006 バタバタな土曜日
・・・・なんかご飯作るシーンが多いです。
なんでだ・・・
真央の家から戻ると、お昼から夕飯の下ごしらえに取り掛かる。夜は週2日ある家庭教師のバイトがあるので眠くなったら昼寝をしたい。目が覚めている間に準備を始めた美月は、おかずの1つに弟のリクエストの唐揚げにする。1kgづつに分けて冷凍していた鶏肉を大きなボウルに水を入れて解凍する。食べ盛りを未だ終わらない兄と弟の消費は凄い。
解凍は時間がかかるので、ジャガ芋をきれいに洗い、芽だけくりぬいて皮ごと鍋に投入。沸騰させてから中火でゴトゴト煮込む。その間に唐揚げのしたに敷くサニーレタスを千切りサラダスピナーにポイポイっと入れて水気を切ると中の水を捨ててスピナーごと冷蔵庫で冷やす。
ジャガ芋はポテトサラダにするので、一緒に入れる具材を切っていく。今日はカニカマがあったから玉ねぎのみじん切りは切ってそのまま放置。辛みが飛ぶらしい。キュウリの輪切りは塩をかけて置いた後塩を流して軽く水を切るとキッチンペーパーにくるんでぎゅっと水を抜く、カニカマは2センチくらいに切ってほぐして、今日はコーン缶詰を見つけたのでそれも入れる水を切っておいておく。
スープは何にしようなぁ~と食料品庫をガサゴソしてるとわかめを発見。わかめを水に戻して、コーンを半分に分ける。やっこもあったからそれも入れちゃおう!お父さんの晩酌用かもしれないけど名前を書いていない人が悪い!まぁ、半分だけ残しておいてあげよう。
片栗粉を水に溶かして、わかめ、コーンを入れて、中華スープの素を入れる!沸騰する前に片栗粉水は入れて沸騰したら溶き卵を流しいれる。クルクル混ぜてとろみが出たら豆腐を入れて再沸騰したら火は止めておく。
ジャガ芋も、ゆであがりアツアツのジャガ芋を布巾で包み皮を向く。あつあつ言いながらボウルにポンポンポンと3つ入れると洗い物を増やしたくないのでしゃもじでぶすぶすとつぶしまくりぼうるのへりに広げて冷ます。ジャガ芋以外の全部にラップをかけて冷蔵庫へ。解凍鶏肉の水は冷水になってるので常温に入れ替える。
「はぁ~とりあえず、いいかな。今日は19時からか。18時半にでればいいから17時から調理したら間に合うか。16時には絶対起きてないとやばいな。アラーム。アラーム」
起きる時間の16:00と家を出る18:30にアラームをセットすると、自分のノートパソコンを開いて家庭教師事務所のサーバの今日の生徒の情報を確認する。
『小山 葵 女 14歳 中3』
『2年の復習テキスト
・英語 完了
・国語 完了
・理科 完了
・社会 回答予定
・数学 回答予定』
「葵ちゃん、数学苦手だから今日は回答の後の解説で終わりかなぁ~。あっ回答中に今のとこやってもらうか。えっと【多項式の展開・因数分解】かな【平方根】かな・・・両方持って行くか」
美月は家庭教師事務所のテキストサーバーで、火曜に印刷した分のテキストを鞄に入れる。今の受け持ちは中3の女の子1人。受験勉強を本格化させるから夏季から夏季講習で塾に行ってそのまま塾に移行すると言っていたから彼女の担当も来月いっぱいかなと考える。新しい子は来週からだったかぁとぼんやりと考える。
「はぁ。眠くなってきた」
美月は、家庭教師用の鞄を玄関脇に置くと部屋に戻ってふき取りシートでメイクを落としてシッカリと遮光カーテンを引いてベットに転がる。携帯を見ると14時。2時間は寝すぎか?とボヤっとした頭で考えながら充電だけはしなくては・・・とベットサイドの充電ケーブルをさして力尽きる。
ムームームームームームームームー
チャララーンチャララーンチャララーン
スマホのバイブレータとアラーム音にぼやぼやと起きる。本気で2時間寝てた・・・と思いながら一旦スヌーズをスライドする。もそもそしてると廊下からどたどたと足音がしてノックもなくドアが開かれる。
「姉ちゃん!起きる時間?」
「あきとぉ~うるさい。寝起きに大声うるさい」
