと同じ高校に行く!!葛葉さんと同じ陽花高校でいいんだな!!!」
「う、うん、勢い強いって」
「俺らが3年になる前に全国トップファイブ!3年次には最低でも高校記録作って都大路制覇!それでどうだ!!」
「…………不足は無いね」
「小野寺それは既に声を掛けて来たであろう超名門高校を蹴って男子駅伝部として無名な陽花高校に行くって事だけど……いいのか?」
「上等!」
「果てしない道だぜ?」
「ドラマチックで良いだろうが!」
「俺らにも背中突っつかれる恐怖味わうかもよ」
「捻じ伏せる!」
「…………小野寺先輩、小野寺先輩が加古先輩達と同じで陽花高校に行くのだとしたら待ってて下さい。まずは中学記録をぶち破ってその勢いのまま高校記録も抜き去ってやりますからね」
「負けねぇよ」
集合!!!
Cチームが全員ゴールした為倒れ込んでいた選手達はヨロヨロと立ち上がり上がった。
鈴木博斗
14分15
青山大輝
14分15秒
小原燈樹
14分15秒
相田皇
14分15秒
篁渚
14分15秒
佐倉神楽
14分18秒
宮越楓
14分19秒
小野寺哪吒
14分30秒
小雨陽太郎
14分35秒
氷鉋狐雪
14分37秒
小雨葛葉
14分38秒
加古恵
14分46
風間悠木
14分46
高田弓彦
14分47
神楽に引っ張られるように若さが胎動し始めた。
孫2人の成長に軽く泣いている氷鉋狐雪
陽太郎達4人が同じ高校に行くと聞き小野寺は高校の行き先と陽花高校へと定めた。
青春っていいなと思うお婆ちゃま
ここまで読んで下さりありがとうございます!!
面白いと思った方はブクマ、評価をお願いします!




