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第三章 「エコー」
通信塔は、丘の上に立っていた。
鉄骨が歪み、一部は崩れていた。
でも中心部はまだ機能していた。
内部に入ると、機器の一部が動いていた。
電力は太陽光パネルから得ているらしかった。
スクリーンに、断片的なデータが映し出されていた。
ソフィアがアクセスすると、データを受信し始めた。
「……エコー。西へ。アーク。最後の……」
音声データだった。
ひどく劣化していて、断片的だった。
でも、確かにそう言っていた。
「エコー?」
ルナが聞いた。
「エコー。残響、という意味です」
ソフィアはデータを繰り返し解析した。
別の断片があった。
「……生命の記録……アーク……最後の希望……」
「アークというのは、どこかの施設ですか?」
デメテルが聞いた。
「おそらく。西にある施設から発信されているデータです。
かなり昔のものですが、まだ信号が続いています」
三人は顔を見合わせた。
「行きましょう」
それがソフィアの結論だった。
異論はなかった。