「あぁごめん!ごめん!今日、唐揚げだよね?愛海も呼んでいい?」
「・・・・・・・なんで、唐揚げで愛ちゃん呼ぶの?」
「え?俺、今からデートなんだけど夕飯、唐揚げだからうちに誘おうかと思って!」
「1kgあるから多分大丈夫。んじゃ、6人分に分けとく・・・・」
「サンキュー!んじゃ行ってきます!」
「あーい。気を付けてぇ~」
ぼんやりと起き上がり、デートの途中で彼氏の家の夕飯が入るのは愛海ちゃんはいいのか?と思いつつも愛海ちゃんだから大丈夫かと、クローゼットをごそごそしながら服を選ぶ。そのまま、お風呂に向かって出てくると兄であるひろ陽が帰って来てた。
「おぉ~俺が上げたシャツじゃん!似合う似合う!」
「あはは!ありがとね!1年寝かせてたけどね。今年貰ったのも真央と琴にも大絶賛されたよ。琴ちゃんと同じテイストの服も買ってきたよぉ~」
「いいな!似合う服着なよ!」
わしわしとまだ乾かしていない頭を撫でられる。4歳上のひろ陽と彼女の優海は、私がだぼだぼしか着ない事情を知っているから無理矢理着ろとは言わないけれど時折、何かと一緒に、こーゆー服を買ってきてはプレゼントしてくれる。昨日来た服は今年の誕生日に貰ったが、今着ているのは去年の誕生日に貰った。昨日のよりもっと大人しいというかカッチリしたイメージの服だった。
「うっす。あざます。今日、夕飯は食べる?」
「あぁ。食ってから出かける」
「え?」
「飲みに行くの?食べてから?」
「いいやぁ~!優海ん家!」
「優海ちゃん遅いの?」
「うんにゃ。19時頃に行く」
「ええぇ~」
「美月、19時からバイトだからその前に出来るだろ?夕飯」
「出来るけど、優海ちゃんの御飯は?」
「あぁ~何か買っていく?」
「もう、持って行きなよ。あー何か品数増やすか・・・煌星も愛ちゃん連れてくるとか言ってたし・・・父さんたちも帰って来てるよね?」
「あぁ庭にいるぞ!買い物詰めといたって言ってた。母さんが」
「OK!見てみる」
とりあえず、鶏肉が解凍されてるか触ってみて確認すると袋から水切りに出して、流しの中で水を切っている間にボウルの方に唐揚げ粉の素と水をまぜまぜ、唐揚げのタネを作る。時間が無い時の救世主!唐揚げのタネに鶏肉を投下して混ぜ合わせてとりあえず放置。
食料ストックの引き出しを開けると色々増えていた。グラタンの素!素晴らしいお母さん!冷凍庫から冷凍エビと冷凍ホウレンソウを出して、冷蔵庫から牛乳。野菜室からは玉ねぎを取り出す。おぉ!しめじもあるとそれも取り出す。
油鍋を火にかけて、油を温めつつ。その隣には大き目の深いフライパンも並べる。玉ねぎを千切りにして、しめじの石突も切り落としてほぐす。フライパンが温まると油をしいて玉ねぎを投入。半透明になったところでしめじも入れる。キノコから水分がでてくるのですぐは焦げないように中火にして、唐揚げの味付けのした鶏肉を油に投下。
新聞紙の上にキッチンペーパをしいて、玉ねぎとキノコをぐるぐる焦げないように混ぜる。いい色になったらグラタンの素の裏面の通りにマカロニと粉と牛乳を入れて水は少しだけ減らして入れる。冷凍のエビとホウレンソウから水分出ちゃうからね。
グラタンの素の粉がなじんでとけたらエビとホウレンソウを追加して沸騰したら、焦げないように混ぜながら弱火で煮込む。その間に、第1弾の唐揚げを出して、第2弾の唐揚げを入れる。グラタンをまぜつつ5人分のお皿と耐熱の小鉢、2人分を入れるタッパー。ふたのある耐熱容器をカウンターの上にとりあえず出しておく。
唐揚げを置く為にキッチンペーパーが広げられ手狭いになった作業台の上に潰したジャガ芋の入っているボウルの周りに先ほど切った、玉ねぎの千切り、水の絞ったキュウリ、ほぐされたカニカマ、コーンを入れて。マヨネーズ。マスタードとみりんとお酢を少しだけ入れる。グラタンを混ぜ混ぜして、今度はポテトサラダをまぜまぜ、唐揚げは第3弾に突入。
