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超・事件12

連続更新65日目!


「私と神楽はあとほんの少しだけ運動をするのでダウンジョグは大学生以上の方々に任せます。

 ダウンジョグの時間は20分、談笑しながら走れる速さのキロ5分で走って下さい。皆さんかなり頑張ったので楽しく終わりましょう!それではダウンジョグに行って来て下さい!」


手を鳴らしジョグを促すと動き始めた。

全員が私と神楽の2人と話をしたい目をしていたがそれはダウンジョグが終わってからで良い。

せめて練習を最後までこなしてからだと言いたいが好奇心に引っ張られる気持ちも良く分かる。

子供達が8レーンより外側の芝生をジョグし始めるのを確認すると神楽に声を掛けた。


「準備は良い?」


「えぇ準備万端です」


真ん中の芝生に立つと私はあの時と同様傘の持ち手より太めの2mもある如意棒を構え、神楽は私と同じ木製である木刀を構えた。

何故模造刀を使わないのかというと確実にこの場で刃を潰しているとはいえ刀を取り出し戦えば銃刀法違反で捕まるからだ。

過去に一度それで罰金を払い数十万円が消えたのだから神楽とて対策もする。


「それじゃあ行くわ」


私が言い終わるよりも速く神楽が駆け出すと横薙ぎに切って来る。

しかしその程度は如意棒で防ぐ。

前のように喧嘩術、棒術を刀に落とし込んだ戦い方で積極的に攻めて行った。


カンッ!カカンッ!!カンッ!カンッ!


連続で響く木製同士の衝突音はまるで音楽のように子供達の耳に響いた。

刀は取り回しの良さによる連撃と近距離での威力が持ち味だが如意棒のような長物にはやや相性が悪い。

棒や槍は基本的に刀剣より長く遠くの敵に当てる事が出来る。

打刀の平均の長さは持ち手含め約95㎝

対して私の如意棒の長さ2m

これだけで距離の優位か分かるが神楽はこの距離の優位を圧倒的な体力による刀の間合いでの戦いを押し付ける事によって戦いを成立させた。

刀の間合いでは2mという長さの如意棒は少し振り辛く防御一辺倒になりやすい。

しかしこれは稽古ではなく鍛錬の為手も足も出して戦い如意棒の刀の間合いによる不利を打ち消す。


更に付け加えると私の如意棒は太さが傘の持ち手より僅かに太い程度であり硬さと軽さを両立していた。

人によっては思いと思う子もいるかも知れないが私は鍛えているからこの程度は紙のように軽く感じている。


「ふっ!」


「ぐっ!っはぁあ!」


如意棒での突きが決まり神楽を吹き飛ばせそうになるが如意棒を掴み武器の動きを封じると体を回転させながら木刀を振るった。

一瞬背を向けてしまうがそれは如意棒を手放して回転を止めない事でカバー、得物を掴む事で武器での防御が出来ない私に取れる手段は回避か素手による武器の掴み取りだが神楽の持つ木刀が真剣だった場合の事を考えるとそれは負けに繋がりかねない。

故に取れる手段は木刀を振るう神楽の右手首を掴み防御、そして左は如意棒を手放し神楽の首を掴みながら足を引っ掛けて地面に押し付け勝負を決める事!


「はっ!」


「まだっ!」


「なっ?!」


考えを読んでいたのか神楽は地面を蹴り体を捻り、左手で私の顔面に向けてその拳を放った。


ヂッ!


「っのぉ!!」


反射で回し蹴りを放ち距離を取る。

何とか避けたがあまりに速いパンチのスピードと皮膚同士の摩擦で頬が僅かに火傷をしてしまった。

距離を取れたのは良いが私は如意棒から手を離してしまい神楽は木刀を持ったままこちらを見ている。

武器を拾い攻撃に移るよりも神楽の攻撃が届く方が断然早い。

なら


「ふぅーーー……私は本来こっちでやるのが得意なの。やってみる?」


拳を構え話しかけた。

神楽はニヤリと笑う木刀を捨て同じように構える。


「何気に徒手空拳での鍛錬は初めてですね」


「どれだけ着いてこれるかなっ!!」


近づくと同時にパンチを放つが神楽が反応するより前に引き戻し反対の手で防御行動に出ていた手を避ける形で体に当てた。


「あぐっ!?」


「武器術は割と最近学んだばっかで対して身に付いてないのよ。

 だけど徒手空拳なら昔からしてる私に一日の長があるの。それが分からない神楽でもないでしょ?私がどれだけ武器を持たず過ごして来たか分かる?

 それは必要ないからよ」


「つっっ!!」


長時間の戦闘に長けた神楽

対して私は短時間集中に長けた戦闘を得意としているが神楽より長時間戦えないだけで普通に長い時間戦えるのだ。

しかも徒手空拳での戦いは本来の戦い方の為体の使い方が分かりより長く戦えると同時に瞬間的な強さも増大する。

つまり武器術同士による鍛錬では私が劣るが純然たる拳だけの戦いなら長時間戦闘に持ち込ませずに私が勝つ。


「それ!」


「あだっ!」


呼吸を挟まない徒手空拳は神楽には厳しかったのか4発ほど頭に手刀を貰った所で鍛錬は終了した。


「やはり自分の得意を押し付ける戦いは得意だけど押し付けられると綻ぶのが早いわね。もう少し無呼吸での鍛錬も増やすわよ」


「有り難い限りです」


「よし!なら、軽めの運動も終わった事だし着替えるわよ」


「…………少々汗臭いでしょうか?」


「そんな事無いと思うけれど気になるなら汗拭きシート使う?」


「それって体拭くとすーすーするヤツですよね?私それ苦手なんですよ。拭き過ぎると寒くて敵わないです」


「そもそもこれそんなに一杯使って体拭く物じゃないわよ1枚で十分よ……」


意外な神楽のポンコツエピソードに苦笑いが止まらなかった。





子供達から注目を浴びていた氷鉋狐雪

ひさびさに少しだけ殴り合えて楽しいと感じたがやはり時間が少なかった為物足りなさを感じている。

神楽の成長も感じうきうきの雇い主





ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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