シャワーから出て来たひろ陽兄に、ポテトサラダの味見をさせて塩コショウを手渡す。後の味の調整は任せた。
「出来たら、赤いふたのタッパーに入れて!」
「ええ!もっと大きいのがいい」
「じゃあ、唐揚げそっちでいいの?」
「駄目ですね」
「駄目でしょう?指示通りおねがいしまーす」
「へいへーい」
「入れたら冷蔵庫いれてて!残りはボウルのまま!」
「あいよぉ~」
ポテトサラダを終えた空きスペースに耐熱容器を並べて丁度いい感じに火が通ったグラタンを入れていく。その上にチーズをのせて、パン粉は無いから諦める。実はあるけどこのちょびっとの為に未開封を開けたくない。バターを小さく切ってとりあえずそのまま置いておく。付箋、【食べるときにトースターで焼いて】と書いて後でラップの上から張ろうと置いておく。唐揚げは第4弾目だ。
その間に、洗い物を洗って乾燥機に突っ込む。はぁ~17時半。唐揚げは5弾で終われそうだなと思いながらお皿を並べつつ唐揚げをつまみ食いをする。サニーレタスを盛をもりつつそれもつまみ食う。太陽兄に持たせるタッパーにも敷き詰めて、風呂敷でいいかなぁ~保冷バックでいいかぁと保冷バックの入れた戸棚から引っ張り出す。
汗をかいたので服をもう一度取りに戻り二回目のシャワーを浴びて髪の毛を乾かしてメイクする。ギリギリ18時15分。出かける前から疲れた。が余裕のある時間で良かったと思うしかない。
粗熱が取れた唐揚げをタッパーとお皿に盛ってキッチンペーパーの上で、揚げ油を濾し器に入れる。まぁ後片付けは母さんと父さんがしてくれるので、続きはお任せ。
お更にふんわり全部ラップをかけて、タッパーはカウンターに並べて保冷バックも置いておく。
「ひろ兄ぃ~サラダ忘れないで持って行ってねぇ~あと、グラタンと唐揚げと中華スープ!」
「オッケーありがとう!優海喜ぶ!今日は早番とか言ってたから!」
「はぁ~い。今度からひろ兄が気をきかせてくださぁ~い」
「へーい。以後気を付けます!」
絶対無理だと思いながら、愛車のジムニーで小山家へ向かう。家庭教師事務所は家から10分。小山家はそこから10分ほどの距離にある。7時10分前に駐車場に着くと、スマホを開く。メッセージは数件入っていたので全部返す時間が無いなと思ったら、玄関から葵ちゃんが顔を出す。可愛いなと思いながらエンジンを切って外に出る。
「美月先生!」
「今晩は、葵ちゃんご飯食べ終わった?」
「はい!夜も勉強するとき軽食食べちゃうんで少しだけ!」
「まぁ満腹は眠くなっちゃうしね」
2人で話しながら家に入ると葵ちゃんママが迎え入れてくれる。バリバリキャリアウーマンみたいな容姿なのに結構な天然さんだったりする。
「美月ちゃん、いらっしゃい。お腹空いて無い?」
「あはは綾乃さん。私、葵ちゃんの勉強を見に来たんですよ。後、つまみ食いしてきたんで大丈夫です!」
葵ちゃんママの綾乃さんに答えて、葵ちゃんの部屋に向かう。葵ちゃんの勉強机はうっかり美月の机の話をしてしまい。美月と同じニ〇リの足を取り換える式の180cmの長テーブルになった。結構長いので横並びで作業できるくらいだ。
まぁ。大学生になったら、資料とパソコンと広げられるから便利だけど・・・と思いながら可愛い飾り棚と引き出しのある机は従姉妹に新1年生がいるので譲ったとのことだった。アレ高いのになぁと思いながらも葵ちゃんの説得で両親がOKしてこの状態になったから美月には何も言えない。
「課題は終わった?」
「はい!数学大変でした。めっちゃ教科書見たかった」
「あはは。ちゃんと間違えてるところを教えて下さぁーい」
「はーい。時間内で出来た所だけです。社会はまあまあ出来てると思います!」
「うん。知ってる!歴女だもんね。葵ちゃん!」
「はい!でも、それに付き合える美月さんも相当ですよ!」
「こぼれ話までは知らないよ!いつも面白いなぁ~と思ってる」
「メモしてましたもんね!」
「うん。社会苦手な子に教えるときにいいかな?って思って」
「おぉう!私の知識が人の役に立つの!?」
「そうだよぉ~知識は人を助けるよぉ!自分も他人も!」
「んじゃ私、回答してるから、葵ちゃんはこっちやって!」
「お~う。数学・・・・」
「数学苦手なんだもん。数学重点的にしないと」
「夏期講習までに苦手意識なくなったらいいんだけどなぁ~解けてるし」
「そうなんですよぉ~長年、算数・数学苦手って思ってて、美月先生と勉強してからは結構解けるんですけど苦手だなって意識が・・・」
「これは、たくさん解いて自信をつけるしかないね!解けた時に楽しい!って言ってみようか?問題解く、パズルが解けたみたいで脳が気持ちいい!って」
「えぇ!自己暗示ですか?」
「そうそう、楽しさは自分で作るべし!ふふっ」
「分かりました!」
「素直でよろしい!」
「よし!やろう!」
「はい!」
数学はやっぱり割ととけていた。ひっかけや解釈が難しいところでひっかかっているけど8割ちょっと解けているので苦手科目では無い。自信ってどうつくかなぁと考えながら、間違ったところの解説と類似問題をタブレットから出したものをノートに解いてもらって終わった。中3になってから習ったところもおおよそ理解できてるので一安心だ。
「美月ちゃん。夜遅いけど、お茶していかない?」
21時まで授業を2時間終わらせると、葵ちゃんママに呼び止められる。用事もないのでお茶をしながら今後の日程を話そうと了承する。
「ありがとうございます。頂きます。葵ちゃんも軽食タイム?」
「はい!一緒に食べておしゃべりして、勉強しまぁす!」
「いいね!でも、睡眠も大事だからね!」
「はーい」
3人でお茶や軽食をとりながら、葵ちゃんは夏期講習が7月中旬から始まるが7月いっぱいは家庭教師をお願いして塾で分からなかった事、勉強の仕方等の相談時間にすることに決まった。正直、授業の成績を上げるのは楽しいが受験対策はたかが大学生には荷が重いので助かる。
「では、また火曜日に!」
「えぇお願いね」
「美月先生。ありがとう!またね!」
「はぁい。バイバイ」
小山家から帰宅すると、家に着いた途端なんだか気持ちが悪い。今更、二日酔いは無いだろうがご飯を食べる気が起きない。そのまま部屋に戻って行く私にリビングでテレビを見ていた煌星が声をかける。横からひょっこと顔を出した彼女の愛海ちゃんも一緒だ。
「姉ちゃん!御飯食べんの?」
「ん~ちょっと今日はいいや」
「美月さん顔色悪い!あっ御飯ごちそうさまでした!美味しかったです」
「良かったぁ~うん。寝不足かな?今日はサクッと寝ます!」
「はーい。おやすみなさぁい!」
「ねぇ!残ってるの食べて言い???」
「・・・・グラタンは朝ごはんに食べる。他はOK」
「わぁ~い!」
「なんかすみません」
何故か謝る愛海ちゃんに、こちらこそと言って部屋に行ってメイクをシート落とすと着替えだけ頑張ってそのまま眠った。
読んでくださりありがとうございます!
~登場人物~
森 美月 21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃
体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中
森 太陽 25歳 役場勤務
8/15生 優しいお兄ちゃん 大雑把
森 煌星 19歳 大学1年生 教育学部
2/3生 末っ子らしい人懐っこい性格 大食い
佐藤 優海 23歳 保育士
4/27生 太陽の彼女 しっかり者のお姉さん
美月の事を気にかけているので美月も優海を気にかけてる
野口 愛海19歳 大学1年生 日本文学部
11/15 煌星の彼女 ご近所の兄弟ともに幼馴染 人懐っこい 少し天然(自覚アリ)
小山 葵14歳 中3 一人っ子
家庭教師の生徒さん 美月の事が大好きな女の子 美月も妹みたいに可愛い
小山 綾乃 43歳
葵のお母さん 見た目は綺麗系でお仕事もできるらしいが結構天然




